2-1 田植えがすんだあとの田んぼ

田植えがすんだあとの田んぼでは、オタマジャクシやカブトエビ、ホウネンエビなどが泳いでいてとてもにぎやかです。このような動物のたくさんいるところに腰をおろして、水の中をじっと観察すると、直径5mmくらいの小さな平たい巻貝が見つかるかもしれません。ヒラマキミズマイマイと言います。平たく見えるのは、ふつうの巻貝とちがって、蚊取線香のような巻き方をしているからです。少し山手の田んぼならモノアラガイもいるかもしれません。
田んぼの貝といえば何と言ってもタニシ(田螺)です。螺とは巻貝の意味ですから、まさに田んぼを代表する巻貝です。日本には4種のタニシがいますが、水田には乾燥に強いマルタニシがふつうに見られました。以前は稲刈りを終えた水田にマルタニシがゴロゴロしていて、食用にされていました。タニシの中では味が一番よいのです。しかし、水質が悪くなったせいでしょうか、都市の周辺の水田ではマルタニシは減ってしまいました。現在、水田とそのまわりでふつうに見られるのは、水の汚れに強いヒメタニシです。

水面の下側を歩く
ヒラマキミズマイマイ

モノアラガイ
スケールは5mm

マルタニシ
スケールは1cm

ヒメタニシ
スケールは1cm
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