マスコミ顛末記2002

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2002年10月10日  NHK大阪

アクセス:電話があった。
取材:大阪でのヌートリアの生息状況?についての質問。まだネタ探しの段階らしく、あまり要領は得ない。
放送or記事:もちろん放送予定もなし。
コメント
<取材>
ホームページで見て、昨年淀川にヌートリアを観察に行った事を知り、電話をしてきたそうです。その割には、ホームページに書いてある事を読んでいるとは思えない質問が。ホームページのどこを見たのかが最大の謎。


2002年9月23日  読売新聞

アクセス:電話があった。
取材:アオサギは水に浮きますか?時々浮いているのを見かける。というやりとり。新聞社に写真を持ち込んだ人がいて、記事にする価値があるかどうかの確認らしい。数日前に写真を撮った本人からも、同様の問い合わせがあり。
放送or記事:記事になったのかは不明。
コメント
<取材>
例によって珍しいかどうかだけが問題に。


2002年8月14日  産経新聞

アクセス:いつのことか忘れたけど、突然電話があった。
取材:JR京都駅にチョウゲンボウが住みついているけど、珍しいかと尋ねられる。関東を中心に、市街地の人工構造物でのチョウゲンボウの繁殖が、広がっている。関西では、まだあまり例はない。と答える。
放送or記事:8月14日の朝刊の1面を飾る。写真2枚と一緒に、しっかり大阪市立自然史博物館の和田岳学芸員のコメントが載っていた。
コメント
<記事>
和田岳学芸員さんのコメントとして載っているのは「関西では冬場にまれに見られるが、真夏の都会で確認されたのは珍しく、今後も継続した観測が必要」だそうです。後半は許せるけど、”関西では冬場にまれに見られるが”は、明らかに間違いやし、そんなこと言ってない。関西でも冬の埋立地・農耕地・広い河川敷ではわりと普通に見られる、と言ったのに!


2002年7月29日  朝日放送「探偵ナイトスクープ」

アクセス:例によって突然電話がくる。
取材:自由研究でヌートリアを見たいとか。淀川の大阪市城北や枚方市磯島を教える。
放送or記事:放送はされたのかな?ちゃんと撮れたのかは知らない。
コメント
<取材>
出演はないので、気楽なもん。


2002年7月25日  毎日放送「むちのち」

アクセス:7月20日、毎日放送から電話があり、ドバトが寝る場所についての質問に答えた後、出演を依頼される。上司に相談すると出演して博物館を宣伝してこいって言うので、引き受ける。7月22日に打ち合わせと称して、電話とは別の人が来る。電話と同じ事を尋ねられて、同じ答えを返す。で、取材のための集合場所・時間を決めて解散。電話で十分な打ち合わせにわざわざ来る理由は不明。
取材:夕方、仕事が終わってから集合場所の梅田へ。現場に着くと、インタビュー役のタレントさんがまだとの事で駅前で待つ。タレントさんが来たので、駅前のドバトの群の前でインタビュー、と思ったらドバトが飛んでしまったので、今度はハト待ち。インタビューは、夜ドバトはどこで寝るんですか、建物とか橋の下とかですよ、で終わり。テイク2でOKが出て、すぐに帰る。
放送or記事:8月半ばに放映されたらしい。いつ放映か聞いてたけど、忘れていたので見逃す。
コメント
<取材>
インタビューの後、一緒にハトが寝てる場所を探してくれと言われたけど、それはさすがに断りました。
<放送>放送は見てないけど、親戚が見たらしい。出てるのに気付いてビデオをセットしようとしたら、もう終わったとか。その他に、とくに知り合いからの反響はなし。「探偵ナイトスクープ」とは、視聴率が違うんでしょうか。


