博物館の行事の報告


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●植物園案内・動物編「花にくる鳥
日時:2015年3月7日(土)
場所:大阪市東住吉区 長居植物園
参加者数:33名(補助スタッフ1名)


 朝から雨がパラパラ降り、午後からは雨の予報。ところが担当者は、雨の予報が出てるとは気づかず、留守電を設定せず。朝から問い合わせの電話がいくつか。観察会の間は雨は降らなかったが、午後からは予報通り雨になった。
 ポーチで挨拶の後、大池の狭い方へ。池に近づく時からカワセミの声がして、池を見ると目の前の枯れハスにカワセミ雄がとまっていて、全員でゆっくり観察。とまる場所は変わってもズーッと見られた。いい加減飽きたので、ダイサギやバンを見てから、大池の広い方へ。キンクロハジロやホシハジロ、マガモ、カイツブリを説明してから林の方へ。
 照葉樹林にはなにもおらず。芝生にツグミやムクドリがいたので、軽く観察。ユーカリ園の辺りで、ヒヨドリがジュウガツザクラの花をパクパク食べているのを観察。カワラヒワ、シロハラ、シジュウカラも観察。そのまま再び大池へ。手前の島の石の上に、今度はカワセミ雌。観察していると、奥に入っていき、しばらくしたら飛び出してきた。巣穴自体を確認はできていないが、営巣の可能性がありそう。芝生のベンチでは、ハシブトガラスが大きな枝をくわえて苦戦中。長すぎて、複雑な形過ぎるらしく、あっちを折ったり、こっちを折ったりした後、島のマツの木へ運ぶ。つくりかけの巣があった。芝生では他にヒヨドリの群れが降りて草を食べているので、これを解説。
 ツツジ山にはカメラマンがいて、その先を見てみると先週もいたハチジョウツグミがいた。が、すぐに飛んでしまう。小池からアジサイ園を回って、三度、大池へ。ウメの花にメジロとヒヨドリが来て蜜を吸っているのを観察。島にはまたカワセミがとまっている。雄と雌が離れて。と思ったら、雄が雌の方へ飛んでいき、交尾した。一瞬のことだったが、けっこう多くの人が観察できた。
 ポーチでまとめをして、次回の宣伝をして解散。

観察した鳥
コブハクチョウ、マガモ、カルガモ、オナガガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、カイツブリ、ドバト、キジバト、カワウ、ダイサギ、コサギ、バン、カワセミ、コゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、メジロ、ムクドリ、シロハラ、ツグミ、(ハチジョウツグミ)、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ、シメ、アオジ(以上30種)


●友の会月例ハイク「早春の里山で苔・虫・蛙さがし
日時:2015年2月15日(日)
場所:交野市:JR河内磐船駅〜かいかけの道〜くろんど園地〜月ノ輪の滝〜京阪私市駅
参加者数:98名(会員46家族85名+新入会2家族5名+非会員6家族8名)(スタッフ3名+一般参加の評議員1名)(参加者の内、5歳以下は3歳2名・4歳1名、70歳以上は4名)


