おもに冬鳥で、淀川や湾岸部に普通。内陸の池にも時々渡来する。1980年代に渡来数が増加した。また、その頃から淀川で少数が夏期も滞在するようになり、1990年には巣立ちビナが確認された。今後も繁殖する可能性がある。大阪府レッドデータブックでは、要注目とされている。
全長56cm程度。主に水面に浮かんでいる鳥で、潜水して魚を捕食する。繁殖期は5月〜6月頃で、水辺に浮き巣をつくって繁殖する。
日本全体では、青森でわずかに繁殖するとされていたが、滋賀県以外にも、各地でポツポツと繁殖記録がある。ただし大阪と同様に非繁殖（?）の越夏個体が各地に見られる割には、繁殖記録は少ない。西日本で確実に毎年繁殖しているのは、琵琶湖だけ。
文献リスト
1．環境庁(1972)日本の絶滅のおそれのある野生生物．
2．中島靖郎(1982)鳥信．ムクドリ通信(41):7．
3．上田恵介(1988)大阪の鳥．ムクドリ通信(78):4．
4．疋田章二ほか(1989)大阪の鳥．ムクドリ通信(84):7．
5．疋田章二(1990)大阪の鳥．ムクドリ通信(90):7．
6．井上昇吾(1991)大阪の鳥．ムクドリ通信(95):5．
7．武智昭(1996)大阪の鳥．ムクドリ通信(125):5．
8．森山春樹(1997)大阪の鳥．ムクドリ通信(132):6．
9．東谷直司(1999)大阪の鳥．ムクドリ通信(142):7．
10．橋本正弘（2003）城北ワンドでカンムリカイツブリの繁殖．ムクドリ通信(168):6．
博物館や和田個人に情報を寄せて下さったのは次の方々です。
なし
※観察記録は、5月20日-7月に限る。
【大阪府】
●大阪市此花区：正蓮寺川
1996.6.27 観察記録【文献7】
●大阪市北区：淀川中津
1991.6.15 観察記録【文献6】
1995.5.28 観察記録【和田】
1995.6.9 観察記録【和田】
1997.7.14 観察記録【文献8】
●大阪市旭区：淀川城北（5235-04-73）
1997.6.18 観察記録【和田】
1997.6.29 観察記録【和田】
2003.7.16 巣立ちビナ【文献10】
●守口市：淀川鳥飼大橋
1982.6.3,12,13,19,27,7.11 観察記録【文献2】
●高槻市三島江：淀川右岸
1988.7.15 観察記録【文献3】
●高槻市唐崎：芥川・淀川合流点
1989.8.16 観察記録【文献4】
1990.9.2 巣立ちビナ【文献5】
●高槻市大塚：淀川右岸
1999.5.9 交尾【文献9】
【大阪府以外】
●青森県：田面木沼と市柳沼
1972年 繁殖が初めて確認される【文献1】
1990年 20-30羽の繁殖集団【文献1】
●青森県北津軽郡金木町嘉瀬清久：ため池
1993年 巣立ちビナ確認【文献】
1994年 巣立ちビナ確認【文献】
1995.6.4 巣立ちビナ4羽【文献】日本野鳥の会野鳥記録検討会(1997)野鳥情報・観察記録1995.8-1996.7．Strix
15: 149-160．
●青森県北津軽郡鶴田町廻堰：ため池
1993.8.29 巣立ちビナ3羽【文献】Strix 13: 265-274．
1994年 巣立ちビナ確認【文献】
1995.6.29 巣立ちビナ4羽【文献】Strix 15: 149-160．
●青森県弘前市三和砂沢：ため池
1995.7.18 巣立ちビナ3羽【文献】Strix 15: 149-160．
●青森県西津軽郡森田村狄ヶ館：ため池
1993.7.4 巣立ちビナ5羽【文献】日本野鳥の会野鳥記録検討会(1994)野鳥情報・観察記録1993.7-1994.7．Strix
13: 265-274．
1993.7.18 巣立ちビナ5羽【文献】Strix 13: 265-274．
●青森県西津軽郡砂沢：ため池
1993.8.3 巣立ちビナ1羽【文献】Strix 13: 265-274．
●三重県桑名市：長良川
1996.9.1 巣立ちビナ2羽【文献】日本野鳥の会野鳥記録検討会(1998)野鳥情報・観察記録1996.8-1997.2．Strix
16: 177-183．
●滋賀県草津市下物：琵琶湖
1993.7.10 巣立ちビナ4羽【文献】Strix Vol.13
●佐賀県白石町新拓
1996.6.10 越夏記録【文献】Strix 16: 177-183．