2002年7月20日  朝日放送「探偵ナイトスクープ」

アクセス:館内で行事をしていたら、取材が来てるからといきなり呼ばれ、連れて行かれる。
取材:樽野学芸員にひっついて普及センターに行くと、長原探偵とカメラが待っていて、心の準備もないままいきなり出演させられる。
 でっかい亀甲石とやらの中から、謎の声がするとか。石が鳴くのを聞かせてくれるかと思いきや、ヘッドホンで「ケペキョッ」という音が。で、これは鳥の声かと聞かれる。鳥ではないなー、というと今度はカエルかと聞かれる。カエルが石の中にいるわけないやろ、と思いつつ、似た声を出すカエルはいるやろうてな答えを。降参かと言われてあっさり降参して終わり。
放送or記事:8月30日に放映されたらしい。聞かされてなかったので見逃す。
コメント
<取材>
とにかく心の準備もないまま、撮られてしまった。長原探偵は、今まで見た探偵の中では、普通の兄ちゃんって感じ。声をあまり張らないので、一般人の我々もなじみやすいってとこでしょうか。立原探偵とか小枝探偵とかは声を張るとから、怒ってるみたい。
<放送>放送は見てないけど、知り合いの多くは見ていたらしい。とにかく放映後しばらくは、会う人会う人にテレビで見たと言われる始末。長い間音沙汰のなかった高校の同級生からも連絡がきました。恐るべし探偵ナイトスクープの視聴率。
 それにしても、見た人に言わせると、何人かの学芸員が出演した中で、一番笑いをとっていたらしい。真面目に取材に応じていただけやのに、笑いをとったってどういうことやろう?どんな編集をされたのか、ちょっと不安です。


2002年7月19日  読売新聞

アクセス:電話がかかってくる。
取材:関西空港でカルガモの親子が観察されてたけど、いなくなってしまった。どこに行ったんでしょう?てな質問、海に出たのかもしれませんねー。と答えて終わり
放送or記事:どうなったか知りません。
コメント
<取材>
まあ、普通の電話取材でした。


2002年6月1日  読売新聞大阪本社奈良支局

アクセス:前日に電話があり、持ち主はニホンオオカミかもと言ってるけど、素人目にもオオカミの類ではない毛皮がある。写真を送るので見てくれるかとのこと。正体がわかるとは限らないが、送ってもらえば見てみると答える。
取材:写真が届いて見てみるとすぐにわかりました。オオヤマネコ(Felis lynx)の毛皮でした。黒い房毛の付いた耳、短くて先端が黒い尾、胴体にほとんど斑点がないなど、わかりやすい毛皮でした。との返事をメールで送る。毛皮は、北海道出身の祖父の持ち物だったのを嫁入り道具として持ってきたそうです。産地や採集年がわからないのが残念。
放送or記事:ニホンオオカミではないので、記事にはならないでしょう。持ち主に正体を報せるそうです。
コメント
<取材>
ちゃんとこちらの都合を確認してから、送ってくる。当たり前ですが、いきなり送りつけてくる相手もいるので、評価は高いです。


2002年5月31日  テレビ大阪「Qっと!サイエンス」

アクセス:5月23日にいきなり返答期限のついたFAXが送られてきました(というか来ていたのに、しばらく気付かなかった)。視聴者からの疑問への答えの監修をしてもらえますか?との問い合わせ、のようで、一緒に制作側で作成した答えの原稿案も付いていました。とりあえず、監修してもいいですよ、という答えを求めているのかなー、と思ったまますっかり忘れてしまいました。
取材:で、監修結果はどうなった?という電話がかかってきました。ちなみに質問の内容は、「どうして渡り鳥の群れはV字型に並んで飛ぶの?」というもの。空気抵抗の関係で、一番消費エネルギーが少ない、てな答えがすでに作成されていました。大筋で間違いではないと思います。と返答しておきました。
放送or記事:7月の放送分らしいです。
コメント
<取材>
すでに答えが出来ているのに、何の目的で問い合わせてきたのかよくわかりませんでした。何となく権威のありそうな回答者を捜していただけではないでしょうか。回答者として、博物館の名前を出すというので断りました(必ずしも断言できない事まで断言してある答えなので、自分の回答と思われたくない!かといって、断言はできないが…、てな答えを使いそうになかったので)。