 JR河内磐船駅の改札前で受け付け。担当者3人が挨拶と今日の狙いを説明。コースの説明の後、出発。先頭がW、中にM、最後尾にK。最初は車の通行もある車道沿いなので、観察せずにどんどん進む。かいかけの道へ曲がった辺りから、石垣にコケが目立ち始め、観察しながら進む。登り道が始まる直前の住吉神社で最初の休憩。トイレもある。先頭が着いてから、最後尾が来るまで約10分。それまで前会長によるクモの説明など。
 最後尾が到着すると、神社で少しコケの説明。近くの池でマツモムシの観察の後、登り道へ。登りが一段落したところで、2回目の休憩。テンの糞を観察したり、キクイタダキ?を探したりして時間をつぶしたが、最後尾が来ない。先頭は約15分待った頃に、最後尾のKさんから最後尾はまだ来ないと伝令が来たので、待ちきれずに出発。田んぼでニホンアカガエルを観察、説明。その間に最後尾が追いつく。続いてタマゴケの観察の後、くろんど園地に入る。
 管理道を歩きながら、コゲラなどを観察。先頭が最初のトイレがあるBBQサイトに到着したのは、12時40分。すぐに昼食時間とする。最後尾が到着したのは、13時。
 ※BBQサイトの管理者から話があった。この場所でのBBQは有料で、昼食だけなら無料で使ってかまわないが、もし1組でも有料でBBQをしているグループがあれば、BBQサイトでの昼食は遠慮してもらっている。今日は、たまたま有料でBBQをしている人がいないから、好きな場所を使ってもらってかまわないが、今後はその点を注意しておいてほしいとのことだった。
 13時半に、午前に観察したものを軽くおさらいしてから、昼食場所を出発。今度は先頭にM、中にW、最後尾にK。コケやビンズイ、コゲラなどを観察しながら進み、すいれん池でトイレ休憩。最後尾が着いた頃に先頭は出発。月ノ輪の滝への谷を下る。
 下りの途中で、WがMに追いつく。参加者だけを先に行かせ、月ノ輪の滝で待つようにと指示したという。Wが急いで先頭に向かい、月ノ輪の滝に着いたのが14時35分頃。滝を見たり、河の中の水生昆虫やサワガニを見て時間をつぶすが、最後尾は来ない。子どもたちが待つのに飽きてきて、午後3時に解散場所で待ち合わせをしている人もいたので、14時55分に先頭は最後尾を待たずに出発した。
 先頭は京阪私市駅に15時10分に到着。最後尾がいつ来るか分からないので、京阪私市駅で流れ解散。Kさんから残るは最後尾のM+4名のグループのみとの連絡が来たので、帰ることにした。電車に乗る直前、最後尾が解散場所に到着、15時50分。

観察した鳥
コゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、メジロ、シロハラ、ツグミ、スズメ、キセキレイ、ハクセキレイ、ホオジロ、アオジ(以上15種) →他にも参加者は、タカ類、アオバト?、トラツグミ、アトリ、カシラダカなどを観察したらしい。

観察した哺乳類
モグラ(塚)、テン(糞)、イノシシ(掘り跡)

観察した両生爬虫類
ニホンアカガエル(卵塊、雄1匹雌2匹)


●植物園案内・動物編「冬の羽根ひろい
日時:2015年2月7日(土)
場所:大阪市東住吉区 長居植物園
参加者数:64名(補助スタッフ2名)


 始める直前、上空をハイタカが舞い、ハシブトガラス2羽に追い回されていた。
 ポーチで挨拶の後、今シーズンの冬鳥の渡来状況とちょうど果実がなくなったという近況を紹介、そして羽根ひろいの概要と衛生上の注意をしてから、出発。まず博物館の北から西側の林に行くと、とたんにどんどん色んな羽根が集まり始める。カラス、ハト類2種、ヒヨドリ、シロハラ、ツグミ、ムクドリ、スズメ、メジロ、カワラヒワ。今日ひろえる予定の鳥がおおむね出てしまった。さらに照葉樹林から、マグノリア園、ユーカリ園へ。マグノリア園辺りで、コブハクチョウやマガモ、フクロウの羽根が拾われた。いったん、そこまでに確認した鳥の羽根をおさらいした。
 それからカワラヒワを見つつ、大池へ。 大池でカワウやマガモ、ゴイサギを観察した後、小池方面へ。コゲラやシジュウカラを観察しつつ、羽根を探すが新たな種の羽根は見つからず。小池の北でヤマガラやキクイタダキに遭遇。再び、大池に戻り、橋を渡って博物館へ。途中カワセミを観察できた。
 ポーチでまとめをして解散。途中、同定できなかった羽根を拾った人と、実習室へ行き、図鑑で羽根を調べた。ムクドリやスズメの羽根が多かったが、カイツブリの風切羽も確認された。

拾った羽根
コブハクチョウ、マガモ、カイツブリ、ドバト、キジバト、フクロウ、ハシブトガラス、ヒヨドリ、メジロ、ムクドリ、シロハラ、ツグミ、スズメ、カワラヒワ(以上14種)

観察した鳥
コブハクチョウ、マガモ、カルガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、カイツブリ、ドバト、キジバト、カワウ、ゴイサギ、コサギ、バン、ハイタカ、カワセミ、コゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、キクイタダキ、メジロ、ムクドリ、シロハラ、ツグミ、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ、シメ、アオジ(以上32種)


