第4展示室 > 食用植物とそのふるさと
C.イモとバナナの国


高温で雨の多い東南アジアの熱帯は、いちめん森林におおわれていた。そこには食用になる野生植物がたくさんあり、マレー半島からニューギニアにいたる熱帯降雨林地帯で、世界最初の農耕がはじまった。
ヤムイモ・タロイモをはじめとするいろいろなイモ類、バナナ・サトウキビなどが栽培された。たねまきをしないで、さし木や株分けでふやす根栽農耕であった。
おもな作物には非常にたくさんの品種がつくりだされ、倍数体がよく利用されている。たとえば、野生のバナナには大きいたねがごろごろはいっているが、3倍体のたねなしバナナが、いつからともわからない遠い昔から栽培されている。非常に原始的だとばかり思われている東南アジアの根栽農耕には、このように高度に発達した一面もみられる。


●東南アジアで開発されたおもな食用植物

ダイジョ(ヤマノイモ科)、サトイモ(サトイモ科)、サトウキビ(イネ科)、ハトムギ(イネ科)、ジュズダマ(イネ科)、ウコン(ショウガ科)、ショウガ(ショウガ科)、バナナ(バショウ科)、サゴヤシ(ヤシ科)、マンゴスチン(オトギリソウ科)、マンゴー(ウルシ科)、ドリアン(パンヤ科)