マンモスは,恐竜と共に大昔の生きもの(古生物)の代表といえるでしょう.大きな体,ふさふさとした毛,そして長く曲ったキバを持った姿はいろいろな本に書かれていますから知っている人も多いでしょう.インドゾウやアフリカゾウは暖かい所にすんでいますが,マンモスは今よりたいへん寒かった氷河時代に,ロシアやアラスカなど北極に近い所に住んでいました.長い毛は厳しい寒さに耐えるために必要だったのです.凍ったままみつかったマンモスの化石を調べると,皮下脂肪も厚かったことがわかります.
動物が死ぬと肉や皮は腐ってしまいます.だから,かたい骨や歯や貝殻だけが化石になるのが普通です.しかし,例外もあります.マンモスはとても寒い所に住んでいたので,死んでから,天然の冷蔵庫に閉じこめられたものもたくさんありました.ソビエトでは冷凍マンモスがたくさん見つかっています.
冷凍マンモスが見つかると,普通の化石では残らない,皮・筋肉・内臓から血液まで,詳しく調べることが出来ます.中には,胃の中からマンモスが食べていた草がそのまま出てきたこともあります.マンモスに毛がはえていたことも,今のゾウだけをみていたらちょっと気がつかなかったかもしれません.