●植物園案内・動物編「公園の冬鳥
日時:2015年1月10日(土)
場所:大阪市東住吉区 長居植物園
参加者数:64名(補助スタッフ1名、博物館実習生1名)


 ポーチで挨拶の後、出発。まず大池の西側で、カルガモとコガモを観察。そして東側でホシハジロ、キンクロハジロを説明、そしてコブハクチョウの悪口。手前の島の端っこにバンがいたので、そちらを見に行く。ついでにカイツブリを説明の後、バラ園を抜けて、センダンとエンジュの果実を食べにきている鳥を観察に行く。センダンの木の下に落ちている大量の果実を見てから、樹上のヒヨドリやムクドリが果実を食べるのを観察。次いでエンジュの実を食べにきているヒヨドリとツグミを観察。その後、再び大池に。手前のカワウを見ていたら、島にカワセミがとまっているのを発見、みんなで観察。それからツツジ山でシメを見てから、小池の北へ。マツ林で、コゲラ、ヤマガラ、シジュウカラ、キクイタダキの混群に遭遇。ヤマガラはみんなで観察できたが、キクイタダキは4割程度の参加者しか見れなかったらしい。マツ林では他にビンズイにも出会えた。
 三たび大池に戻り、橋を渡ってポーチへ。今後の長居植物園での観察会のアナウンスをして解散。解散後、参加者が持ってきた羽根をMSCで同定と説明。

観察した鳥
コブハクチョウ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、カイツブリ、バン、ドバト、キジバト、カワウ、ハイタカ、カワセミ、コゲラ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、キクイタダキ、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、ムクドリ、シロハラ、ツグミ、ジョウビタキ、スズメ、ハクセキレイ、ビンズイ、アオジ、カワラヒワ、シメ(以上34種)

●テーマ別自然観察会「鳴くシカの声聞く会
日時:2014年10月25日(土)
場所:奈良市 奈良公園
参加者数:43名(申込み60名、全員当選)(講師1名)


 10月17日に、講師と下見。近鉄奈良駅をスタートし、一ノ鳥居→飛火野→東大寺の東→南大門のコースを決める。幼児が参加するので、歩きやすい道を中心に選んだ。繁殖期のオスジカはさまざまな声を出し、行動をしていた。小さい子ジカも見られ、観察会として成立しそうな手応えがあった。日没を待って、ムササビも探す。南大門周辺では遠くに声がしただけだったが、大仏殿の南西でよく見れた。
 観察会本番。改札前に集合し、奈良公園内の芝生に移動してから、スタッフ挨拶と今日の予定の説明。ニホンジカの一年を説明して、いまが交尾期であることを頭においてスタート。人通りが多く、イベントも行われており、一ノ鳥居より手前にシカがほとんどいない。シカのいる場所に移動して、観察開始。持参した落角を見せつつ、シカの角の生え方の解説、ヌタ場で、足跡の説明、オスが体にオシッコを付けることの説明。色んな葉っぱを食べさせてみることを提案。休息しているシカで、反芻の観察・解説。オスジカのなわばりと闘争の説明。飛火野で、下見の時にいた垂れ耳オスを発見。リスのエビフライを大量に発見。東大寺の東では、子ジカへの授乳を観察。メスシカの甘える声、オスシカがメスに呼び掛ける声などを一通り聞いた。午後4時45分、南大門でいったん解散。
 午後5時半(日没後約20分)、南大門に再集合。ムササビの探し方を説明してから、ムササビ探しへ。下見で確認した大仏殿の南西を中心に、周辺に散らばってムササビを探す。大仏殿の南東でムササビ発見の連絡を受けて、一部の人はそちらへ移動。移動したが、ムササビは飛び去った後。大仏殿南西に残った人は、ムササビをまじかにじっくり観察できた。その連絡を受けて再び大仏殿南西に行ってみる。しばらく待ったら、再びムササビ出現。かなりの時間観察できた。参加者全員がムササビを見れたと思ったが、なぜか一人だけ見ていなかった…。

