博物館の行事の報告


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●プロジェクトY研修「ヒキガエルの卵さがし
日時:2010年3月22日(月)
場所:生駒ケーブル 生駒山上駅〜ぬかた園地〜暗峠〜なるかわ園地〜鳴川谷〜瓢箪山駅
参加者数:33名(申込み39名、全員当選)(スタッフ学芸員2名)


 3月17日に下見。十三峠まで歩き、水呑み地蔵を下って、八尾市の山のふもとの池をチェックしたが、ヒキガエルの卵塊は見つからず。距離的にも長くなるので、鳴川谷を下るコースに変更した。
 ぬかた園地の池を狙ったかがヒキガエルは見つからず。なるかわ園地でヒキガエルの抱接個体を確認。その後昼食。さらに鳴川谷コースの近くで、ヒキガエルの卵塊を確認。鳴川谷を下って瓢箪山駅で解散。
 下見で見つけた場所で、予定通りヒキガエルは観察できたが、新発見はなかった。結局2ケ所をめぐるために一日歩いた感じ。途中イヌと一緒に歩いたり、鳥や昆虫等も観察してそれなりに観察会的には楽しめた。

確認した両生爬虫類
ヒキガエル(抱接個体、卵塊)

観察した鳥
ノスリ、ドバト、キジバト、コゲラ、ツバメ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ツグミ、ウグイス、ソウシチョウ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、ベニマシコ、イカル、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(以上21種)

●植物園案内・動物編「公園の冬鳥
日時:2010年3月13日(土)
場所:大阪市東住吉区 長居植物園
参加者数:40名(補助スタッフ1名)


 冬鳥は少なめ、春の渡りはまだ。というわけで、全体的に鳥は少ない。そろそろ咲き出した花に来ているヒヨドリを気にしつつ、大池の水鳥で時間をつなぐ。小池でカワセミがばっちり見られた。最後にオオタカが間近に飛んで、今日出そうなよさげな鳥は一通り出た感じ。

観察した鳥
カイツブリ、カワウ、コサギ、コブハクチョウ、マガモ、カルガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、オオタカ、バン、ドバト、キジバト、カワセミ、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、シロハラ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、メジロ、アオジ、カワラヒワ、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(以上30種)

●プロジェクトY研修「アカガエルの卵さがし
日時:2010年2月28日(日)
場所:箕面市 北摂霊園モニュメント前バス停〜住吉神社〜高山バス停
参加者数:12名(申込み18名、全員当選)(スタッフ学芸員2名)


 高山周辺のヤマアカガエルの卵塊を観察。アカガエルの産卵場所、淀川水系での分布について解説。住吉神社で昼食後、周辺を歩き回ってさらに卵を探したが、あまり見つからず。キジを観察したり、プラナリア採集、シカのフィールドサインの観察などもおこなった。目的は早々に達成されたので、早めのバスで帰ってきた。

確認した両生爬虫類
ヤマアカガエル(卵塊)

観察した鳥
キジ、キジバト、コゲラ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ツグミ、ウグイス、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、カワラヒワ、シメ、ハシブトガラス(以上17種)

●植物園案内・動物編「冬の鳥の食べ物
日時:2010年2月26日(土)
場所:大阪市東住吉区 長居植物園
参加者数:48名(補助スタッフ3名)


 果実がほぼなくなり、ツグミやヒヨドリの個体数が減り、植物園は静か。果実を食べる鳥を観察できない。それでいてツグミやシロハラはまだあまり地上で採食していないという悪いタイミング。
 博物館の裏から菜の花畑方面に歩き、ヒヨドリ、スズメ、ツグミ、ムクドリなどを見つけては、その食性などを紹介。ユーカリ林から池にでたところで、遠方にオオタカが出現。こっちに向かってきて、見えなくなった。これが今回のクライマックス。池ではカワウやカモ類を観察し、食性を説明。二次林におりるカワラヒワを観察した後、小池にカワセミを探しに行く。ツツジ山で一瞬シジュウカラ。小池のカワセミはおらず。再び大池へ。コガモやカワウを再び解説。コブハクチョウの悪口を言って終了。と思ったら、最後にツバキの花に来ているメジロをゆっくり観察できた。
 珍しい鳥がさっぱり出なかったおかげで、普通種についていろいろ解説することになった。バードウォッチングというより、野外での講議のようであったが、それはそれでよかったのかもしれない。

