大阪では箕面のサルが有名で、150頭程度の群が生息している。大阪府下で群が通常生息しているのは箕面周辺に限られるが、かつて一時期金剛山周辺でも群が観察されたことがある。大阪府外では京都府嵐山と兵庫県多紀アルプスに群がおり、その群が大阪府内でも観察される可能性がある。いずれにせよ、主な分布は北摂に限られる。群から離れたオスや小群は、金剛山系や和泉山脈でも観察されることがある。
成体の頭胴長は、オスが53-60cm、メスが47-55cm。逃げ出した飼育個体と思われる観察例も多い。和歌山県では、飼育されていたタイワンザルの野生化や、ニホンザルとの交雑が問題になっている。昼行性で、おもに群で活動している。雑食性で、果実や種子から、昆虫や小動物までを採食する。
文献リスト
(1)川村俊蔵(1959)郷土の自然(18)箕面谷のニホンザル.Nature Study 5(12): 154-156.
(2)大阪府(1978)第2回自然環境保全基礎調査 動物分布調査報告書(哺乳類).
(3)牧野修司・阿野正之・阿野裕美(1982)箕面山のニホンザルの生態の推移(1).Nature Study 28(9):
101-104.
(4)牧野修司・阿野正之・阿野裕美(1982)箕面山のニホンザルの生態の推移(2).Nature Study 28(10):
113-116.
(5)阿野裕美(1983)ニホンザル箕面A群の、食餌植物の種類と各個体による採食量.Nature Study 29(1):
7-11.
博物館や和田個人に情報を寄せて下さったのは次の方々です。
西中美穂氏
【北摂】
●箕面市
1954.10.8 【標本番号OMNH M40】
1957年 【標本番号OMNH M55】
【泉南】
●泉佐野市大木
2000.5.7 雄1頭【観察(非公開)】