2002年1月、2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月
研究者ってのは、年に数回は学会発表をしたりします。それに学芸員なんて仕事をしていると、ちょっと話してくれってな話が舞い込んできて、断りにくかったりします。あと、もちろん博物館の行事やらで人前で話をする機会もたびたび。
もともと人前で話をするのは苦手です。さすがに近頃は慣れてきて、あがるということはなくなってきました。それでも我ながら訳のわからん事を話していることもしばしば。
というわけで、記録を残して講演結果を反省しつつ、今後の参考にしようと思い立ちました。謙虚ー。
タイトル:「果実を食べるヒヨドリの冬の生態」
場所:大阪市立自然史博物館集会室
聴衆:37名
経過と準備:学会などで何度も話したことのあるテーマ。というわけで忙しさにもかまけて余裕をかましていたら、あっというまに本番前日。あわてて、今までに作ったOHPを選ぶ。今回あらたに作ったのは、ヒヨドリ類の解説の部分だけ。
講演内容:イントロ代わりに、世界のヒヨドリ科の紹介や、日本のヒヨドリの分類・生態の概説。それから本題の長居公園のヒヨドリの話。
反省:話慣れた持ちネタなので、気楽に話しました。けっこういろんな質問もでて、なかなか充実した講座であったような気がする。が、やはりもう少し最新のデータもまとめたかった所。
タイトル:「大和川の鳥のお話し」
場所:住之江区区民ホール
聴衆:約20名
経過と準備:9月に住之江区役所の担当者がわざわざやってきて依頼がありました。ご近所のなので、また大和川の鳥を調べている関係もあって引き受けることにしました。博物館の紹介の展示もしてくれるというので、前日にパネルとパンフレットを届け、ついでに会場を下見。準備は、前日にスライドとOHPを選んだだけ。
当初の講演予定は、10:20-11:00。でも10:20になっても話を聞きに椅子に座っているのは、3人だけ。主催者から時間になったから話を始めるようにとの指示もなく、どう見ても話をする雰囲気ではなかったので、ブラブラしていました。もしかしたら講演中止かな〜、と思いつつ。10分を過ぎて、主催者側も何かしなくてはと思ったらしく、呼び込みを始めました。それでも椅子に座っているのは、さくらを含めて10名弱。ここでようやくとりあえず話を始めろとの指示があって、話を開始。
講演内容:基本的には、スライドで鳥を見せながらの、大和川河口部を中心とした水鳥の解説。ユリカモメの解説に時間を多めにさきました。
反省:会場は、区民ホールをパネルで区切って、椅子を並べただけ。すぐ外では他の出展がいろいろあって、その関係もあって真っ暗にはできません。おかげでスライドがあまり見えない…。さらにマイクで話をするので、声がホール全体に響き渡る。話を聞きに来ていない人にも声は聞こえるわけで、とってもやりにくい。反省するとしたら、この事態を予想しなかったことでしょうか。
タイトル:「野生動物や環境保護を中心とした博物館の調査研究」
場所:大阪市立自然史博物館集会室
聴衆:10名
経過と準備:知人を通じて頼まれました。当初は、講義に来て欲しいと言われましたが、講義をしにいくのは現在のシステム上難しいので、博物館に来てくれたら…。と言ったら、来ることに。あとは乗りかかった船。環境関連のコースの生徒さんということで、タイトルのような話題をリクエストされました。
講演内容:ホームページを映写しながら、博物館の活動や学芸員の仕事、そしてもっぱら自分の関わっている調査を紹介。約1時間話をしたあと、研究施設を中心に裏方を案内しました。今話題のカミツキガメも見せました。
反省:気楽にあまり脈絡なく、話をしただけ。おとなしく聞いていてくれましたが、満足してもらえたかは謎。
タイトル:「鳥類レッドデータブック」
場所:大阪市立自然史博物館集会室
聴衆:約20名弱
経過と準備:だいたい3年に一度程度頼まれます。お題も先方からいただく感じ。今回は、この春に出版した「近畿地区 鳥類レッドデータブック」を紹介して、販売しろというありがたい申し出でした。内容は、昨年に博物館の自然史講座で話した内容に、少し手を入れた程度。準備は前日の夜だけ。
講演内容:今までの世界、日本、都道府県のレッドデータブックを紹介。その問題点と、近畿の鳥のレッドデータブックで目指したコンセプトを説明。あとは、レッドデータブックを作り方を苦労話と共に解説して、できあがりのレッドリストを示す。今後の課題と今回のRDBの意義を話して終了。
反省:2回目のネタだけあって、楽に話せました。ただし、高価な「近畿地区 鳥類レッドデータブック」を買わなくっても、HPを見たらOKと言ってしまったので、本は1冊も売れず。
タイトル:「2002年の大阪市内の都市公園で繁殖する鳥調査」
場所:大阪市立自然史博物館会議室
聴衆:大阪鳥類研究グループの会員、16名
経過と準備:。
講演内容:。
反省:。
●2002年6月11日 19:00-21:00 自然史カレッジ@OCAT 街の生きものウオッチング
タイトル:「街で暮らす鳥たち」
場所:大阪市立難波市民学習センター(なんばOCATビル4階)
聴衆:約30名
経過と準備:一回、博物館以外の会場を使って、有料で(といっても資料代だけでっすが)、平日の夜に、シリーズ講義をしてみようということになりました。初めて尽くしの企画で、春に生物シリーズ、秋に地学シリーズをやってみて。その経験を基に、今後の展開は考えよう、といった感じです。例によって持ちネタを話すだけなので、準備は前日1日のみ。それも主にスライドのセレクションだけ。
講演内容:大阪鳥類研究グループで行なった大阪市内の公園で繁殖する鳥の調査結果(および現在進行形の調査の様子)を混ぜつつ、市街地で繁殖する鳥を、スライドなどを使って紹介。
反省:何度も何度も、ここ数年何度もいろんな形で話たネタだけに、とっても気楽に話ができました。反応も悪くはなかった感じ。けっこう質疑で盛り上がりました。
タイトル:「大阪の市街地で繁殖する鳥」
場所:大阪市立自然史博物館講堂
聴衆:?名(100名弱かな?)