観察した鳥
カワウ、アオサギ、コブハクチョウ、マガモ、カルガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、オオタカ、ドバト、キジバト、コゲラ、ハクセキレイ、ビンズイ、ヒヨドリ、モズ、シロハラ、ツグミ、シジュウカラ、メジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(以上26種)

●テーマ別自然観察会「渓流で暮らすカワガラス
日時:2010年2月6日(土)
場所:箕面市箕面駅〜政の茶屋
参加者数:27名(申し込み27名、全員当選)(補助スタッフ1名)


 箕面駅で、カワガラスがどんな鳥か、どうやって見つけるかを解説してから出発。滝道に入ってすぐにもカワガラスがいるはずだが見つけられず。クロジやアトリを観察しながら進む。滝を越えて、結局下見と同じ、政の茶屋を少し過ぎた辺りでカワガラスを発見。2羽のカワガラスをゆっくり観察しつつ、解説した。トイレもあるので、この場所で昼食。昼食時もカワガラスが行ったり来たりしていた。充分カワガラスを観察したので、そのまま元の道を戻った。帰る途中ニホンザルもゆっくり観察できた。
 下見では、ビジターセンター、箕面川ダムを越えて、高山まで行き、バスの時間が合わなかったので、高山口バス停まで行き、それでもバスを乗り過ごした。箕面川ダムの上に出る際は、道なき道を進むなど、鳥類フィールドセミナー参加者に迷惑をかけた。観察会本番はおかげでスムーズに行った。

観察した鳥
ノスリ、ドバト、カワセミ、コゲラ、キセキレイ、ヒヨドリ、カワガラス、ルリビタキ、シロハラ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、アオジ、クロジ、アトリ、カワラヒワ、イカル、スズメ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス(以上22種)

観察した哺乳類
ニホンザル

●植物園案内・動物編「公園の冬鳥
日時:2010年1月23日(土)
場所:大阪市東住吉区 長居植物園
参加者数:59名(補助スタッフ4名)


 風が強く寒かった。この冬は冬鳥が少なめ、とくに売りになる鳥があまりいない。
 出発前に、植物園入口あたりの樹にツグミとアカハラがとまっているのが見つかり、なし崩し的に観察会が始まった。まずツグミのとまっていた樹に行ってみたが、団体で近付くとみんな逃げてしまう。仕方がないので、クスノキを食べに来ているヒヨドリの説明。大池に移って、カモ類を観察。カワセミを探すが見つからず。小川沿いに小池に移動。ここでもカワセミを探すが見つからず。小池横でようやくエナガを見つけてみんなで観察。二次林の方では、モズのはやにえを観察。緑色のカメムシ2匹がロウバイの枝に刺さっていた。大池に戻って、カワウを観察。すると対岸にカワセミが見つかる。しかし遠過ぎてわからない、と言ってる間に飛び去る。その後、まじかにオオタカが飛び立ち少し盛り上がる。最後に盆栽庭園に水浴びに来ているシジュウカラを観察して終了。
 遠くのカワセミ、一瞬のオオタカ。メインがいまひとつゆっくり見られない観察会であった。

観察した鳥
カイツブリ、カワウ、コサギ、コブハクチョウ、マガモ、カルガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、オオタカ、バン、セグロカモメ、ドバト、キジバト、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、アカハラ、シロハラ、ツグミ、エナガ、シジュウカラ、メジロ、アオジ、カワラヒワ、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(以上32種)

観察した哺乳類
タヌキ(ためフン)
●テーマ別自然観察会「琵琶湖の水鳥
日時:2009年12月13日(日)
場所:滋賀県 JR近江今津駅〜新旭水鳥観察センター
参加者数:20名(申込み32名、全員当選、欠席連絡5名)(補助スタッフなし)