●植物園案内・動物編「秋の羽根拾い
日時:2014年10月4日(土)
場所:大阪市東住吉区 長居植物園
参加者数:50名(補助スタッフ2名)


 ポーチで挨拶の後、出発。まず大池に向かったが、その途中でカラスとハト類2種の羽根でしばらく盛り上がる。大池に出たものの、遠くにコサギが見えるだけなので、すぐに林に向かおうと思ったら、島にノビタキがいるのを発見。みんなで観察。それから照葉樹林へ。カラスとハト類2種以外にヒヨドリとメジロの羽根が拾われる。マグノリア園とユーカリ園ではトラツグミの羽根が3枚拾われる。二次林に入る手前で、ヒタキ類とメボソムシクイ類がいたので観察しようとすると、サンコウチョウ!の声。行ってみると、低い枝にサンコウチョウが1羽とまり、盛んに辺りを飛び回る。50が周りを囲んでも平気で、むしろ人の頭の上を行ったり来たり。全員がゆっくりと観察できた。以降、羽根の方はあまりパッとせず、小池の南でタカ類の羽根が拾われた程度。小池の北から小川沿いを経由して大池へ。大池でアオサギを見た後、植物園入口の方を回ると、謎の小鳥の羽根とスズメの羽根が拾われた。
 ポーチに戻り、衛生上の注意と羽根の洗い方、今後の長居植物園での観察会のアナウンスをして解散。解散後、現場では同定できなかった羽根を持ってきてもらいMSCで羽根の同定と説明。10人ちょっとが参加。全部終わったのは、午後1時頃。

観察した鳥
コブハクチョウ、ドバト、キジバト、アオサギ、コサギ、コゲラ、サンコウチョウ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、メジロ、ムクドリ、メボソムシクイ類、ノビタキ、トラツグミ(羽根)、スズメ、ハクセキレイ(以上20種)

拾った羽根
コブハクチョウ、ドバト、キジバト、コサギ?、タカの一種(オオタカ?)、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヒヨドリ、メジロ、トラツグミ、ムシクイ類の一種(ウグイス?)、キビタキ?、スズメ

●室内実習「ホネ標本の作りかた(大人向け)
日時:2014年9月28日(土)
場所:大阪市立自然史博物館 実習室
参加者数:22名(申込み48名、当選26名)(講師1名、補助スタッフ6名)


 2009年以降、ホネ標本の作り方の室内実習を夏休みに企画しているが、小学生が殺到し、夏休みの宿題をこの実習にかけている様子。やむなく小中学生を中心に当選させている。結果として大人はまったく参加できなくなってしまっていた。あまりに申し訳ないので、今年度は8月に小中学生向け、9月に大人向けを企画した。小学生には簡単なものでないと、うまく出来ない子が出てしまうので、ここ数年は手羽先を使っている。大人向けということで、ニワトリの頭を使うこととした。
 大人だけを対象にした場合の様子が分からないので、定員を少し上回る人数を当選とした。また、テーブルに補助スタッフが一人ずつつくように手配した。

 当日は、まず一日の予定と、スタッフ紹介、衛生上の注意をした上で、鳥の頭のホネの特徴について簡単に説明。その後、講師から具体的な作業手順の説明。午前中は、皮剥き、舌骨と頚椎と目玉の取り外し、脳のかき出し、生で肉取り。昼休み中に、パイプユニッシュに漬け込み。午後からさらに肉取り、過酸化水素水で漂白1時間、さらに肉取り、発砲スチロールにピンで固定して終了。
 大人は子どもと違って、作業の進行や出来具合いにバラつきが少なく、一斉に次ぎの行程に進めてやりやすい。集中力も高く、スキルも高め。状態のいいニワトリ頭を用意できた事もあるが、全体的に出来のいいホネ標本ができた。

●植物園案内・動物編「秋の渡り鳥
日時:2014年9月6日(土)
場所:大阪市東住吉区 長居植物園
参加者数:58名(補助スタッフ1名)


