第1展示室 > 村の自然
トップ

農耕が広くおこなわれるようになると、人びとの生活は、稲作を中心とした定住生活にかわり、まわりの自然を変えていった。田を作り、用水路やため池を作った。畑を作り、村のまわりには、竹をとるための竹林や、マキをとるための雑木林を作った。
農村の豊かな生物相は、こうしてできた新しい環境に、もともとそこにいた生物と、新しく加わった生物とがあわさって、作られている。これらの生物は、農村の複雑な環境をうまく利用し、また農村の四季のサイクルにあった生活をしているものが多い。(布谷)


●ヒラタキクイムシ

ラワン材の大害虫で,とくに家具類が大きな被害を受ける。高級家具でも,内部にラワン材が使われていれば,成虫が羽化するときに,表面に多数の穴をあけてでてくるので,だいなしにされてしまう。かなりむかし,南方から外材について侵入したらしく,第二次世界大戦前においても被害が知られていた。もともとは関東以南にしかいなかったが,最近では北海道までひろがった。

●コガタアカイエカ

屋内にはいってきて血を吸う蚊のうち,もっともふつうの種類のひとつである。体長4.5ミリメートルくらいと小型で,口吻の中央にはっきりとした白い帯があるのが特徴である。日本(本州から八重山群島まで),東南アジア,中近東に分布し,日本ではとくに本州以南におおく,日本脳炎ウイルスを媒介する蚊として有名である。幼虫は水田やみぞいおおい。