 遠方なためか申し込みは少なめで、出席率も低かった。幸い積雪はなかったが、昼前から風が強く、とくに午後からは寒かった。寒い割には、狙いの水鳥もタカ類も出ず。目玉のコハクチョウももちろんいなかった。オオバンから水草を横取りするヒドリガモたちや、ハジロカイツブリの大群の一斉潜水が見られたのはよかった。
 途中のんびししすぎて、最後は、電車に間に合わせるべく早足で歩いた。列は伸びて、前の方の人だけ間に合った。あとの人は30分待ち。後ろを歩いていた人は、電車に間に合うように急いでいるのが伝わってなかったらしい。帰りの電車の時刻表は、資料に付けておいたのだが、注意を喚起しておけばよかった。

観察した鳥
カイツブリ、ハジロカイツブリ、カンムリカイツブリ、カワウ、ダイサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、ヨシガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、アメリカヒドリ、オナガガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、ホオジロガモ、ミコアイサ、カワアイサ、トビ、チュウヒ、チョウゲンボウ、オオバン、イソシギ、クサシギ、ユリカモメ、カモメ、ドバト、キジバト、コゲラ、ハクセキレイ、ビンズイ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、ウグイス、エナガ、シジュウカラ、ホオジロ、カシラダカ、オオジュリン、カワラヒワ、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(以上46種)

●植物園案内・動物編「秋の渡り鳥
日時:2009年10月24日(土)
場所:大阪市東住吉区 長居植物園
参加者数:41名(補助スタッフ4名)


 秋の渡り鳥と銘打ったが、秋の渡り鳥には遅めで、すでにコサメビタキは通過してしまっており、むしろぼちぼち冬鳥が到着している。微妙に端境期で、鳥が少ない。
 まず大池でカワセミを探しつつ、カイツブリやカモ類を観察。遠くに一瞬カワセミが出たが、すぐに見失う。カワセミは後回しにして、二次林方面にキビタキを探しに行く。一応出現したが、大部分の人は見られず。モズやジョウビタキを観察しつつツツジ山からマツ林へ。アジサイ園のところで再びキビタキが出現したが、またもや少数の人しか見られず。一緒にいたコゲラとシジュウカラを観察していたら、小池の方でキセキレイとカワセミが出現。大部分の人はカワセミの方を観察に移動。川沿いに大池に移動して、再びカモ類を観察しようとしたら、再びカワセミが出現。またカワセミを観察。あとは、タヌキのためフンやイシガメを観察して帰ってきた。
 主としてカワセミの観察会であった。

観察した鳥
カイツブリ、コブハクチョウ、マガモ、カルガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、ドバト、キジバト、カワセミ、コゲラ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、キビタキ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(以上24種)

観察した爬虫類
イシガメ、アカミミガメ

観察した哺乳類
タヌキ(ためフン)
●テーマ別自然観察会「山の秋の渡り鳥
日時:2009年10月11日(日)
場所:大阪府八尾市ケーブル高安山駅〜十三峠〜なるかわ園地〜国道308号線〜枚岡神社〜近鉄枚岡駅
参加者数:20名(申込み27名、全員当選、欠席連絡3名)(補助スタッフ1名)(参加者中、友の会員17名)


 ヒタキ類とタカ類を期待して、観察会を設定した。合わせて近頃生駒山地にひろがったソウシチョウも解説するべく準備した。
 タカ類は、集合場所で、集合時間前に飛んだのがほぼすべてで、大部分の参加者は観察できなかった。ヒタキ類は、下見時に確認した前半のポイントでまったく出現せず心配したが、後半で何度か出現し、5種が揃ってまあまあ観察できたと思われる。クマノミズキの果実を盛んに食べていて、クマノミズキがいい観察ポイントになっていた。
 ソウシチョウは、尾根筋でずっとさえずりを聞くことができた。最後の方で姿も確認することができた。
 あまりアップダウンのない尾根筋のコースで、最後に下るだけ。一般向けでも大丈夫の楽なコースだと思ったのだが、距離が約12kmあり、最後に急坂を下るのでけっこうきつかった。最後の下りがつらかったと言う声がいくつか聞こえた。

観察した鳥
ハイタカ、ノスリ、ヤマドリ、コゲラ、キセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、ソウシチョウ、コサメビタキ、エゾビタキ、サメビタキ、キビタキ、オオルリ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、スズメ、ハシブトガラス(以上21種)