 ポーチで挨拶の後、出発。大池で遠方のアオサギとコサギを見てから、小鳥を探しに林の方へ。地上で採食するムクドリの群れ、エノキ果実を食べに集まってるハシブトガラスを軽く見ながら、二次林へ。若いヒヨドリがウロウロする中、センダイムシクイやヒタキ類がうろうろするが、みんなでゆっくりは見られない。シジュウカラの親子連れはゆっくり観察できた。サンコウチョウ雌が出て盛り上がったが、後から確認したら見れたのは10人ほど。双眼鏡で目当ての場所をすぐに見れる人と見れない人の差が出てるようであった。再び大池に出るとカワセミが見つかる。頭は見えにくいが背中から腰はよく見える。これは全員で観察できた。ツツジ山から小池の北を通って、アジサイ園へ。エゾムシクイがおりかなりの人が見れたが、ゆっくり説明するまえに見失う。大池の橋を渡ってポーチに戻る。
 ヒタキ類をねらって時間をかけて待ったが、あまり甲斐なく、見られなかった。カワセミが出てくれたのがせめてもの救い。

観察した鳥
コブハクチョウ、マガモ、ドバト、キジバト、カイツブリ、アオサギ、コサギ、ゴイサギ、カワセミ、コゲラ、サンコウチョウ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒヨドリ、メジロ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、ムクドリ、キビタキ、オオルリ、コサメビタキ、スズメ(以上23種)

●特別展普及講演会「田舎のネコと町のネコ
日時2014年8月16日(土)
場所:大阪市立自然史博物館 講堂
参加者数:154名(内、友の会会員62名)

講師:伊澤雅子氏(琉球大学理学部海洋自然科学科)

 ノネコの生態研究の第一人者である伊澤雅子氏に、さまざまな環境でのネコの社会構造の可塑性についての講演をしていただいた。質疑の中で、ネコが都市生態系に与える影響を考えたとき、ノネコとどうつきあうべきかという質問があり、ネコ好きの生態学者らしい回答をされていた。
 聴衆はネコ好きが多かったようで、反応はとてもよかった。参加者にしめる博物館友の会会員の割合が5割以下と少なめだった。ネコに興味を持つ人の層の広さがうかがえる。ただ、残念ながら特別展の集客につながった様子はなかった。

●室内実習「ホネの標本の作りかた
日時2014年8月10日(日)
場所:大阪市立自然史博物館 実習室
参加者数:台風接近のため中止(申込み44名、当選37名、ただし子どもに親が付き添う事を認めた)(スタッフは他になにわホネホネ団から団長と副団長と団員6名を予定)

 2009年以降、夏休みに同じタイトルの行事を実施している。子どものニーズが高く(夏休みの宿題に使われている様子)、小中学生を優先的に当選させてきたが、それでは大人がホネの標本作りに参加できないので、今年度は8月に小中学生向け、9月に高校生以上向けに分けた。小中学生向けにはニワトリの手羽先、高校生以上向けにはニワトリの頭と、難易度も分けることにした。
 室内行事なので中止は想定していなかったが、台風接近で、行事当日は暴風や大雨洪水の警報が出ている公算が強くなった。暴風警報が出ると博物館は臨時休館なので行事は実施できない。朝の時点で暴風警報が出ていなくてもいつ出るか分からず、かりに暴風警報が出なくても、大雨洪水警報が出ている中、小中学生に来てもらうのは危険と判断し、中止を決定した。中止決定は、9日ご午後1時。すぐさま、参加予定者とスタッフに中止の連絡を行った。参加予定者の多くには電子メールで連絡でき、2件だけ電話連絡をした。
 中止を決定する以前に、すでに数件、実施の有無を確認する電話がかかってきており、早めの決定をして正解であったと思われる。電話をした先からは、子どもの宿題を懸念する声があり、簡単に手羽先で骨格標本を作る方法を教えるとともに、分からないことがあれば、相談にのることを伝えた。

●やさしい自然かんさつ会「ツバメのねぐら
日時:2014年8月9日(土)
場所:奈良市 平城宮跡
参加者数:雨天中止(申込み216名、全員当選)(補助スタッフ4名を予定していた)


