第2展示室 > 恐竜とアンモナイトの時代 C.恐竜のなかまたち |
中生代は「恐竜の時代」ともよばれている。爬虫類、とくに恐竜(竜盤目と鳥盤目)が全盛をきわめ、陸上を支配した。三畳紀にあらわれた恐竜は、全長1mほどの小型のものだったが、ジュラ紀から白亜紀にかけては、20mをこえる巨大な種類もすんでいた。 いっぽう、恐竜以外の爬虫類では、翼竜のように空中に進出するものや、首長竜(鰭竜目)や魚竜のように海にもどるグループが現れた。ジュラ紀には、爬虫類のあるグループから始祖鳥も現れた。 しかし、恐竜をはじめ翼竜、魚竜、首長竜など、中生代に栄えた爬虫類の多くは、白亜紀末に全滅してしまった。(両角・千地) ◆翼竜 翼竜(つばさ竜)は、恐竜に近縁な爬虫類である。ジュラ紀にはヨーロッパおよびアフリカに現れ、白亜紀にアメリカで栄えた。前あしび薬指が長くのび、体とのあいだに膜ができて、翼の役目をするようになった。 しかし鳥のように翼をはばたかせることはほとんどできず、木によじ登ってグライダーのように滑空しながら、小さな動物を口でつかまえていたらしい。 ◆始祖鳥 始祖鳥は、化石から知られる最古の鳥である。これまでに6個体の化石がドイツのバイエルン地方で見つかっているだけである。いずれもジュラ紀の石版石石灰岩の石切場から発見された。 化石から羽毛をもっていたことが分かるので、鳥の祖先だと考えられているが、翼化した前あしにはかぎ爪のついた指があるほか、20〜21個の尾椎や円錐形の歯をもつなど、多くの点で爬虫類的な特徴を残していた。まだ空を自由に飛ぶことはできず、翼竜のように滑空するていどだったらしい。 ●オルニソレステス アメリカ・ワイオミング州、ジュラ紀後期 ジュラ紀後期から白亜紀前期に北アメリカにすんでいた体長2mほどの小型肉食恐竜(竜盤骨)。ほっそりとした体に長い尾をもち、動きは敏しょうで、するどい爪のある3本指の前肢で小さな動物を捕らえて食べていたらしい。 ●シーロフィシス アメリカ・ニューメキシコ州、三畳紀後期 三畳紀後期に北アメリカにすんでいた、小型で2足歩行の恐竜。体長は約2.5m、骨は鳥のように中空で、軽快な構造になっている。首と尾が長く、口にはするどい歯がならび、小型の爬虫類を捕らえて食べていたらしい。ブロントサウルスやアロサウルスなど竜盤類の祖先にあたると考えられている。 <原標本:ニューヨーク自然史博物館> ●キノグナツス (縮小模型) 南アフリカ、三畳紀前期 三畳紀のはじめにすんでいたかなり進化した哺乳類型爬虫類(獣窩目)のなかま。体長約2.5m。頭骨が大きく、後頭顆は哺乳類と同じ2個、二次口蓋が発達したほか、歯の分化が進み、大きな犬歯をもつほか、奥歯はものをかみつぶすのに都合よい形になっている。四肢は短いが、かなり敏しょうに走ることができたと思われる。指の骨の数も哺乳類と同じで親指は2個、他は3個ずつ。 ●ウタツギョリュウ 宮城県本吉郡歌津町館崎、稲井層群大沢層(三畳紀前期) 1970年9月に発見され、その後の発掘と研究によって世界最古の魚類の化石であることが分かり、ウタツギョリュウと命名された。魚竜としては小型の方で、体長は約2mたらず、頭骨は小さい。尺骨・橈骨・掌骨が細長いなど、前肢の骨の形にこの種の原始的な特徴があらわれている。 |
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