第1展示室 > 大阪湾と生物
A.フジツボから見た大阪湾

フジツボ類は、大阪湾のどこにでも見られる重要な付着生物となっている。その種類は多く、大阪湾では14種類が知られている。しかも、水質や波あたりの条件がちがうと、生息する種類も異なるので、沿岸の環境を知るめやすとしても利用できる。


オオアカフジツボ:波あたりのきわめて強い外海に面した海岸の、干潮線付近にかさなりあって付着する大型種。

クロフジツボ:波あたりの強い海岸の、潮間帯(満潮線と干潮線とのあいだ)の中位に密集する大型種。

イワフジツボ:潮間帯の上位にびっしり付着する小型のフジツボ。湾の内外を問わず広く分布するが、河口のような汽水域(海水と淡水とがまじりあう、塩分濃度が低い所)にはいない。
 
タテジマフジツボ:内湾の、有機物の多い環境に適応した中型種。水質の汚濁にも強い。潮間帯の中位に付着するので、クロフジツボとは付着場所をめぐっての競争がおこる場合もある。

ドロフジツボ:塩分濃度が低くて不安定な環境に適応した汽水性のフジツボ。概観や付着場所はタテジマフジツボに似ているが、本種は河口のような汽水域にだけ出現する。