干潟のカニたちは,みんなそれぞれ自分が掘った巣穴を持っています.鳥などが近づくと,カニたちはいっせいに自分の巣穴に逃げ込みます.また,巣穴は,水分の補給や交尾の場所として,カニたちの生活に大切な役割を果たしています.
巣穴の形は,カニの種類によって違っています.小形のカニである,ハクセンシオマネキ,チゴガニ,コメツキガニの中では,ハクセンシオマネキがとびぬけて深く,また中が広くなっています.大形のヤマトオサガニとアシハラガニは,ともにななめの穴を掘ります.
干潟でカニを追いかけてみると,自分の巣穴を捨てて,他のカニの穴に入ろうとするコメツキガニやアシハラガニを見かけることが時々あります.しかし,ハクセンシオマネキは,よほどのことがないと,そのようなことはありません.ていねいに巣穴を作るハクセンシオマネキは,それだけ自分の巣穴にこだわるのでしょう.