観察した両生爬虫類
ヒバカリ

●室内実習「ホネの標本製作講座2
日時:2009年8月12日(水)
場所:大阪市立自然史博物館 実習室
参加者数:28名(申込み54名、当選36名、欠席連絡4名)(スタッフは他になにわホネホネ団から団長と団員1名)(参加者中、友の会員8名)


 「ホネの標本製作講座」落選者のみへの募集であったが、定員の2倍の応募があった。今回は、見学だけを希望している保護者を確認し、また団体での申込者は大部分を見学に回ってもらうなどの手配をすることで、実質的な落選者は5名だけであった。
 さらに直前になったが、カエルの死体の皮むきから始まることをアナウンスしたところ、欠席者が増えた。カエルが苦手との連絡もあった。

 内容は、前回と同じ。今回もパイプスルーの間に昼食をとり、漂白の間に特別展「ホネホネたんけん隊」展の見学を行った。今回も親にまかせて何もしない子どもがいた。お父さんが娘とその友だちの二人分のカエルを処理していたのには驚いた。器用なお父さんでよかったというべきかもしれない。
 参加者の中に、劇団員の団体がおり、舞台セットとしてたくさんのホネが必要で、その作り方を習いに来たとのこと。後日別途相談に乗ることにした。

●室内実習「ホネの標本製作講座
日時:2009年8月9日(日)
場所:大阪市立自然史博物館 実習室
参加者数:32名(申込み173名、当選37名、欠席連絡2名)(スタッフは他になにわホネホネ団から団長と副団長)(参加者中、友の会員3名)


 定員24名で募集したが、ギリギリまで当選させた。それでも競争率は4.6倍。圧倒的多数を落選させるのはしのびなかったので、小学校低学年(この行事の対象は小学校高学年以上)を除く人を対象に、追加行事を実施することにし、急きょ案内を送付した。

 オオヒキガエルとウシガエルを材料に、一人1匹ずつ配った。皮をむいて、内臓と肉、目玉をとる。軽く煮てさらに肉取り、そしてパイプスルーにつける。さらに肉取り。過酸化水素水で漂白。虫ピンなどを使って形を整えて持って帰るという内容。パイプスルーの間に昼食をとり、漂白の間に特別展「ホネホネたんけん隊」展の見学を行った。
 参加者の多くは、小学生で、夏休みの宿題のために参加している様子であった。きれいなバラバラの白いホネを組み立てると思っていた子どもが多かったらしく、最初にカエルの死体を配ると悲鳴があがっていた。しかし、ほかに宿題のネタがないためか、結局は最後までやりとげた。ただし多くの子どもは親に手伝ってもらっており、中には事実上親だけが作っている家族もあった。
 参加者のうち、大人と子どものセットの参加者は、親は見学だけの人と親もカエルのホネを作りたい人にわかれた。結局カエルのホネを作ったのは、29名であった。最初から見学だけの参加者が、上記以外に6名いた。

●やさしい自然かんさつ会「ツバメのねぐら
日時:2009年8月8日(土)
場所:奈良市平城宮跡
参加者数:94名(申込み186名、全員当選)(補助スタッフ6名)


 7月25日に下見。特に問題なし。昨年、駐車場に集合していたら、管理者とおぼしき人に怒られたので、今年は事前に管理者に了解をとるべく電話した。わざわざ連絡しなくても勝手に使って下さいという感じの対応であった。昨年はいったい何だったのだろう?
 平城宮跡の北西角の駐車場に集合。大和西大寺駅北口前に1人、駐車場前に2人、旗を持って立って参加者を誘導。さらに3人がかりで受付をした。午後6時に集合して、挨拶とスケジュールの説明をして、ゆっくり現地まで行って、のんびりツバメの集団ねぐらの解説をして、日没の18:50頃。あとは、解説抜きでツバメが集まってくるのを観察した。19:25ほぼツバメがヨシに全部とまったので、現地で解散。
 1万羽以上のツバメが集まったと思う。それだけで観察会としては成功。なんで今さらツバメの観察と思ってたけど、来てみてよかったという声があったらしい。ちょっと嬉しい。京都の市街地の小さなねぐらを観察している中学生からは、ぜんぜん違ってたという感想をもらった。
 あとから、集合場所にたどりつけずに参加できなかったというクレームのメールをもらった。駅からの道がわからなかったらしい。駅に案内の人を配置しておいてくれたらよかったのにと言われたが、配置していたんだけど…。駅でたずねても平城宮跡への行き方がわからなかったとも言われたが、これもよくわからない。誰でも教えてくれそうなんだけど…。