 8月2日に下見。雨模様だったが、下見なので、そして補助スタッフの研修を兼ねていたので決行。薄暗いのでツバメは早めに集まり、あまり飛び回らずにヨシ原に入ると予想した。予想どおりツバメは早めに集まったが、なかなかヨシ原に入らず、入っても何度も飛び立ち、いつも以上に乱舞してくれた。午後7時頃から1万羽を超える乱舞が15分も続くという盛り上がり。集まったツバメは約2万羽。

 8月9日は、天気予報通り台風が接近。覚悟したいた通り、9日は朝から雨模様で、翌日まで雨が続くとの予報を受けて、昼には中止を決定。さっそく参加者や補助スタッフにアナウンスした。

●テーマ別自然観察会「高槻のカエル探し
日時:2014年6月22日(日)
場所:大阪府高槻市萩谷総合公園〜塚脇
参加者数:雨天中止(博物館:申込み121名、当選77名、あくあぴあ:申込み30名、当選30名)(スタッフは他に、あくあぴあから学芸員1名、補助スタッフ3名を予定していた)


 前日から雨天で、天気予報も悪いので、前日夜に中止を決定。カエルは小雨くらいの方がむしろ観察しやすいが、大人数で子どもも多いこと、山道で足下が悪くなっていることを考慮して中止とした。結果的には、さほど大雨ではなかったので、調査なら決行しただろうが、観察会としては中止が正解だったと思われる。
●友の会行事「シカがいるかもナイトハイク
日時:2014年6月7日(土)〜8日(日)
場所:大阪府箕面市 箕面公園(箕面駅〜(箕面川沿い)〜滝の下〜滝の上の杉の茶屋+大日駐車場〜雲隣展望台〜(才ヶ原林道)〜望海展望台〜紅葉橋〜(滝道)〜箕面駅)
参加者数:27名(申込み31名、全員当選、参加者中3名が非会員)
スタッフ:評議員4名、学芸員1名


 ここ数年は6月終わりから7月初めに企画していたが、もう少し早めればホタルの真っ盛りに当たるかと思い、例年より2〜3週間早めに設定した。
 6月4-5日に、都合がついた4名で下見を実施した。雨が降ったりやんだりだったが、その代わりに大量のカタツムリに出会えた。ヒキガエルやサワガニも多く、踏まずに歩くのに一苦労。箕面川の中に見つけたオオサンショウウオは、早い流れに流されて行った。シカが一度見られた。暗い内に滝道まで戻ってしまい、朝の鳥のコーラスはあまり聞けなかった。ルートにとくに問題なく、下見は無事に終了。

 深夜の箕面駅に集合。いつも通りの諸注意をしてから出発(今回は独りで参加した中学生が2名いたので、全員で見守るように訴えておいた)。ホタル狙いで時期を設定したにも関わらず、ホタルには早く少ししか光っていなかった。変わりにタカチホヘビとコウガイビルがよく見つかった。ごく一部の人はシカを見たらしい。何名かはオオサンショウウオを見られなかったらしい。
 才が原林道に登るところから才が原林道では、フクロウが鳴いていた。才が原林道で夜明けを迎えキビタキやサンコウチョウなど朝のコーラスを楽しむことができた。

 今後もナイトハイクを続けるなら、そろそろ別の場所を考えようかとの話がでた。岩湧山のふもと周辺で、ムササビ中心にという案があり。今後検討。

観察した鳥
ホトトギス、フクロウ、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、メジロ、ヤブサメ、キビタキ、サンコウチョウ、カワラヒワ、イカル

観察した哺乳類
ニホンジカ

観察した両生爬虫類
オオサンショウウオ、ニホンヒキガエル、ウシガエル、カジカガエル、タカチホヘビ

●植物園案内・動物編「公園で繁殖する鳥
日時:2014年6月7日(土)
場所:大阪市東住吉区 長居植物園
参加者数:46名(補助スタッフ1名)


 天気が微妙だが、とりあえず観察会は実施。しかし、観察会開始時から少し雨が降り始め、以降、降ったり止んだりのくり返し。ざーっと降ってきたから切り上げようとしたら、雨が止んだり。
 鳥の種類が少ないのは季節柄予想通りだけど、繁殖行動があまり見つからないのは天気が悪いせいかも。じっくりと観察できたのは、スズメとムクドリの巣立ちビナ、そしてハシブトガラスの巣内ヒナだけ。

