イシダのプロフィール

石田 惣(いしだ そう)

197x年生まれ。縁あって2002年4月より福井市自然史博物館で海岸動物担当の学芸員をさせていただいたのち、2006年4月より大阪市立自然史博物館で無脊椎動物担当のやはり学芸員をしています。

関心のあること

市民参加による生物の分布調査

大阪市立自然史博物館の友の会を中心に、市民の皆さんに呼びかけて様々な生物の分布調査を行っています。生き物に関心を持つ市民の皆さんの観察眼は、自然環境のモニタリングを支える大きな力です。博物館の外来生物調査プロジェクト「プロジェクトA」(2015〜2019年)では、主に淡水性巻き貝のスクミリンゴガイ、陸産貝類のオオクビキレガイの分布調査を行いました。大阪府のオオクビキレガイの分布情報については現在も情報募集中です。

博物館標本から推定する生物相の変遷

博物館に収蔵されている標本は、その生物がそこに生きていたことを示す確実な記録です。戦前から高度経済成長期前後の古い時代に採集された無脊椎動物の標本群を利用して、大阪湾などにあった過去の干潟の生物相や、希少種の分布、外来種の移入記録を検証しています。 2019年より、沖縄戦で米軍が採集した生物標本の探索とその記録活用をテーマとした研究を行っています。JSPS科研費19K01152

生物映像のアーカイビングとその活用

動物の行動を記録するにはいろいろな方法があります。もっともわかりやすく、かつ確実な方法の一つは、映像で記録することです。ビデオカメラの普及とともに、多くの研究者が映像で行動を記録しています。彼らが持っている映像の提供を広く呼びかけ、ウエブで公開する「MOMOプロジェクト(www.momo-p.com)」の立ち上げと運営に関わるとともに、生物映像を活用した教育活動や教材開発を試みています。また、生物や自然景観を撮影した動画を収集し、データベース化する取り組みも行っています。その一環として、博物館が著作物の寄贈を受け入れる際の権利処理のあり方についても関心を持ち、検討を進めています。

大阪湾沿岸を始めとする潮間帯生物相の長期調査

「大阪湾海岸生物研究会」が1980年から継続している大阪湾の岩礁潮間帯の生物相調査に携わっています。長期的な生物モニタリングにより、特定の種群の増加や減少を明らかにすることで、環境の変動の把握やその要因の解明につながることが期待されます。また、環境省モニタリングサイト1000沿岸域調査・磯環境(大阪湾サイト、南紀白浜サイト)にも携わっています。

軟体動物の生態学・行動学的研究

岩礁潮間帯のアッキガイ科、ムカデガイ科巻き貝の採餌生態のほか、淡水性二枚貝のイシガイ類に対する外来生物の影響について調べています。

書き物

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