7月20日から始まる特別展「干潟の自然」では,干潟に穴を掘って暮らしているカニなどが,どんな巣穴を掘っているのかを見ようという展示を行います.そのために6月上旬に何人かの学芸員が三重県櫛田川河口に広がる干潟で,その型どりを行ってきました.
まず,石井久夫学芸員が中心となって,まずは型どりする適当な巣穴を探します.その巣穴に何が棲んでいるかがわからないとその価値がないので,カニが巣穴に入るところをじっと観察です.巣穴を見定めると,波戸岡学芸員が型どりの樹脂を流し込みます.そして乾いて固まるのを数時間待ちます.
スコップで無理矢理掘り出すと型どりした大切な巣穴を折ってしまうかもしれないので,丁寧に手で掘り出します.砂干潟で巣穴を掘り出すのは比較的楽ですが,泥干潟では,みんな手をどろどろにして掘り出します.掘り出した巣穴は,成功しているのもあり,失敗しているのもあり.中には流し込んだ樹脂の中にカニが閉じこめられているものもありました.
このような学芸員たちの苦労のたまもの,カニたちの巣穴をみなさんぜひ見にきてください.