3-1 神社やお寺の大きな林

家のまわりで観察できる貝の種類は限られていますが、足をのばして、山や川に出かければ、たくさんの種類の貝を見つけることができます。近くに神社やお寺の大きな林があれば、そこも観察のポイントです。
陸上の貝は何よりも乾燥がきらいです。ハイキングで雨に降られるのは不幸なことですが、貝を観察するにはチャンスです。雨上がりのすぐ後ならもっといいでしょう。こんな時には、樹の幹や葉を注意して、大形の樹上性のカタツムリをさがします。そうでない時は、落ち葉のたまっているところや枯れ木が横たわっているところをほじくり返してさがします。
ハイキングでよく見つかる大形のカタツムリの多くはオナジマイマイ科というグループに属しています。大阪周辺では、殻口かくこう周辺が赤いのが特徴のクチベニマイマイナミマイマイオトメマイマイなどがおなじみです。円盤形で殻の表面にモジャモジャの毛を生やしたオオケマイマイも落ち葉の下をかきわけるとよく見つかります。ナンバンマイマイ科の、やや小形で、横から見ると三角形のニッポンマイマイ類も見つかります。陸貝としてはめずらしく蓋ふたのあるヤマタニシもいるかもしれません。山にいる大形のナメクジであるヤマナメクジもしばしば目にします。
左巻きで、2cm前後の細長い巻貝が見つかれば、それはキセルガイのなかま(キセルガイ科)です。大阪付近ではナミギセルがよく見つかりますが、他にもとてもたくさんの種が知られています。

クチベニマイマイ
スケールは1cm

ナミマイマイ
スケールは1cm

オトメマイマイ
スケールは5mm

オオケマイマイ
スケールは1cm

ニッポンマイマイ
スケールは1cm

ヤマタニシ
スケールは5mm

ヤマナメクジ

ナミギセル
スケールは5mm
Copyright (C) 2004 Osaka Museum of Natural History.