大昔の地質時代に栄え,化石がよく知られていて,しかもその子孫が今もあまり変化せずに生き残っているような場合,現在いる子孫は「生きている化石」とよばれます.オウムガイ,オキナエビスガイなどとともにカブトガニも「生きている化石」の有名な例です.
カブトガニは,古生代のシルル紀にあらわれ中生代に繁栄しました.じつは,カニではなく,クモに近い原始的な節足動物です
現在は,インド・西太平洋沿岸とアメリカ東岸に5種が生き残っています.日本でも,瀬戸内海の一部や九州沿岸の限られた場所に生息しています.
カブトガニは,砂浜に卵を産み,干潟で育ちます.海岸の埋立てなどのために,今,このような場所はとても少なくなっています.また,カブトガニがおとなになるには,約15年もかかると言われています.繁殖力の弱い動物なのです,私たちがよほど気を配らないと,このままでは日本のカブトガニは絶滅してしまうかもしれません.