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情報センターにある博物館の常設展示エリアが「ネイチャースクエア・大阪の自然誌」です。この展示室は、そのままズバリ、大阪府全域の自然を具体的に展示するエリアです。大阪の自然を、博物館の標本と、行事にあわせて取材して作製した「自然観察地図」とで具体的に語っていきます。
展示は北摂から生駒、和泉へと地域を主な山ごとに区切って自然の特色を解説する「山地」、生き物のすみ場所をタイプ別に紹介する「丘陵」、「平野」の各ゾーン、そしてこれらの地域をつなぐ「水辺」のコーナーがあり、展示室の中央には「淀川」の大通りが走り「大阪湾」へとつながります。「淀川」は河口から三川合流点まで、周辺の様子とともに航空写真でたどります。周囲には、淀川の水辺をタイプごとに示す展示、そして平野の展示などが広がります。淀川大通りの最奥部には、魚や水生昆虫、水生植物などを生きた姿で展示するコーナーもできます。季節に応じ、水辺の生き物を感じることができれば、と思います。
展示室に順路はありません。大阪湾から平野を横目で見ながら淀川をさかのぼり、水辺をさかのぼるように丘陵、山地へ向かうことも、台場くぬぎに大阪の人と自然の関わりを思いながら山地を最初にながめ、丘陵、平野と下界に下ることも可能です。また、気候と植生、大阪のおいたちなど基礎的な情報、そして移入生物や丘陵の現在といった現在の大阪の自然を理解するために必要なトピック的な展示もあります。どうぞ興味に応じて、好きなペースで、さまよいながら何度でもご覧下さい。
このネイチャースクエアには3つの要素があります。一つは博物館本館のイントロとしての要素、もう一つは大阪の自然のビジターセンターとしての機能、そして長居公園の自然のビジターセンターになる役割です。
博物館のイントロ部分としては、まず、身の回りの自然に興味を持ってもらう、そして本館の展示や特別展でさらに深く学んでもらう。こうした「きっかけ」になるコーナーを目指しています。現在は第一展示室との重複部分がありますが、将来の展示更新の計画の中ではこのネイチャースクエアと各展示室が互いに関連しながら、自然を語っていくようにしていきたいと考えています。
大阪のビジターセンターとしての機能はこの展示室単独で十分に果たせると思います。私たちは博物館に来て自然を理解してもらうのでなく、「博物館に来ると自分で観察にいきたくなる」、そして「もう一度確かめに博物館に行きたくなる」と言わせたいと考えています。
長居公園のビジターセンターとして機能するコーナーが「長居公園Just Now」です。植物園案内で紹介した話題を中心に、画像と学芸員の説明をタッチパネル付きモニターで紹介するコーナーです。その月の植物園案内などと関連した話題がビジュアルに提供されます。