開催趣旨
絶滅の問題は,私たちのごく身近なところにも存在します.例えば,かつては身近だったキキョウやフジバカマ,タガメやゲンゴロウなどの絶滅が心配されています.こうした絶滅の背後にある環境破壊や乱獲への関心が高まり,社会問題として注目を集めるようになりました.また,アウトドアブームで自然への関心が高まり,学校でも総合学習の一環として絶滅や保全を扱うなどの気運が生まれています.
自然史博物館では,豊富な収蔵資料をもとに,これまで各種のレッドデータブック(絶滅危惧種のリスト)の作成に携わってきました.レッドデータブックが私たちにどのような警鐘をならしているかを読み解き,自然とどのようにつきあっていけばよいかを考え直す機会として今回の特別展を企画しました.
この特別展では,「絶滅危惧生物と自然環境」を貴重な標本資料等で紹介し,生きものと人間活動との関わりについて展示します.そして自然との共存の問題,ひいては環境問題について考える機会としていただくことを願っています.