第4展示室 > 食用植物とそのふるさと
B.雑穀のふるさと


アワ・キビ・ヒエ・モロコシなどの雑穀は、現在日本ではブタやニワトリ、小鳥などの飼料に用いられるだけで、ほとんど食用にされることがなく、日頃、目にふれる機会も少ない。
アフリカやインドのサバンナ地帯は雑穀のふるさとで、そこでは今なお多種多様な雑穀が栽培され、大切なたべものとなっている。
この地域ではまた、われわれには珍しいさまざまなのマメ類とウリ類が栽培植物となった。ゴマ・ベニバナ・ニガーシードなどの油の原料となる作物もつくりだされた。これらは春にたねをまいて、秋に収穫する夏作物であることが、地中海地方の植物と対照的である。
日本人にとって、いちばん大切なイネも、この地域に関連づけて考えることができる。サバンナ地帯が多雨地帯に移る西アフリカでアフリカイネが栽培植物となり、インドのアッサムから中国の雲南にかけての地域でイネが栽培植物となった。


●おもな食用植物

モロコシ(コウリャン)、トウジンビエ、シコクビエ、アワ、ヒエ、テフ(以上イネ科)、フジマメ・レンズマメ・ヒヨコマメ・アズキ・リョクトウ・コロハ(以上マメ科)、スイカ・トウガン・ツルレイシ・ヘビウリ・メロン・キウリ(以上ウリ科)、ナス(ナス科)、オクラ(アオイ科)、ベニバナ・ニガーシード(キク科)、ゴマ(ゴマ科)