市街地での繁殖、人工建造物での営巣、人工物の巣材への利用、人による巣や巣での卵やヒナの採集など、鳥の巣はさまざまな形で人と関わっています。

人による鳥の巣の利用としてまず思いつくのは、中華料理に出てくるツバメの巣です。食材にされているのは、スズメ目のツバメの巣ではなく、アマツバメ目のジャワアナツバメ(C. fuciphaga)などの巣です。こういったアマツバメ類の巣は、枯草などの植物質や羽毛を唾液で固めてつくられます。その内、ほとんど唾液だけでつくられた巣が食材として利用されます。右手前方の鈴木コレクションに、食用にされる“ツバメの巣”が展示してあります。

ここでは、人の活動によって環境が変化し、それを鳥が取り込んでいる例として、巣材の変遷と人工建造物での営巣を取り上げます。