博物館の行事の報告


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●植物園案内・動物編「秋の渡り鳥
日時:2024年10月26日(土) 10:00-12:15
場所:長居植物園
参加者数:40名


 秋の渡りも終盤。通過鳥はほぼ通り過ぎたあとで、冬鳥が到着しはじめたタイミング。もしかしたら端境期かも。と、先に言い訳。

 ポーチで営巣するスズメが、秋にも巣にやってくる謎を話してから、出発。博物館の前でヒヨドリ数羽が騒いでいたので、ヒヨドリの渡りについて簡単に説明。それから大池へ。眼の前のカイツブリ、遠目のアオサギを説明していたら、コサギ6羽が飛んできたので、秋〜冬のコサギの見分け方を説明。池端の木のメジロの声を説明していたら、カワセミの声が聞こえた。見ると島の方に飛んで行く。が、かげにとまったので見えない。諦めて林の方へ。
 照葉樹林を通過するも鳥がいない。モズの声がしただけ。バラ園の南からボタン園でモズを探すが見つからない。ユーカリ園を回って再び大池へ。
 ゴイサギ幼鳥が眼の前に見つかったので観察。すると、オオタカがキジバトを追いかけるのを発見。大池の南側をグルッと回って飛んで行くキジバトをオオタカが延々と追いかけて、見えなくなった。再びカワセミの声がしたので見たら、池上を低く飛ぶカワセミ。が、どこかに行ってしまった。結局ゆっくり見たのはゴイサギだけ。
 林に向かいながらカラスのナンキンハゼの枝落としを説明。ハクセキレイとハシボソガラスが地上にいたので説明。と思ったら、ハシボソガラスはドングリを足でおさえて割っていた。足で押さえるという行動が出来る鳥は限られることを説明していたら、ハシボソガラスが飛び去った。ドングリをつついていた場所に行ってみると、ドングリの殻がいくつか落ちていた。
 二次林を通り抜けていると、大型ツグミ類の声がいくつもしてる。が、姿が見えない。と思ったら、前方の枝にクロツグミ雄がとまった。が、前の方にいた数人しか見れず。旧ボタン園のムクノキに、メジロとヒヨドリがけっこう来ていたので観察。大型ツグミ類もいたのだが、確認出来ず。
 ツツジ山でジョウビタキを探すもいないし、モズの声がするからそっちに行ってもみれず。小池の北側でウグイスの地鳴きを聞き、アジサイ園でシジュウカラを見る。ヤマガラは声がするのに見えない。
 三度、大池に戻る。眼の前にアオサギがいる。ここでバンが登場。ガマの穂を握ったりしつつ。大池の西側を回っていく。キジバトの幼鳥がいたので、少し観察して説明。昨日見つけたコゲラの巣を見せて、ポーチに戻る。

 確認した鳥:ドバト、キジバト、バン、アオサギ、ゴイサギ、コサギ、オオタカ、カワセミ、コゲラ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、ムクドリ、クロツグミ、スズメ、ハクセキレイ(21種)
 拾った鳥の羽根:ドバト、キジバト、ハシブトガラス、ヒヨドリ、メジロ、マミチャジナイ?、シロハラ、スズメ(解散後にトラツグミ)
●野外実習「カヤネズミの球巣さがし
日時:2024年10月12日(土) 10:00-14:00
場所:川西駅〜昭和橋〜(石川右岸)〜高橋〜滝谷不動〜奥の谷〜富田林初芝高校〜高橋〜滝谷不動駅
参加者数:37名(申込み45名、全員当選)


 駅で受け付けた後、すぐに石川右岸に移動。カヤネズミ及び球巣の解説、球巣の見つけ方について季節・環境・植物体などを説明。最初に川西大橋周辺で探してみる。下見で見つけた球巣以外にもオギに球巣が次々見つかる。球巣の実物を前に、補足説明。
 石川右岸の高水敷を上流に向かって歩きながら球巣を探す。下見と同じく見つからない。仕方が無いので、魚や足跡を観察し、対岸で鳴くモズの生態を解説。途中から土手に上がってさらに上流へ。下見で見つけたセイバンモロコシの球巣を再び確認。
 高橋のところで、昼食。すぐ近くのコンビニ以外にも、彼方老人いこいの家の横に公衆トイレを発見。下見では気付かなかった。
 昼食後、ここまでのまとめ。大和川水系調査プロジェクトのカヤネズミ調査マニュアルを説明。ここで、1家族が早退。他の人は山手のカヤネズミの巣を探しに出発。
 滝谷不動でトイレ休憩をした後、奥の谷へ。入口でカマキリが捕まり、ハリガネムシが出てきて盛り上がる。奥の谷の奥へ向かいながら、ジョロウグモを解説。ツリガネニンジンやワレモコウなども観察。休耕田でススキなどに付くカヤネズミの巣を観察。
 尾根筋を下って、住宅地を抜けて、高橋渡って、滝谷不動駅で解散。最後に再びカヤネズミ調査への参加を呼びかけた。

