第3展示室 > 海は生命のふるさと
F.海にすむ大きな生物

この天井からつってあるナガスクジラは、まだ若いので17.3mしかないが、大きくなると25mをこえる。シロナガスクジラ(30mをこえる)と共に、これまでに地球上へ出現した最大の脊椎動物である。くびや尾の長い恐竜にも、30mをこえるものは知られていない。いま、陸上にすむ動物ではゾウが最大だが、その骨格とクジラの骨格をくらべてみよう。
海藻にも大きいものがある。カリフォルニア沖のマクロキステス(褐藻)は、ふつうで50〜60m、ときには200mの長さになる。日本のナガコンブも20m以上になる。
このように、海にすむ生物には大きいものが多い。


●リュウグウノツカイ

海にすむ大型の魚。この標本は3.25mあるが、これはまだ小さい方で、この3倍ぐらいの長さになる。生きているときは全身が銀白色。頭の上にある長いひれは、まっかな色である。深海の中層で、体を斜め上に向け、背びれを波うたせて、一ヵ所にじっとしている。前進するときは体を水平にする。餌は小魚や甲殻類と思われる。
この標本は大阪湾にまよいこんだもの。1954年秋に、泉南郡阪南町尾崎の沖で網にかかった。

●タカアシガニ

世界最大のカニで、節足動物の中でも最大。はさみ脚をひろげると3mをこえるものがある。日本近海の特産で、数百〜千mの深さにすんでいる。
この標本は、高知県足摺岬沖でとれたオス。(黒原和男氏寄贈)

●オオジャコ

貝殻をもつ軟体動物としては世界最大の種。殻長1mにもなる。熱帯のサンゴ礁にすむ。

●アラフラオオニシ

世界最大の巻貝で、殻高70cmになる。アラフラ海を中心とした北オーストラリアの海底にすむ。

●トウカムリガイ

南日本に分布する重厚な巻貝。装飾品としてよくもちいられる。

●ホラガイ

日本では最大の巻貝。山伏の吹く法螺に用いられる。

●ナガコンブ

海にはいろいろ大型の動物がすんでいるが、植物にも大きいものがあって、コンブもそのひとつである。コンブには10数種あるが、いちばん長いのがナガコンブで、北海道釧路付近から千島列島にかけて分布している。この標本は長さ6mであるが、大きいものは20mにもなることがある。