観察した鳥
コブハクチョウ、マガモ、ドバト、キジバト、コゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、メジロ、ムクドリ、スズメ(以上13種)

●テーマ別自然観察会「ハッカチョウとムクドリを比べる
日時:2014年5月10日(土)
場所:大阪市東淀川区柴島〜淀川区十三 淀川右岸
参加者数:35名(申込み47名、全員当選)


 プロジェクトUで、ハッカチョウの分布調査をするので、その研修を兼ねての観察会。確実にハッカチョウがすぐ見れる場所。それでいて、他の鳥も楽しげな場所。ということで、淀川柴島〜十三コースを設定した。長柄橋でハッカチョウが営巣している場所はだいたい分かってるので、ハッカチョウははずさない。

 ついでに市街地で繁殖する鳥を少しでも見ようというわけで、駅で集合している時から、辺りをキョロキョロ。かつて駅舎でツバメが営巣していたらしい跡、周囲の電柱に潜り込んで営巣しているスズメ、そのスズメを排除しようとして設置されているらしいフタ、駅舎の屋根裏に潜り込むムクドリ。などを見つけて、出発前に説明。淀川に向かいながらも、ドバトでわざわざ立ち止まる。
 淀川についたらすぐにハッカチョウが見つかる。ムクドリと比べるという企画を知ってるかのように、ムクドリも並んでる。とりあえずハッカチョウについて仕込んでるネタを話す。写真組がかっこいいのを撮影しようとしてるのを見守る。この時点で、ハッカチョウ観察会は事実上終了。
 仕方がなく、なんとなくの河川敷の鳥の観察会に変更。オオヨシキリやセッカが囀っているのを観察。干潟では思いのほかまだ見られるシギ類を観察。キアシシギが多い。はるかかなたの対岸にはオオソリハシシギまでいる。こんなことなら望遠鏡を持ってくるべきだった。まとめっぽい解説している時には、チョウゲンボウまで飛んだ。

観察した鳥
カルガモ、ドバト、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、オオソリハシシギ、キアシシギ、ソリハシシギ、イソシギ、オバシギ、コアジサシ、チョウゲンボウ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヒバリ、ツバメ、ヒヨドリ、オオヨシキリ、セッカ、ムクドリ、ハッカチョウ、ツグミ、スズメ、カワラヒワ(以上27種)

●テーマ別自然観察会「はじめてのバードウォッチング 春の渡り鳥を見つけよう
日時:2014年4月29日(火・祝)
場所:大阪市東住吉区 長居植物園
参加者数:雨天中止(申込み152名、当選87名)(内、博物館への申込み133名、当選68名)(一方、図書館への申込み19名、全員当選)


 前日夜から雨が降り出し、天気予報でも一日雨。当日、午前7時前にも雨が降っていたので、中止を決定し、留守番電話をセットした。夕方までの留守番電話の確認件数28件。
 中止となったので、代休を取得。ゆっくり出てきたら、大阪府の担当者と入れ違いになった…。
 どちらへの申込者か分からないが、雨天中止を知らずに来た方が1名。

●「自然史博物館・大阪自然史センター活動報告会
日時:2014年4月26日(土)
場所:大阪市東住吉区 大阪市立自然史博物館 講堂ほか
参加者数:117名(挨拶時39名、博物館報告開始時59名、センター報告開始時70名、対談スタート時117名、懇親会参加者101名)


 長居公園に大阪市立自然史博物館がオープンして40周年を記念して、博物館と友の会(自然史センター)の活動報告会を企画した。講堂でのプログラムは3部に分かれ、その後、レストランに場所を移して懇親会を行った。
 第1部は、博物館の報告。独立行政法人化(山西)、ミッション(佐久間)、大阪府RL改訂(和田)。司会進行は和田が担当。
 第2部は、センターの報告。認定NPO化、友の会、子どもワークショップなど一通りの活動を、センタースタッフが報告。
 第3部は、学芸員OB3人(瀬戸、宮武、樽野)による「対談 長居での40年を語る」。司会進行は、佐久間。
 懇親会では、1950〜1960年代のトカラ探検・北山峡探検・ジュニアー、1997年の友の会秋祭りの様子のフィルム・ビデオが上映された。若かかりし頃の学芸員の姿に悲鳴が上がっていた。