観察した鳥
ゴイサギ、コサギ、アオサギ、キジバト、ヒバリ、ツバメ、セッカ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス(以上10種)

観察した哺乳類
アブラコウモリ
●特別展普及講演会「一学者、骨と闘う
日時:2009年7月26日(日) 14:00〜16:10
場所:大阪市立自然史博物館 講堂
参加者数:139名(なにわホネホネ団団員13名)
講師:遠藤秀紀氏(東京大学総合研究博物館)
スタッフ:学芸員3名


 講師は、正午過ぎに到着。昼食・コンピュータ持参。午後2時からの講演なので、午後1時半に会場に来てもらうことにする。午後1時半。講師が会場に来ない。探し歩くと、特別展会場で写真を撮っていた。会場でコンピュータの動作確認。動かない。CD-ROMに問題があるらしく、はずして再起動したら解決。講演開始5分前であった。
 最初のスライドに自己紹介があったので、講師紹介は省略。さっそく講演を始めていただく。1時間半の講演に、30分の質疑応答の予定だったが、ほぼ予定通り1時間40分で講演終了。パラパラとだが、質疑もあり、質疑応答に予定通り30分かかった。
 終了後、著作本を手にした人たちの列ができて、サイン会となった(サインしてもらえることは確認していたが、とくにアナウンスはしなかったのだが…)。サインと個人的な質疑、挨拶などに結局、50分ほどかかった。その後、特別展示室で、キーウィとヒクイドリの標本を検分してから帰られた。

 参加者にしめる友の会会員の比率は比較的少なめ。遠方からの参加が多く、近畿圏外からは静岡県3名、岐阜県1名、愛知県2名、三重県3名、島根県1名の参加があった。

 講演では、なにわホネホネ団、大阪市立自然史博物館、ホネホネたんけん隊展が随所に参照され、基本的に誉めていただいた。というか、異様になにわホネホネ団が持ち上げられていたように感じた。紹介された画像には、哺乳類のホネよりもむしろ、死体や皮を剥かれた死体が多く登場したが、とくに問題はなかった模様。質疑の内容の多くは、講演内容に即したもので、講演内容はよく伝わっていたのだと思う。
●大人向けワークショップ「標本を作ってホネを知る
日時:2009年7月12日(日)
場所:大阪市立自然史博物館 実習室
参加者数:28名(申込み55名、当選37名、欠席連絡9名)(スタッフは他になにわホネホネ団から団長と副団長)(参加者中、友の会員15名)


 団長が以前に子ども向けにしたことがあるというので、手羽先の骨格標本作りをすることにした。過去の資料を団長からもらって、大人向けに改訂。前日までに手羽先、パイプスルー、過酸化水素水、魚の骨抜き、排水口ネットを購入して準備。予定外に安く上がったので、参加費を500円から200円に値下げした。
 食材である手羽先を扱うので、手袋は使わず。とくに午前中は、食品を扱うノリで進め、取り除いた肉は昼に、キュウリとかいわれと一緒にサラダにして食べた。
 最初に鳥のホネについての解説の後、団長から手羽先の処理の仕方の説明。あとは黙々と作業をすすめた。肉取り作業の間は、参加者全員が作業に集中してとても静かであった(カニを食べに行った時のよう)。パイプスルーに浸けている間に昼休み、漂白剤に浸けている間にホネホネたんけん隊展を見学した。最後に、なにわホネホネ団の紹介と、ホネホネたんけん隊展の関連イベントの宣伝をして、アンケートをお願いして、流れ解散。まだ粘って作業を続ける人もいた。
 作業を進めるスピードは人によって様々だったが、おおむね全員、同じスケジュールで次のステップに進めることのできる範囲であった。3人で手分けして、個々の作業の進み具合を見て回り、遅れているようなら手助けしながら進めた。
 アンケート結果はおおむね好評。今度は、大物やカエル1匹など次のステップに進みたいという意見が多かった。1日で終わるコースではなく、数日がかりで標本製作をする行事があってもよさそう。
●「ホネホネ・アート・ワークショップ
日時:2009年6月28日(日)「かたどり」、7月2日(木)「かざりつけ」、7月5日(日)「かんしょう」
場所:大阪市立自然史博物館 旧実習室、ネイチャーホール
参加者数:22名(申込み24名、全員当選、欠席連絡1名)(スタッフは他になにわホネホネ団から団長、美術家Iさんと大阪アーツアポリアの6名、大阪城ホールから手伝いに1名)(参加者中、友の会員1名)
 ※NPO法人大阪アーツアポリアとの共催事業で、文化連携事業の一環


