4-1 潮が引いた磯 |
潮が引いた磯に行けば、いろいろな生きた貝をその場で観察することができます。魚、カニ、ウニ、ヒトデなど、他にもおもしろい生きものはたくさんいますが、種類がいちばん多いのは何といっても貝です。 巻貝を例にとると、大阪湾や瀬戸内海の海岸では、満潮のときの水面に近いところには、乾燥や高温にとても強いタマキビガイ類が、たくさん見られます。少し下りていくと丸いイシダタミガイや傘型のコウダカアオガイやウノアシガイが見られるようになります。中くらいの高さではイボニシが目につきます。水ぎわ(干潮線付近)では、ヨメガカサガイが動きまわり、コシダカガンガラやクボガイがくぼみにかくれています。石をひっくり返すとオトメガサガイやヒラスカシガイ、アシヤガイが見つかります。 二枚貝では食用になるマガキやケガキが岩を覆うことがあります。岩の間に砂がたまっている所には、アサリやオニアサリがもぐっています。岩の割れ目にはカリガネエガイがせまい空間をうまく利用して入りこみ、ヒバリガイ、ムラサキイガイ、ミミエガイ、ホトトギスガイなどが岩にくっついています。イシマテガイやニオガイのように岩に穴をあけてすんでいる二枚貝もいます。 磯には巻貝でも二枚貝でもない「貝」がいます。8枚の殻がたてに並んでいるヒザラガイのなかまです。岩の表面にはヒザラガイがたくさん見られ、石の裏には大形のケハダヒザラガイや中形のヤスリヒザラガイ、小形のウスヒザラガイがかくれています。 春先によく見られるアメフラシも「貝」です。背中をさわると少しかたい部分があります。その中に退化した貝殻が埋もれているのです。 大阪湾で博物館がいつも磯観察の行事をしている大阪府岬町の海岸では、今までに約100種もの貝が記録されています。 |
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