 確認した鳥:キジバト、カワウ、アオサギ、ノスリ、カワセミ、モズ、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ヒバリ、コシアカツバメ、エナガ、メジロ、ソウシチョウ、セグロセキレイ、カワラヒワ(17種)
 確認した哺乳類:カヤネズミ(球巣)

●植物園案内・動物編「はじめての鳥の羽根ひろい
日時:2024年9月28日(土) 10:00-12:00
場所:長居植物園
参加者数:47名


 最後に安全衛生上の注意をすることを宣言して、羽根ひろったらドンドン持ってくるように言って出発。

 博物館の北〜東側で、カラス、ドバト、ヒヨドリ、ムクドリの羽根がけっこう拾えた。スズメとメジロの羽根を拾った人もいた。
 照葉樹林に入ったが、羽根が拾えず。すぐに諦めて、バラ園を抜けて、マグノリア園へ。カラスの羽根しかない。ユーカリ園へ行くと、カラス、ドバトに混じってキジバトも拾えた。
 二次林に入る手前で、ヤマガラを観察。先週、アオバトの羽根を拾った北の方へ行ってみると、驚いたことに黄色い羽根を拾った人がいた。キビタキの雄!と盛り上がる。探すと、風切羽のついた翼が左右とも見つかり、尾羽など黒い羽根も見つかった。予定通り、アオバトの羽根も何人かが拾った。
 ツツジ園では、シジュウカラとヤマガラに混じって、キビタキとオオルリがウロウロしていた。鳥の羽根は、カラスだらけ。
 小池の北から、ツツジ園の北を回って、大池へ。アオサギとチュウサギがいた。大池をグルッと回って、博物館ポーチに戻る。

 最後に、羽根拾ってはいけない場所、保存の仕方、洗い方を説明。安全衛生上の注意をした。今回は、高病原性鳥インフルエンザについての注意喚起も行った。
 解散後、観察会の中では同定できなかった羽根をMSCで図鑑を使って調べた。15人ほどが一緒に来た。ハッカチョウかと思った羽根はムクドリだった。紫茶色の羽根は、アオバト雄の小雨覆だった。

 確認した鳥:ドバト、キジバト、カワウ、アオサギ、チュウサギ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、メジロ、ムクドリ、キビタキ、オオルリ、スズメ(15種)
 拾った鳥の羽根:ドバト、キジバト、アオバト、セキセイインコ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヒヨドリ、メジロ、ムクドリ、キビタキ、スズメ、カワラヒワ(12種)
●室内実習「ホネ標本の作りかた(大人向け)
日時:2024年9月1日(日) 10:00〜17:05
場所:大阪市立自然史博物館 実習室
参加者数:26名+付添の小学生3名(申込み41名、当選30名)(スタッフは学芸員1名、なにわホネホネ団から団長・団員5名の合計6名)(参加者は中学生2名、高校生3名、大学生3名、大人20歳台4名、大人30歳代1名、大人40歳代10名、大人60歳代3名)


 申込者の内、申込みに不備がある人は落選とし、中学生以上を当選とした。ただし、なにわホネホネ団団員には一般に席を譲ってもらうことにし、補助スタッフに回れる人だけ受け入れた。申し込んできた小学生は全員、保護者と一緒だったので、大人の付添であれば一緒に来て一緒に作業していいこととした。
 台風接近のため実施が危ぶまれたが、2日前時点で台風の影響は少ないことが明らかになったので、実施を決断。参加者とスタッフに電子メールで連絡した。
 前日までの欠席連絡は1名。愛知県からの参加で台風の影響で大阪への往復は無理と判断された。当日の欠席連絡は2名。いずれも体調不良。
 行事のスタート時点で、参加者は24名。6テーブルに4名ずつ配置したが、遅刻者が2名あり。5名のテーブルができた。テーブル1つにスタッフが1名ずつ付き、1名が全体を見てまわった。

