普通に見られる夏鳥。各地の河川や池で採食し、とくに淀川沿いではよく見られる。大阪府下では、大阪市内の淀川に近い社寺林や街路樹でのみ繁殖が知られている。大和川・石川水系や、泉南の河川でも繁殖期に観察されるので、知られていないコロニーが存在している可能性がある。大阪府レッドデータブックでは、準絶滅危惧とされている。
全長52cm程度。水辺で、魚類、カエル、ザリガニなどを捕食する。繁殖期は5月〜7月頃で、樹上に木の枝を集めて巣をつくる。通常、数つがいから十数つがい程度の小規模のコロニーで繁殖する。
私自身が確認した情報(【和田】と表示)を中心に、大阪市立自然史博物館へ寄せられた情報(【博物館】と表示)、和田個人が聞いた情報(【個人情報】と表示)、文献情報(【文献】と表示)を基に作製しました。
文献リスト
1.有田八郎(1980)鳥信.ムクドリ通信 (27):4.
2.叉野芳徳(1981)鳥信.ムクドリ通信 (35):2.
3.日本野鳥の会探鳥会部 (1982)例会報告.ムクドリ通信 (42):4.
4.吉村栄 (1984)例会報告.ムクドリ通信 (54):12.
5.舟木康一(1986)鳥信.ムクドリ通信 (64):5.
6.大阪府(1987)大阪府下におけるサギ類生息調査.
7.丸橋寿夫(1988)西淀川区野里における'88ササゴイ繁殖状況.日本野鳥の会大阪支部報 78:46-49.
8.丸橋寿夫(1991)91'淀川下流域におけるササゴイ繁殖状況.淀川負け惜しみ通信 (36):1.
9.橋本正弘(2005)八坂神社のアオバズクと天満のササゴイ.ムクドリ通信 (180): 4.
博物館や和田個人に情報を寄せて下さったのは次の方々です。
浦野信孝氏、竹本高子氏
※観察記録は除く。
【大阪市】
○大阪市北区?:御堂筋
昔イチョウの木で繁殖していた【文献6】
○大阪市西区江戸堀?:浄光寺
昔イチョウの木で繁殖していた【文献6】
○大阪市北区長柄西2丁目:長柄八幡宮
1980年 4-5巣【文献1】
1981.7.19 2巣【文献2】
1982.7.11【文献3】
1983.7.9 6巣以上【和田】
1984.7.8【文献4】
1987.7.5 11巣以上【文献6】
1990-1991年 繁殖していない【文献8】
1996.7.11 繁殖していない【和田】
○大阪市西淀川区野里1丁目:住吉神社
1985年 約25巣【文献5】
1986.4.27【文献5】
1987年 2巣【文献6】
1988年 7巣【文献7】
1991年 1巣(途中でカラスに襲われる)【文献8】
○大阪市福島区吉野
1986年 2巣【文献6】
1987年7月 3巣【文献6】
1988-1991年 繁殖していない【文献8】
●大阪市北区:浦江八坂神社
1988年 繁殖開始【文献8】
1991年 19巣【文献8】
1995.6.18 博物館にヒナの標本あり【博物館】
1996.7.11 約30巣【和田】
1997.6.8 周囲にも巣がある【博物館】
1999.5.22 クスノキとエノキの大木の10メートル以上のところに計17巣(9巣が抱卵中、2巣が製作中)【博物館】
●大阪市北区:定専坊
1997.6.24 博物館にヒナの標本あり【博物館】
1997.7.3 博物館にヒナの標本あり【博物館】、約30mのイチョウに7-8巣【個人情報】
1999.5.22 イチョウの大木に計4巣(2巣が抱卵中、1巣が製作中、1巣が不明)【博物館】
2005.7.21 巣立ちビナ【文献9】
【泉北】
○堺市松屋町:新日鉄構内
1987.7.5 幼鳥1羽【文献6】
1999.6.5 繁殖していない【和田】