砂浜で人気があるのは、紅色のサクラガイやベニガイ、つやがあって美しいナミマガシワなどです。波に打ち上げられた貝殻をくわしくしらべると、その付近の海岸や海底にすんでいる貝の種類をさぐることができます。サルボウやアサリ、バカガイなどの殻がたくさんあればその場所に生息していると考えられます。ガンガラのなかまやカキは、近くの岩場から運ばれてきたものでしょう。南の海なら、タカラガイやイモガイのなかまも多く見つかります。 このような貝殻を集めて整理し、名前を調べるのは楽しく、夏休みなどの自由研究のテーマにもなります。しかし、打ち上げられた貝殻は、波や風にさらされている間に、表面の模様やでこぼこがすりきれてしまうので、生きていた時とは見かけが違ってしまいます。そうなると、図鑑に載っている写真や絵とくらべても、なかなかぴったりあうものが見つかりません。砂浜で集めるときに、できるだけ新しい貝殻を選ぶことが大切です。
海水浴場として利用されている都会の近くの砂浜の中には、よそから砂を運んできて養浜しているところが少なくありません。たとえば大阪湾の二色浜には、瀬戸内海の海底の砂が入っており、そこでは地元の貝殻以外に瀬戸内海の海底にいた貝殻もまじっていて、たくさんの種類が記録されています。
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