 今年の材料は、千葉県から仕入れたアヒル(かすみ鴨)。食用のもので、1本約300円。参加費は、返信に書いた通り500円とした。

 10:00〜12:30 ホネの紹介と、ホネ標本作りの概要を説明。それから、一人に一つずつ頭を配り、具体的な処理を説明。皮をむいて、頸椎と舌骨を外す。目玉を取り、脳を書き出す。あとはできるだけ肉をとる。茹でて、さらに肉取り。嘴の皮をこそげ、鼻孔の中を通し、眼窩の下のまとまった肉を取る。余裕があれば頸椎の肉を取る。ここまでで作業で、45分押し。
 12:30〜13:30 パイプスルーに浸けて昼休み。ほとんど人は、13時には戻ってきて、舌骨の処理をしていた。
 13:30〜14:50 ひたすら肉取り。
 14:50〜15:50 オキシドールに浸けて休憩。誰もほとんど休憩せず、目玉の処理。15:25〜15:40には希望者を連れて、ホネ砂場見学。
 15:50〜16:15 さらに肉取りしてから、発泡スチロールの板に固定。まとめ(持って帰ってからの処理、なにわホネホネ団とホネホネサミットの宣伝)して、一応解散。
 16:15〜17:05 さらに作業したい人は作業。同時に後片付け。

 参加者のスキルは比較的高かったが、大きな頭で、それなりに複雑だったので、思ったより時間がかかった。ただし、ニワトリ頭と違って、涙骨のように外しやすい場所がないので、大きなミスは起きなかった。
 ただし、鳥をしめる時に首の付け根辺りにキズをつけてあったらしい。頭骨に破損のあれば交換した。

 コロナ禍は終わったとは言え、まだコロナウイルスの感染が拡がっているそうなので、午前中に取り外した肉をみんなで昼食に食べるのはリスクがあると判断。回収してスタッフで食べた。美味しかった。
 欠席者で希望した人には、当日配布した資料を、添付で送った。
●室内実習「ホネ標本の作りかた(未成年向け)
日時:2024年8月11日(日) 10:00〜15:50
場所:大阪市立自然史博物館 実習室
参加者数:26名+部屋に入った付添1名(申込み45名、当選33名)(スタッフは学芸員1名、なにわホネホネ団から団長・団員4名の合計6名)(参加者は中学生3名、あとは小学生)


 広報では定員24としたが、30名までは受け入れるつもりで、33名を当選させた。事前の欠席連絡5名。1つのテーブルに5-6名で、5テーブルで作業した。1テーブルにスタッフ1名配置し、フリーが1名。
 保護者には、実習室に入るのは、どうしてもサポートのいる子どもに限定して、できる限り集会室での待機をお願いした。結局、時々のぞきに来るお母さんが数人いたほかは、保護者1名が実習室に入った。
 使えるハサミを持ってきた参加者が多く、自分で作業できる子どもが多めだったこと。スタッフを昨年より手厚くしたこともあって、十分対応できた。

 今年は、ホロホロチョウの手羽先を用意した。食用のもので、1本200円以上かかった。参加費は、返信に書いた通り500円であった。

 ホネの紹介と、ホネ標本作りの概要を説明。それから、一人に一つずつ手羽先を配り、皮をむいて、主だった肉を取り除いたら、軽く煮てあとはさらに肉取り。パイプスルーに約1時間つける。さらに肉取り。過酸化水素水で約1時間漂白。色を塗った板に取り付けて持って帰るという内容。パイプスルーの間に昼食をとり、漂白の間に2班に分かれて、板に色を塗り(色は黒、青、茶、白の4色)、バックヤードのホネ標本作りの施設の案内、残りの時間は休憩。塗料で絵を描いてもいいと案内したら、厚塗りしてなかなか乾かない子がいた。
 最後に、持ち帰った後の処理の仕方(にじみ出てくる脂肪対策、乾燥のさせ方)、他の材料での骨格標本の作り方の説明と、なにわホネホネ団の宣伝をした。

