自然史博物館で,私はシダ植物の担当となっています.

 これまで,シダをずっとやってきたわけではないのでまだ,専門的領域には達していません.大阪市立自然史博物館には近畿地方のシダ植物の標本が膨大に所蔵されていますので,努力していかなくてはならない課題です.シダは前葉体も胞子体もVA菌根をつけるので,こちらの方も今後興味を持って調べていきたいと思います.

 博物館に入って最初の大仕事になったのが,「真砂久哉氏収集 和歌山県産シダ植物標本目録」の整理・編集でした.もちろん,私だけでできる仕事ではありませんで,瀬戸剛元学芸員の指導の元で行いました.今回の目録に掲載した分だけで1万点を超える標本があります.昨年8月に受け入れた標本は総数で3万点を超えます.

和歌山県下のシダ植物標本が32科 71属 374種(変種・亜主・雑種を含む)が掲載された膨大な記録となりました.

 一人のナチュラリストの仕事と考えると,私にはいったい何が,どれだけのことができるのだろうと問い直される気になります.研成社から出版されているのぎへんのほんシリーズ「南紀から地球の植物をみる」に掲載されている真砂久哉さんご自身のエッセイをあわせて読むとかれのシダに注ぐ熱意が感じられます.

 収蔵資料目録は10月20日無事刊行され,定価1000円郵送費440円で当館普及センターにて発売されております.

現在、このデータをGIS上に移行させつつあります。