 牛乳パックを使って、アライグマのホネを石膏でかたどり、矢印を作り、ホネホネたんけん隊展に飾るという企画。ホネホネたんけん隊展にアート色を付けて、アートよりの来場者を増やしたいとの思惑で、こちらから大阪アーツアポリアに声をかけて、一緒に企画した。
 3月に打診して、4月から内容を打ち合わせ、大阪アーツアポリアでは、入念な準備をしてくださった。さいわい、文化連携事業の一環と位置付けられたので、参加費無料で実施することができた。この企画のみのチラシも作成した。
 3回すべてに参加するのが原則だったが、初回のみの参加者や3回目に参加されなかった参加者も見られた。

「かたどり」
 牛乳パックを切って、粘土を置き、そこにアライグマのホネを矢印型に配置。アルギン酸で雌型をとり、石膏でかたどり。スタッフが多く、手厚いサポートがあったので、全員失敗なく矢印が完成した。石膏がかたまるまでの間、準備中の特別展を見学し、どこに自分の矢印を配置するかを考えてもらった。

「かざりつけ」
 4日間乾燥させた矢印に彩色。その後、特別展にかざりつけ。展示しているホネを隠さない場所で、転がってもホネを傷める心配のない場所であれば、どこでも参加者の希望する場所に矢印を配置した。合計26個の矢印が配置された。

「かんしょう」
 参加者が家族連れで参加し、自分達が飾った矢印をかんしょうし、どうしてこの場所を選んだのかなどを各人が説明した。

 思いのほか盛り上がる企画で、参加者同士の交流がはかれた。
 特別展入場者に矢印の意味がわかるように、「かんしょう」の後、展示室内にホネホネ・アート・ワークショップの解説を大きめのポスターで配置した。個々の矢印に説明をつけると言う案もあったが、展示がうるさくなるので、まとめて説明するにとどめた。
●教員・観察会指導者向け支援プログラム「ホネ取り、ホネ並べ
日時:2009年6月27日(土)
場所:大阪市立自然史博物館 実習室
参加者数:13名(申込み16名、全員当選、欠席連絡2名)(スタッフは他になにわホネホネ団から団長と副団長、Tさん)(参加者中、友の会員9名)
 ※JST支援事業


 ホネ取り(骨格標本作成のこと)作業の最後の段階を体験してもらい、それを踏まえて、椎骨や四肢のホネを並べてみようという企画。4つの机に2体ずつ中型哺乳類(タヌキ、アライグマ、キツネ、ウサギ、テン)を準備。参考にするようのネコの全身組み立て骨格も各机に準備。あとは各机にスタッフが一人ずつついて指導に当たることにした。2つの机では乾燥したホネのクリーニング、残る2つの机では水洗い。
 ホネをなくさないように、壊さないように、なにより複数個体のホネが混じらないように、一番気を使った。標本番号を付けたラベルをこまめに配置し、標本が混じらないように配慮した結果、大きな問題は起きなかった。ただし、四肢の小さいホネをそれぞれにわけておくのは、一部で失敗し、混じってしまった例も合った。
 ホネ取りからホネ並べという作業は順調に進んだが、頭骨が割れた個体が混じる等、材料の違いによって、作業のスピードに差が生じた。
 途中、休憩をはさみ、準備中のホネホネたんけん隊展の見学もおこなった。準備中を見られる機会が少ないからか、完成していない展示ではあったが、意外に好評であった。
●テーマ別自然観察会「高槻のカエルさがし
日時:2009年6月21日(日)
場所:大阪府高槻市萩谷〜塚脇
参加者数:51名(博物館31名+あくあぴあ20名)(博物館:申込み126名、当選57名、欠席連絡3名、あくあぴあ:申込み33名、全員当選)(スタッフは他にあくあぴあ側からT学芸員、補助スタッフ5名)(参加者中、友の会員29名)