 作業は順調に進み、午前は15分前倒しで終わった。漂白するまでは15分前倒しで進んだが、仕上げプロセスで時間がかかって、結局終了時刻は20分おした。
 板に穴を開けるのに列ができたのと、取れたホネを接着剤で付けるプロセスで列ができて、時間がかかった。早く完成した子が退屈そうにしている時間が長めだった。
 次回は、板への取り付けはやめて、頭骨標本と同じく、発泡スチロールに固定して持ち帰る方式に切り替えた方がスムーズと考えられる。

 コロナ禍は終わったとは言え、まだコロナウイルスの感染が拡がっているそうなので、午前中に取り外した肉をみんなで昼食に食べるのはリスクがあると判断。回収してスタッフで食べた。美味しかった。来年はみんなで食べたい。
 落選者と、欠席連絡があった人には、当日資料をPDFで配布した。
●やさしい自然かんさつ会「ツバメのねぐら
日時:2024年8月3日(土) 17:50-19:30
場所:奈良市 平城宮跡
参加者数:熱中症リスクが高いため中止。しかし32名集まってしまった(申込み174名、全員当選)(補助スタッフは3名お願いしていたが、行事中止とともに現地に来ないように連絡した)(前日までの欠席連絡37名)


 昨年、観察会当日に公園管理者に指摘されたので、今年は「都市公園法第12条第1項」に基づく、利用許可申請を近畿地方整備局長宛に行った。3月に申請したところ不備について問合せがあり、その返事を忘れていたら、直前になってしまった。あわてて連絡したら、超特急で許可処理をしてくださった。

 天気予報では、雨もゲリラ豪雨も雷も、早い段階で大丈夫そうだった。当日朝、念のために暑さ指数をチェックして驚いた。18時の奈良市の予測値が31となっていた。博物館のレギュレーションでは、もより地点の暑さ指数の予測値が31以上の場合は、野外行事は中止。午後2時まで待ったが予測値は31のままだった。
 夕方のことなので日没に向かって暑さ指数が下がるのは確実。という見込みの元に実施することも考えたが、返信に「奈良市の18時時点の暑さ指数(WBGT)が31以上の場合も中止です」と明記してしまったので、中止を決定した。集合時刻は、17時50分なので、1時間ほど暑いのは事実。人数が多いので日影への避難も難しいという要素もある。
 補助スタッフにメールで連絡。留守番電話に中止の旨セットして、Twitterでも告知した。確認の電話が2件かかってきた。

 かなり想定外の中止なので、間違ってくる人がいるのは確実。担当者は、集合時刻に集合場所に待機した。留守電を確認しなかった30名が集合場所に集まった(あとから2名来られていた)。むしろ大部分の申込者が来なかったことが特筆される。留守電で確認したか、あまりに暑いので自発的に参加を控えたのかは不明。
 集合場所に集まった方には、行事の中止を連絡しつつ、このままツバメのねぐらを観察して帰るつもりなので、もし一緒にご覧になりたい方がいたらどうぞ。と案内した。ただし行事ではないので、
 ・保険がかからない。
 ・資料は足らない。
 ・参加費は不要。

 結果的に、集まった30名+2名と一緒にツバメのねぐら入りを観察することになった。ツバメが集まるのを待っている間に、ツバメの集団ねぐらについて、解説もした。日没頃まで、確かに暑かった。しかし、熱中症リスクはさほど高くなく、行事は実施できたと思われる。18時の予測値は、直前に31未満になったらしい。

 反省点としては、
・現時点では想定外の中止であったので、申込み者にメールで中止のアナウンスをした方がよかった。
・結果的には暑さ指数は31未満であり、むしろ具体的な中止判断の基準を返信に書かなければ、実施できたと思われる。
・返信に明記するなら、何時時点での予測値を参照するかを書く必要がある。
 来年どうするかは、かなり悩ましい。  

 観察した鳥:カルガモ、キジバト、カワウ、ゴイサギ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、ハシブトガラス、ツバメ、セッカ、スズメ(11種)
●友の会行事「フクロウさがしてナイトハイク
日時:2024年6月22日(土)〜23日(日)
場所:箕面公園
参加者数:雨天中止(申込み101名、49名当選)(スタッフは学芸員1人、評議員2人、事業WG2人)


