第1展示室 > 大阪の野生のけもの |
![]() 大阪府下の遺跡(縄文時代~弥生時代)からは、カモシカ・ツキノワグマ・カワウソ・オオカミの骨がみつかり、豊かだった当時の自然を知ることができる。 ●ニホンオオカミ(ヤマイヌ) ほろんでしまった日本特産の小型オオカミ。明治38年(1905)に、奈良県吉野郡東吉野村鷲家口でつかまえられたのを最後に、姿を消した。学会に最初に紹介されたのは1839年で、シーボルトがオランダへもち帰った標本がもとになっている。その標本は、1826年にシーボルトが江戸へ行く途中、天王寺付近で買って剥製にしたものであるらしい。大阪のまちからさほど遠くないところに、オオカミのすめる自然があったのだろう。 ●ツキノワグマ 近畿途方では、日本海側の山地(京都府や滋賀県)や紀伊半島にいるが、いまの大阪府下にはみられない。八尾市の亀井遺跡(弥生時代中~後期)からも骨がみつかっている。大阪市東区森の宮遺跡(縄文時代晩期)から腰の骨の一部が出土している。 ●カワウソ(ニホンカワウソ) 河童のモデルともいわれ、昔の日本人にはなじみ深い存在だった。どこの川にもすみついて魚をとらえていた。本州や九州ではすでに絶滅し、いまでは四国の海岸の一部に、わずかに残っている。大阪市東区森の宮遺跡(縄文晩期)から、前足の骨(上腕骨)が出土している。 ●カモシカ(ニホンカモシカ) 現在は、岩のおおい高い山にすんでいる。しかし、大昔には低い山にもいたらしい。縄文時代には、イノシシやシカと共に狩猟の対象だった。大阪市東区森の宮遺跡(縄文時代晩期)から、前足の骨(橈骨)が出土して いる。 |