平成14年5月10日
大阪市教育委員会事務局
大阪市立自然史博物館
06-6697-6221
担当:佐久間・川端

 
大阪市立自然史博物館
特別陳列「朝鮮半島と日本列島の自然」の開催について

大阪市立自然史博物館では、韓国と日本それぞれの文化を育んだ自然を理解していくことで隣りあう両国の交流を深めていくため、平成14年5月18日(土)から6月30日(日)まで、当館2階(本館)の特別展示室において、特別陳列「朝鮮半島と日本列島の自然」を開催します。
今回の特別陳列では、当館が長年にわたって収集し、また寄贈をいただいた昆虫や植物、化石や岩石などの実物標本や写真の中から、朝鮮半島と日本列島のつながりを示すもの約600点を展示します。
また、本市の学芸員等が行っている共同研究「朝鮮半島と日本の相互交流に関する総合学術調査」について、韓国内における考古遺跡発掘調査の様子や、江戸時代の鎖国政策のもとで唯一日本を訪れた公式の外交使節団であった「朝鮮通信使」関連の資料などを展示し、その成果を紹介します。
大阪市学芸員等共同研究「朝鮮半島と日本の相互交流に関する総合学術調査」は、平成12年から14年(第1期)の3年間の予定で、大阪市教育委員会が所管する博物館施設の学芸員等専門職員が共同で総合学術調査を推進することで,博物館ネットワーク構想を具体的に推進し,合わせてその成果を展示・シンポジウムなどの形で市民の生涯学習に対する機会として提供していくものです。

5月31日より開催される2002FIFAワールドカップTM韓国・日本大会を前に、韓国と日本両国間で文化・芸術などさまざまな分野での交流が行われています。長居公園にある自然史博物館の周辺でも、会場となる長居スタジアムを中心に大会に向けた準備が進みつつあります。当館においても、このワールドカップ会期にあわせ、両国の自然と生き物についての展示を行うことになりました。韓国と日本は、ともに人家のまわりに田畑やアカマツやコナラの雑木林が広がる、よく似た自然でもありますが、海に囲まれた日本と大陸につながる韓国では大きく異なっていることがご覧いただけるでしょう。


1.展覧会名 特別陳列「朝鮮半島と日本列島の自然」
2.期間 平成14年5月18日(土)〜6月30日(日)
3.休館日  月曜日(ただし、祝日等の場合は翌日),6月12日(水),14日(金),
     22日(土)はワールドカップ開催のため臨時休館いたします.
4.開館時間 午前9時30分〜午後4時30分(入館は4時まで)
5.会場 自然史博物館 特別展示室(本館 2階)
所在地:大阪市東住吉区長居公園1-23(長居公園内)
最寄駅:地下鉄御堂筋線「長居」、JR阪和線「長居」
6.主催  大阪市立自然史博物館、大阪市学芸員等共同研究実行委員会、大阪市教育委員会
7.観覧料  常設展観覧料のみ
       (大人300円 高校生・大学生200円 中学生以下、大阪市内
在住の65歳以上、障害者手帳等をお持ちの方は無料)
8.主な展示内容
・ 「韓国の森、日本の森」
 韓国・日本に共通するアカマツ林やコナラ林、西南日本に広く広がる照葉樹林、日本の湿潤な冷温帯に成立するブナ林、大陸から韓国に広がるが、日本には分布しないモンゴリナラ林など、両国の森林自然環境を解説
・ 「朝鮮半島の生き物」
 昆虫を中心に動物や植物など、日本の関連する種とともに標本で展示
・ 「つながったり、はなれたり」
 両国の地質を中心に、対馬海峡や日本海の変遷など、両地域の生物相に大きな影響を与えた地史的背景を解説
・ その他、大阪市学芸員等共同研究「朝鮮半島と日本の相互交流に関する総合学術調査」の研究成果の一端を展示。
9.関連ホームページ 大阪市立自然史博館:http://www.omnh.jp/

写真
アオカブリモドキ
 青や紫に美しく光る大型のオサムシ.中国北部,モンゴル,ロシア
沿海州,朝鮮半島に分布する.近い種類として,ツシマカブリモドキが日本の対馬に
分布している.

モンゴリナラ林
 韓国の代表的な山地の自然林。日本のブナ林・ミズナラ林に対応する。(韓国江原道五台山国立公園)