 2018年以来、コロナ禍をはさんで6年ぶりに企画した。徹夜のナイトハイクは、2016年以来になる。久しぶりだったせいか、申込みがとても多かった。
 6月2〜3日に、スタッフ3人で下見。予定通り、フクロウの声を聞けたし、ヒキガエルやヤモリ、オオゲジも確認。早朝の囀りも楽しめた。

 本番が近づくにつれて天気予報が悪化し、金曜日には100%雨予報になった。本来、土曜日の昼に中止かどうかの判断をすることになっていたが、この行事は昼寝など準備をする人もおり、雨予報が変わる見込みはなさそうだったので、スタッフで相談して、金曜日の夜に中止を決定。
 すぐに当選者にメールで連絡。また土曜日の朝には中止の旨の留守電をセットした。明らかに雨だったので、現地には行かなかった(終電で集合設定なので、行くと公共交通機関では帰れない)。
●植物園案内・動物編「公園で繁殖する鳥
日時:2024年6月22日(土) 10:00-12:10
場所:長居植物園
参加者数:44名


 今は、一年で一番鳥の種類が少ないシーズン。なので、年中いる身近な種の繁殖について、とくに巣立ちビナを探すと宣言してスタート。
 まずは、ポーチのクジラの全身骨格に盛んにエサを運んでくる親鳥を観察し、ヒナの声を聞く。スズメの営巣についても説明し、それでは巣立ちビナを探しに行こうと出発。

 大池に行く途中で、スズメの幼鳥を観察。大池では、対岸のカワウのコロニーを見つつ、カワウの繁殖を解説。
 照葉樹林で、巣立ちビナ連れのシジュウカラを見つけて、巣立ちビナについて解説しつつ探すも、大声のせいか逃げて行ってしまう。ついていくけど、みんなでゆっくりは観察出来ず。一緒にコゲラも動いていたが、姿は見つけられず。
 植物園の南東端をグルッとまわってユーカリ園へ。カラスの古巣を見た程度。また巣立ちビナ連れのシジュウカラがいたが、またもや巣立ちビナは見られず。ハシボソガラスが地面を歩いていた。
 再度、大池に出て、カワウの巣やヒナを間近に観察。カワウの繁殖の話や質疑でしばらく盛り上がる。
 二次林に行こうと思ったら、旧ボタン園からムクドリの声がしたので、そちらへ向かう。巣立ちビナ連れのムクドリを発見。みんなで観察しながら、ムクドリの繁殖の話、イソヒヨドリやハッカチョウというライバルの話をして、ムクドリ繁殖情報募集をした。
 ここまでで昼前になったので、人の多いアジサイ園を避けて、大池の北側を回る。大池北側でコゲラの古巣を観察。綺麗な丸い穴をどうやって開けるかで盛り上がる。大池北西側で、子連れのハシブトガラスに出会ったが、ゆっくり観察する前に逃げられる。
 ポーチに戻って、まとめをして解散。夏のネコ展の宣伝もした。

 確認した鳥:ドバト、キジバト、カワウ、コゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、メジロ、ムクドリ、スズメ、カワラヒワ(13種)
●テーマ別自然観察会「高槻のカエルさがし
日時:2024年6月19日(日) 10:25-14:50
場所:大阪府高槻市 萩谷総合公園〜摂津峡〜原〜上の口バス停
参加者数:61名(博物館36名+あくあぴあ25名)(博物館:申込み112名、45名当選、あくあぴあ:当選30名)(スタッフは大阪市立自然史博物館から学芸員2人、あくあぴあ側からH学芸員と補助スタッフ1人)


 コースは、摂津峡から上流に抜けるコース。5月30日にスタッフ4人で下見。萩谷総合公園内で、下の池に抜ける木道が通行止めのままだったので回り込むコースに。昼食ポイントから尾根越えてトイレに行く道は通れそうだったので下見しなかった(実際は、通れるが、通行止めの表示がされていた)。
 高槻市立自然博物館あくあぴあ芥川との共催行事。行きは、高槻市営バスに臨時便をお願いした(今年は快く受けてくれた)。帰りの臨時便も用意すると言われたが(他に団体利用者がいる時間帯があったらしい)、時間が確定できないので、当日キャンセルした。