経過と準備:ここ数年、毎年学芸員が担当して話をすることになっています。重要な友の会の会員勧誘の機会です。今までに色々な機会に話すときに使ったOHPと、関係するスライドをいくつか選んだだけ。すでに手持ちのネタを話すだけなので気楽です。準備は1日だけ。
講演内容:博物館で集めている大阪の鳥の情報や、大阪鳥類研究グループの調査結果を紹介。身近なを調べるのは楽しいよ、ってな感じ。最後に鳥の情報を募集して終了。
反省:身近な鳥をよく見てみようという話は受けたらしい。質疑で、単に生息地のプロットだけでなく、食性や繁殖結果についての情報もないと、”研究とは言えない”と言われました。ちょっとムカッとして、けんもほろろに言い返してしまいました。ちょっと言い過ぎたかも…。
タイトル:「冬の果実はいつなくなるか? 果実食鳥類の個体数の影響について」
「京阪神の越冬期のユリカモメの個体数変動」だったかな?
場所:大阪市立自然史博物館会議室
聴衆:学芸員、12名ほど
経過と準備:学芸員が順番に担当します。最初のはすでにある話。後のはこの冬に大阪鳥類研究グループで調査しているネタ。この機会にデータ入力をして、簡単な表にまとめました。準備は1日だけ。
講演内容:最初の演目は生態学会のと同じ。二つ目のは、この冬は2月頃に京阪神の内陸部でユリカモメの個体数が激減した、って話。
反省:学芸ゼミで小ネタ集をやるのは初めて。この程度が手頃な感じ。学芸員相手に力を入れてもね。
タイトル:「冬の果実はいつなくなるか? 果実食鳥類の個体数の影響について」
場所:東北大学川内北キャンパス
聴衆:大会参加者、約100名
経過と準備:毎年だいたい3月下旬に開かれます。前年の12月に講演申し込み、1月に講演要旨を送付(この段階ではデータ分析はしておらず、イントロめいたことを適当に書く)。今までになく準備時間がとれず、実質3日弱しか準備時間がとれませんでした。学会へ出発する直前になって、大あわてで、データを起こして、入力して、軽く解析して、図表を作って。
講演内容:要は7年分のデータで、果実が食べ尽くされるタイミングが、果実生産量と果実食鳥類の個体数で説明できるかを検討。
反省:準備不足。とくに、自分の中で充分内容を練る時間がなかった。その結果、講演時間をオーバー。その上、大事なことをいくつか言い忘れたし、大失敗の発表でした。
タイトル:「大和川の鳥と自然」
場所:平野区区画整理事業記念館(たしかこんな名称)
聴衆:連続講座参加者、約90名
経過と準備:毎年開かれている講座で、冬に連続6回で開講しているらしい。大阪市文化財協会経由で頼まれました。2週間前までに資料を送るように言われていたのに、5日前になってようやくレジュメを完成させて送りました。あとは、前日にスライドをセレクトしただけ。
講演内容:大和川の水質や鳥以外の動物相を簡単に紹介した後、大和川で見られる鳥を紹介。鳥は分類群ごとに紹介すると同時に、流域ごとにも紹介。あとはカワウやゆりかもめのカラーリングの話や、ササゴイの繁殖地、ハクセキレイの集団ねぐらの話も。
反省:参加者は年輩の方が多く、シリーズの他の演目が文系ばかり。ちょっと勝手の違う聴衆相手で、いまいち反応がわからなかった。友の会と博物館の宣伝は一応できたかな。
タイトル:「大阪府下の河川敷で繁殖する鳥の調査結果報告」
場所:大阪市立自然史博物館実習室
聴衆:大阪鳥類研究グループの会員を中心に、27名
経過と準備:毎年3月に開かれるサークルの総会で、会員の報告の一つとして話すことに。2001年にサークルで行なった調査結果の報告なのですが、ずーっと放ったままでした。直前になっても忙しくて、5日前になってようやくデータを起こして入力を開始。3日で入力して、1日で図表を作りました。
講演内容:まず調査範囲と調査参加者を報告。それから簡単に分布図が作成できて、分布にも興味のあるササゴイとイカルチドリについて、調査結果を紹介。
反省:とにかく準備に費やした時間が少なかった。データを入力して、どこど調査したかを示すので精一杯という感じ。できればセキレイ類3種の分布についても示したかったところ。