 天気予報は微妙で、早朝雨が降ったが、午前7時時点で止んでいたので決行した。
 芥川緑地資料館あくあぴあ芥川との共催行事。あくあぴあ側のスタッフが要所に立って下さったので、集合の駅からバス停までの移動がスムーズであった。あくあぴあ側でバス会社に連絡してくれたので、専用の直行バスが増発された。あくあぴあ側から、高槻の両生爬虫類のパンフレットを資料にもらい、参加者に配付した。
 少し早い時間に集合して、同じ公園でモリアオガエルの観察会が行われることが、あくあぴあの募集案内の時点で判明していた。モリアオガエルの卵塊を最初に見る予定の池に行くと、すでに先客としていて、追い返された。そんなに人数は多くないようだったのだが…。仕方がないので、別の場所に移動して、卵塊とモリアオガエルの成体を観察。卵塊が遠目にしか見えないのがちょっと不満であった。
 山道に入って渓流沿いを歩き、早々に昼食ポイントに到着。周辺でタゴガエル、ヤマアカガエル、トノサマガエル、カジカガエルを採集して観察。その他、昼食をはさんで浅い渓流で水遊びをし、プラナリア、ヤマナメクジ、ヨシノボリの卵塊などを観察。
 昼食後、渓流沿いにしばらく歩いた後、水田に到着。トノサマガエル、アマガエル、ヌマガエル、ツチガエルを観察。その他、水田の小動物、とくにカブトエビ、ホウネンエビ、カイエビを観察。その近くの小さな池で、モリアオガエルの多数の卵塊を観察。あとはバス停に戻る。
 ちょうどバスが来たので、そのまま流れ解散。バスを1本みのがして、まとめや資料の解説をすればよかったと反省。

観察した両生爬虫類
ニホンアマガエル、トノサマガエル、ヤマアカガエル、タゴガエル、ヌマガエル、ツチガエル、モリアオガエル、カジカガエル、カナヘビ(以上9種)

観察した鳥
ホトトギス、カワセミ、ヒヨドリ、ウグイス、オオルリ、キビタキ、サンコウチョウ、ヤマガラ、メジロ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス(以上13種)

観察したその他の動物
ナミウズムシ、カブトエビ類、ホウネンエビ、カイエビ類、ガムシ類、ホタル類の幼虫、クモ類、ヤマナメクジ、クチベニマイマイ、ヨシノボリ類の卵塊
●植物園案内・動物編「街で繁殖する鳥
日時:2009年5月23日(土)
場所:大阪市東住吉区 長居植物園
参加者数:38名(補助スタッフ2名)


 新型インフルエンザ騒ぎで、週末の子どもワークショップや「海辺のしぜん」は中止になったが、植物園案内は実施してもいいとのことなので、予定通り実施。インフルエンザの影響か参加者は少なめだったが、かえってゆっくりと観察できたと思う。小学生の参加者も7名いたが、5名はマスクをしていた。案内者は、最初マスクを持っていたが、マスクをしていると声が届かないので説明できない。2m以内に近寄らないこと、帰ったらちゃんと手洗いをすることとアナウンスした上で、マスクは付けなかった。
 まず博物館の裏と照葉樹林でカラスの巣を見せて、カラスの繁殖について解説。シジュウカラやヒヨドリもいたのでそれぞれの繁殖について解説。ユーカリ林のカラスの巣ではヒナを観察できた。また産卵に来たアカミミガメに遭遇し、カメが掘った穴も観察できた。ここでキジバトとムクドリの繁殖についても解説。ホトトギスが鳴いた。二次林には鳥がおらず、素通り。マツ林では一部の人がアオバトを観察。タヌキのため糞の説明をしてから大池へ。アオサギの営巣とコブハクチョウの巣、カワウを観察。入口付近の東屋のスズメのアパートでスズメの繁殖について解説。ナガスケのスズメの巣を観察して解散。
 解散時にも、帰ったら手洗いするようにアナウンスした。