 JR摂津富田駅に集合、萩谷総合公園バス停まで移動(あくあぴあ側参加者で、連絡なく萩谷総合公園に自家用車できた1家族。解散後、スタート地点に戻ったとのこと)。萩谷総合公園バス停で、トイレタイムを入れてから挨拶。高槻市ではモリアオガエルとカジカガエルは採集禁止であること、禁止でなくてもカエルの飼育は難易度が高いこと、保護者に面倒をみる覚悟がないなら(子どもはすぐに厭きるから)捕まえたカエルは放して帰るように、絶対に持ち帰って家の周辺で逃がさないように注意してから出発(同じ注意を、その後、昼食後の出発時、最後のまとめにも)。カエルを持って帰った家族は気付いた範囲ではいなかったが、トカゲを持って帰っていたのが数人いた(トカゲも家の近所で放さないよう指導した)。

 萩谷総合公園で下ったすぐの池と次の池には卵塊なし。奥の池と、下の池でモリアオガエルの卵塊を観察。卵塊数は2〜3ずつと下見時より少なかった。最初の池では、オス2匹を観察でき、メスの死体も見つけた。最初の池の周辺ではトノサマガエルとタゴガエルがいた。上の池ではマムシもいたらしいが、後から画像を見ただけ。下の池では、水面に落ちた卵塊を観察できた。
 昼食場所に向かう谷筋では、今回もほとんどカエルの姿がなかった。途中、列が伸びてしまい、真ん中の人達が曲がり道を間違えて真っ直ぐ行った。
 例年昼食場所に使っているところで、昼食を食べて、カエル探し。カジカガエルが2匹見つかった。魚担当がカワヨシノボリとドンコ、カワムツを捕まえて解説。あくあぴあの学芸員がカワトンボ類を解説。
 昼食後、白滝から摂津峡を上流へ向う。芥川沿いに出たところで、トイレに行きたい人向けにトイレツアー。少し遅れて合流した。
 摂津峡から出た所の田んぼではヌマガエルとトノサマガエル、アマガエル幼生を解説。スクミリンゴガイ卵塊も説明した。ヒルを質問されたけど、種名は答えられず。
 漁協裏の田んぼで、田んぼの生き物をいろいろ観察。ヌマガエル、マルタニシ、スクミリンゴガイ、カブトエビ、ホウネンエビなどを観察。イモリも発見。
 水田の前でまとめをして解散。

確認した両生爬虫類
ニホンアマガエル、ヌマガエル、タゴガエル、トノサマガエル、モリアオガエル、カジカガエル、アカハライモリ、ニホンマムシ、ニホンカナヘビ、ニホントカゲ

確認した魚類
カワヨシノボリ、ドンコ、カワムツ

確認した鳥類
ホトトギス、ハシブトガラス、ヤマガラ、イワツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、センダイムシクイ、メジロ、キビタキ、オオルリ、イソヒヨドリ、ホオジロ

観察したその他の動物
ミヤマカワトンボ、アサヒナカワトンボ、カブトエビ類、ホウネンエビ、カイエビ類、サワガニ、ヒルの一種、マルタニシ、スクミリンゴガイ、ニホンジカ(糞)
●テーマ別自然観察会「はじめての鳥のさえずり
日時:2024年5月26日(土) 10:10-15:35
場所:金剛山(金剛山ロープウェイ前バス停〜(念仏坂)〜伏見峠〜千早園地〜ロープウェイ山上駅〜一の鳥居〜転法輪寺〜国見城址〜(千早本道)〜金剛登山口バス停)
参加者数:15名(申込み41名、全員当選)


