ナウマンゾウはおよそ30万年前から18,000年前に,日本列島にすんでいたゾウです.北海道から九州まで,日本中から化石がみつかっていて,日本を代表する化石象と言われています.特に,瀬戸内海の海底からは,何千個もの化石が底引き網で魚や貝と一緒に引き上げられています.大阪の近くでも,友が島のまわりや明石海峡,そして鳴門海峡でよくみつかります.
第2展示室にあるナウマンゾウの全身骨格は,北海道の忠類村で発見された標本をもとに組み立てられたものです.忠類村では,頭の骨や肋骨など一部を除いて,一頭分の骨がそろって発見されました.
オリエンテーションホールの復元象は,長野県の野尻湖をはじめとする,日本各地での調査の結果をもとに作られています.
ナウマンゾウの牙は,マンモスゾウほどではありませんが,よく曲がり,ねじれています.頭の骨は横からみると四角く,ひたいの上の方が前へでっぱっているのが特徴です.大きなものでは,体高が3m近かったと考えられています.
ナウマンゾウの名前は,明治時代のはじめころ,日本に招かれて,日本の地層や化石を研究し,学生を教えたドイツ人のエドモント・ナウマンにちなんで付けられました.