観察した鳥
カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、コブハクチョウ、カルガモ、ドバト、キジバト、アオバト、ホトトギス、コゲラ、ツバメ、ヒヨドリ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(以上20種)
●テーマ別自然観察会「ヒキガエルの繁殖
日時:2009年4月5日(日)
場所:兵庫県猪名川町
参加者数:38名(申込み80名、当選61名、欠席連絡14名)(スタッフは他にH学芸員、補助スタッフなし)(参加者中、友の会員29名)


 ヒキガエルの調査の研修を兼ねて、ヒキガエルの産卵場所に行って、卵塊とオタマジャクシの観察会をすることにした。3月20日、過去2年間にヒキガエルのオタマジャクシの報告があった場所を中心に、N学芸員と一緒に猪名川町周辺を回ってみた。新たな繁殖地も狙ったが、結局過去に報告のあった場所しかヒキガエルを確認できなかった。3月30日、駅から歩いていける場所に狙いを絞って、観察コースの確認を行った。
 申し込み数が多く、抽選を行った。抽選後(すなわち締め切り後)にも、2件問い合わせがあったが断った。当選者の一人からは、コースの昼食の場所周辺にトイレがないかとの問い合わせがあった。今回はアクセスしやすいヒキガエルの繁殖地を選ぶのを優先したため、コースの最初と最後にしかトイレがないことを説明した。その方は、キャンセルされた。結果としては、昼食を食べた側のビオトープに簡易トイレがあり、借りることができた…(下見で確認し損なった)。
 前日は雨だったが、行事当日は曇り後晴れで、暖か。水遊びには最適の日和であった。ヒキガエルの繁殖地まで、約1時間歩いた。その途中、水路の度にとまって、水網でいろいろ採集して観察した。とくにイモリ、タイコウチ、コオイムシで盛り上がっていた。
 ヒキガエルの繁殖地では、ビオトープと池のヒキガエルの卵塊とオタマジャクシを観察。ついでに炭焼きをしているのも見学させてもらった。ヒキガエルの繁殖について一通り説明した時点で正午。池の堤で昼食をとった。昼食前後は、カナヘビやプラナリア採集で盛り上がる。池の中からシカの角が拾われたので、出発前にシカやイノシシ、アライグマなど哺乳類の増加について説明した。
 第2のヒキガエルの繁殖地に行くがヒキガエルは見つからず(下見でも見つからなかった)。代わりにたくさんのアマガエルを観察した。その後、バスの時間まで、周辺の水路でメダカ、ドジョウ、ヒル、ウシガエルなどを観察。最後にプロジェクトYの宣伝と、ヒキガエルの繁殖地探しの宣伝をして解散。話が長過ぎて、あやうくバスに乗り遅れるところだった。
 最後のところでは、大人1名がハス池に頭から落ちてずぶぬれになった。怪我はなくてよかったが、双眼鏡とカメラには被害があったもよう。風邪等ひいて医者に行ったら連絡をくれるようにと伝えて分かれた。
 ヒキガエルの観察はしたが、みんなで採集するとヒキガエル個体群への影響が大きいので、ヒキガエルについては採集を禁止した。そのせいかヒキガエル以外の水辺の生き物に人気が集まったもよう。ウシガエルについても、特定外来生物であることを説明して、生きた個体を持ち帰るのを禁止した。カエルツボカビ症の解説をして、もし採集した両生類を持ち帰るなら、ぜったいに野外に放さないようにと念を押した。さらに小さいアマガエルを飼育するのは大変であることを説明した。その結果、採集されたアマガエルの多くは、その場で放された様子。

観察した両生爬虫類
ニホンアマガエル、ニホンヒキガエル、ウシガエル、イモリ、カナヘビ、ニホントカゲ(以上6種)

観察した鳥
トビ、コゲラ、ツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、ウグイス、エナガ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、ベニマシコ、ハシブトガラス(以上15種)

観察した哺乳類
アカネズミ(死体)、シカ(角、骨、足跡、糞)(以上2種)

観察した魚類
ギンブナ、メダカ、ドンコ、ドジョウ(以上3種)

観察したその他の水生動物
スジエビ、マルタニシ、チリメンカワニナ、ナミウズムシ、ヒル類、タイコウチ、コオイムシなど

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