 出席者がとても少なく、行事としてはやりやすかった。欠席者の内、16名は事前に欠席連絡があり、子どもが体調を崩したという理由が多かった。

 先週の鳥類フィールドセミナーで、最初の念仏坂の登りで脱落した家族がいたので、様子を見ながら登った。人数が少なく、目が届きやすく、また体力に問題のある人もいなかった。登りながらミソサザイを観察し、カケス巣立ちビナの死体を拾った。タゴガエルの声の説明をし、伏見峠の手前ではヒバカリを捕まえた。
 千早園地に着いたのは正午前。40分の昼休み。 ツツドリの声が遠くに聞こえ、ホトトギスの姿が見れた。アオバトがヤマザクラ果実を食べる様子もみんなで観察できた。
 午後から、山上駅を経由して散策路を一の鳥居へ。このエリアでは、カラ類とオオルリの囀りを説明。一の鳥居からエサ台へ。エサやりは禁止を宣言したが、エサ台の周りには鳥が多く、キジバト、カケス、ヤマガラ、ヒガラ、ゴジュウカラ、コサメビタキを観察できた。上空にはイワツバメ。転法輪寺から国見城址の間では、建物につくられたミソサザイの巣と囀るミソサザイを観察。国見城址で休憩の後、千早本道へ。千早本道に向かう途中で、ミソサザイの古巣を見せようとしたら、今年の新しい巣になっていて、眼の前で出入りした。
 千早本道は、階段をひたすら降りるだけ。と思っていたが、途中でアオバトやサンショウクイの声を聞くことができた。

 参加者の人数や様子を把握しやすく、このくらいの人数が適正。
 観察会としては、いろいろ見られて楽しかったが、“はじめての”鳥のさえずりの行事としては、盛り沢山すぎた様子。むしろもっと種数の少ない場所に行った方が良かった。

 確認した鳥:キジバト★、アオバト★、ホトトギス★、ツツドリ★、コゲラ、アオゲラ★、サンショウクイ★、カケス、ヒガラ★、ヤマガラ★、シジュウカラ★、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、ウグイス★、ヤブサメ★、エナガ、センダイムシクイ★、メジロ★、ソウシチョウ★、ミソサザイ★、ゴジュウカラ、クロツグミ★、コサメビタキ★、キビタキ★、オオルリ★、カワラヒワ、イカル(28種)<★付きは囀りを聞いた>
●植物園案内・動物編「初めてのバードウォッチング
日時:2024年4月27日(土) 10:00-12:00
場所:長居植物園
参加者数:55名


 植物園と博物館の50周年記念イベントとやらで、集合場所の博物館ポーチが人がいっぱいで、吹奏楽部も来ていて、マイクで案内してる人もいて、とてもうるさい。集合時刻までは我慢して、早々にポーチの外に逃げ出した。
 改めて自己紹介。手を挙げてもらったら、思いの外、本当にバードウォッチングが初めての人が多かった。最初に双眼鏡貸し出して、双眼鏡の使い方の説明。目の幅を合わせ、左右の調整、メガネの有無の対応。それから、見たい場所を見る練習を軽くして。続いて、鳥の図鑑を紹介してから、『山野の鳥』を貸し出し。ちなみに現役でイラスト図鑑作る絵描きは、谷口さんと水谷さんだけなんだなぁ。と改めて思った。
それから、大池に移動して、アオサギやカワウで、双眼鏡を使って鳥を見る実地練習。そして鳥を探しに出発。

 照葉樹林の南を通ってると、キビタキが盛んに囀っている。南側から照葉樹林に入る。間近にキビタキが囀り、センダイムシクイの囀りも聞こえるが姿が見えない。シジュウカラやメジロもいるが、ゆっくりは見れない。やむなく、照葉樹林を出て、再び大池へ。
 間近に、カワウの繁殖を観察して、解説。残念ながら他に水鳥がいなくなっている。アオサギが飛んでる程度。水鳥を見せるのを断念して、二次林へ。
 二次林では、今日は、ヒタキ類の動きは少なめで大型ツグミが多い。アカハラやクロツグミの囀りが聞こえ、アカハラの姿も見れたし、キビタキも観察できた。が、いずれも遠目で、すぐ動くせいで、初心者にはほとんど小鳥を見せられていない。
 ツツジ山から小池の北側、アジサイ園と進むが、鳥が少なく、みんなでゆっくり見られるヒタキが出ない。やむなく、普通種を見せようと、シジュウカラを探すが、こんな時に限って出てこない。
 三度、大池へ。とはいえ、カワウしかいない。まだ時間は30分も残っている。池の北側のコゲラの巣を解説。ドバトがいたので、家禽化の話。カラスの巣に寄り道して、カラスの繁殖とのつき合い方の話。とやってる内に、正午になった。
 次回の宣伝をして解散。あまり初心者向けの観察会にできなかった。早めに普通種の解説に切り替えればよかった。