●植物園案内・動物編「春の渡り鳥
日時:2014年4月26日(土)
場所:大阪市東住吉区 長居植物園
参加者数:81名(補助スタッフ3名)


 ポーチに集合し、挨拶してから出発。まずは、博物館裏でハシブトガラスの巣とコゲラを観察、ついで照葉樹林でコゲラとハシボソガラスの巣を観察。ハシボソガラスの巣の下で、カラスとの付き合い方について解説。それから、ヒタキ類を探しに二次林へ。オオルリとキビタキのオスがけっこううろうろしていた。半分ほどの参加者は見れた様子。クロツグミもよくさえずっていたが、見たのはスタッフのみ。
 アジサイ園ではセンダイムシクイがさえずっていたが、姿は見えず。アオジやコゲラは観察。小川沿いに歩いているとコマドリが出現。数人が見ただけで、ひっこんでしまった。
 大池に出たコブハクチョウが間近に陸に上がっていたので、噛まれたら痛いよ、と説明しながら実際に噛まれてみた。痛かった。血が出た。橋を渡って、ポーチでまとめをして解散。

 車椅子の参加者が1名おられた。付き添いの方もいたが、できるだけ段差のないコースを選び、林内に入るのは最小限にした。二次林のところはどうしても林内で観察したいので、広めの踏み跡に沿って移動したら、車椅子は予想外に機動力があって、ちゃんと付いて来れ、一緒に鳥を見ることができた。視点が低いので、前に人を立たせないなどの配慮もいる場面がありそう。ともかく長居植物園での観察会であれば、コースに少し配慮すれば、車椅子での参加は問題なさそう。

観察した鳥
コブハクチョウ、マガモ、カルガモ、カイツブリ、ドバト、キジバト、カワウ、コゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、メジロ、センダイムシクイ、ムクドリ、クロツグミ、ツグミ、コマドリ、キビタキ、オオルリ、スズメ、カワラヒワ、アオジ(以上24種)

●テーマ別自然観察会「公園のネコの観察
日時:2014年4月6日(日)
場所:長居公園
参加者数:45名(申込み71名、全員当選)


 集会室に集合。ノネコの現状、人との関わり、生態系への影響、毛色/模様や尻尾の遺伝の仕方の解説を30分。その後、長居公園に出て、ネコを見つけては、毛色/模様、尻尾の長さ/曲がり具合、眼の色、耳の切れ込みをチェックして回った。コースは、通用口から植物園の外側を反時計回り、郷土の森からマラソン道路沿いに一周。
 毛色/模様の遺伝は難しいのだが、簡略化した記録用紙を用意したら、みんな熱心に記録していた。意外な事に子ども達も真面目に、楽しそうに記録していた。ネコ好きが集まったので、ネコをよく観察すること自体が楽しかった様子。
 最初、ネコに餌をやっているオジサンの近くで観察していたら、オジサン軽く怒って文句を言い出したので逃げた。他の場所でも餌をやっているのに近付いて、ネコとオジサンや、ネコとお姉さんの交流を妨げたが、他では怒られなかった。ネコはいざとなれば逃げ込める場所の近くにいる傾向があった。

観察したネコ 20匹(黒1匹、白黒4匹、サバトラ3匹、白斑付きサバトラ8匹、サバ三毛2匹、茶トラ1匹、白茶1匹)

●室内実習「鳥の調査の勉強会 第1回
日時:2014年4月5日(土)
場所:長居植物園、大阪市立自然史博物館 会議室
参加者数:15名(申込み20名、全員当選)


 今年は、昨年からの継続10名、新規10名と、新規申込みが多かった。
 午前中は、植物園で鳥の調査の研究計画をたてる練習として、カラスの巣を見て探して歩いた。室内に戻って、カラスを中心に巣をめぐる研究計画プランを考えて発表してもらった。
 午後は、博物館内で、論文紹介。その後、参加者各自の調査データもしくは調査計画の発表。

 今年度は、年間を通じて4回開催予定。次回は、7月26日(土)。


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