 確認した鳥:ドバト、キジバト、カワウ、アオサギ、コサギ、コゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒヨドリ、ヤブサメ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、メジロ、クロツグミ、アカハラ、シロハラ、ツグミ、キビタキ、スズメ、カワラヒワ、アオジ(22種)
●野外実習「河川で繁殖する鳥の調査
日時:2024年4月14日(日) 10:00-14:00
場所:道明寺駅〜石川橋〜(石川左岸)〜新大黒橋〜駒ヶ谷駅
参加者数:25名(申込み40名、当選34名)


 駅でこの野外実習は、大和川水系調査プロジェクトの調査の研修を兼ねていると宣言。最後に調査参加者を募ると告知した。
 調査の練習スタートの石川橋の下で、センサス調査の仕方(橋で区間を分けて、記録する)、今日の調査のターゲット(水鳥はカウントし、囀る鳥は区間での有無を記録)、歩く速度と記録する範囲を説明。
 上流に向かって歩きながら、記録していく。水鳥とセキレイ類は丁寧に説明、囀りを中心に鳴き声も解説。新石川橋の下で、イワツバメの巣を観察してから、そこで昼食。
 午後は、なぜかチドリ類を中心に観察。探すのに苦労して、コチドリとイカルチドリを識別するのにさらに苦労する。堤防の外だったが、巣立ちビナを連れたケリも観察した。途中、コムクドリも出現した。
 新大黒橋の下で、まとめ。調査参加者を募ったが、名乗り出る人がおらず。そこで解散し、大部分の人と一緒に駒ヶ谷駅まで歩いた。

 4月半ばだというのに、ほとんど真夏日の暑い日だった。暑さになれていないので、へばっている人もいた。小さい子どもが1人、保護者と一緒に途中で離脱。でも、チドリ類がたくさん見られたし、イワツバメの営巣も見たし、ケリの巣立ちビナ、コムクドリ。鳥の観察会としてはとてもよかった。でも調査の研修としては失敗だった。

 確認した鳥:カルガモ、ドバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、オオバン、コチドリ、イカルチドリ、ケリ、イソシギ、カワセミ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヒバリ、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、ムクドリ、コムクドリ、ツグミ、イソヒヨドリ、スズメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、カワラヒワ、アオジ(28種)
 確認した両生爬虫類:アカミミガメ

●室内実習「鳥の調査の勉強会 第1回
日時:2023年4月2日(日) 10:00-16:30
場所:長居植物園、大阪市立自然史博物館 集会室
参加者数:10名(申込み21名、全員当選)


 昨年からの継続8名、新規2名。申込時は継続の8名以外に、新規が13名もいたが、新規で参加したのは2名だけであった。本当の欠席理由は分からないが、返信で行事の進め方や宿題を説明したのだが、ハードルが高いのかもしれない。

 午前は、簡単なあいさつの後、戻ってきたら都市公園であまりお金はかけずに4-7月に実現可能な、架空の鳥の研究計画を発表してもらうと宣言。その上で、長居植物園へ。鳥を見ながら、研究に関連した解説。戻ってきて順に発表してもらった。
 午後は、 勉強会の進め方、研究する際に考えるべきことといった簡単な解説をした後、その実例としての論文紹介。
 その後、順番に用意してきたデータのまとめや、研究計画の発表。最初に例として、和田が発表。参加者は10名だが、コンビが1組いるので、発表は9件。継続者は、4件は既に持ってるデータのまとめ、1件はすでにデータを持ってるがその上での研究計画、2件は新規の研究計画。新規の2件は、宿題の意図が分からなかったのかもしれない。データを示してはいるが、まとめるつもりの内容ではなさそう、かといってこれからデータを追加するといった研究計画にもなってなかった。宿題として、データを持ってる人はデータを示すように書いたからかもしれない(まとめる気のあるデータを持ってるなら示すようにと書くべきだったか?)。して下さいと書いたからなのかもしれない)。
 既存データの発表の内、3件はそのまままとめてもらえば良さそうだが、1件はもっとまとめられるデータを取るよう求めた。研究計画の3件は、どうなるかは判らないが、そのままやってみることに。新人さん達は、他の人達とのやり取りを見て、どう思ったのだろう? リアクションがなく、何をしたいか判らず、指導のしようもなかった。自発性重視の行事なので、放置でいいような気もする。
 今年度は、年間を通じて3回開催予定。今後の予定は、7月15日(月祝)と12月14日(土)。
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