2002年4月17日  朝日放送「探偵ナイトスクープ」

アクセス:突然電話があり。当館はナイトスクープ御用達なので、よくあります。
取材:コジュケイを見てみたいという依頼があったという。何でも父親に、コジュケイの”チョットコイ”という声に付いていくと、行方不明になるとか言われたらしい。
放送or記事:いつ放送かな?コジュケイがうまく見られるか次第かも。
コメント
<取材>
とりあえず、コジュケイがどこにいるか(大阪周辺の山手なら、だいたいどこにでもいる)、どうやったら見られるか(声を聞くのは簡単やけど、姿を見るのは難しい)、という話をした。これから取材に行って、とりあえず一日ねばるつもりとか。その後、再び連絡があり、奈良にある近畿大学のキャンパスで撮影に行くことになったとか。


2002年4月12日  毎日新聞社会部

アクセス:突然電話があった。
取材:伊丹市昆陽池のカワウの偽卵作戦は、国内最初の事例か?これでうまくいくか?カラスが偽卵を持っていくそうだが、どんな対策が考えられるか?
放送or記事:どうなったのか知りません。
コメント
<取材>
もっと詳しい人を紹介しようとしたけど、あまり紹介して欲しくなかったようです。不思議。ちなみに偽卵作戦は、今までに120個を偽卵に入れ替えたけど、20個はカラスに持って行かれたそうです。


2002年4月10日  朝日新聞大阪本社科学部

アクセス:前日に電話があり、「近畿地区・鳥類レッドデータブック」について取材したいとのこと。「近畿地区・鳥類レッドデータブック」の作成には、編著者の一人として参加しました。
取材:「近畿地区・鳥類レッドデータブック」のコンセプトや、ホームページを活用したフォローについて取材を受ける。
放送or記事:5月20日の夕刊に掲載されました(大阪ローカルかな?)。新聞を送ってきて下さいました。記事は、うまいことまとめてくれてありました。幸い名前はでていません。これで少しは売れるかな?
コメント
<取材>
1994年に近畿地方の鳥類のレッドデータブックを作成するために研究会を立ち上げたことが、朝日新聞に載ったらしい(掲載は1995年)。8年ほど経って、ようやくそのフォローができると言ってました。過去の記事のフォローをするとは、たいしたもんです。これが宣伝になって、本がたくさん売れるかな?でも5000円もするから無理かな…。


2002年3月6日  サンケイ新聞

アクセス:前日に電話があり、写真を持ってくることになる。
取材:奈良県川上村で撮影されたという写真がオジロワシかとのこと。小さくぼんやり写った写真を見た限りでは、オジロワシのよう。
放送or記事:とりあえずもう少しましな写真でないと記事にはならないでしょう。
コメント
<取材>
新聞社から写真を見ての同定を依頼されることは多いけど、こんなに出来の悪い写真は初めて。読者からの持ち込み写真だそうですが。


2002年3月1日  ラジオ大阪

アクセス:笑福亭ゆうへい(漢字がわからない。名前が違う可能性も。違ってたらごめんなさい)という方から電話がかかってくる。番組名は不明。
取材:ウグイスの囀りは、春先には下手やけど、だんだん上手になる。これはどうしてか?という質問。わからないので、ウグイスの研究で知られた埼玉県の某高校の先生をこっそり紹介。
放送or記事:数日後、放送されたらしい。
コメント
<取材>
昨年生まれのがだんだん上手になっていくのか。大人でもブランクがあると練習が必要なのか。と、こちらが答えようかと思っていることを先に言われて、言うことが残ってなくて。かといって研究例も知らないし。というわけで、ウグイスの専門家にふりました。Sさんごめんなさい。
<放送>放送自体は聞いてないけど、放送の直前に紹介の仕方などについて、もう一度確認の電話がありました。紹介した先方は好意的に取材に応じてもらえて、取材はうまいこといったそうです(Sさん、ありがとう!)。


2002年3月1日  NHK(の下請け)

アクセス:制作会社の方から電話がかかってくる。番組名は不明。
取材:カモメ類は、他の鳥よりも急降下や旋回能力がすぐれているか、という質問。器用に飛ぶけど、他の鳥(たとえばカラスやヒヨドリ)に比べてずば抜けてすぐれているわけではない。と答えてみました。
放送or記事:このネタはボツやないかな。番組になるとしたら「日本人の質問」?
コメント
<取材>
意図不明のどう答えたらいいのかわからない質問でした。質問の背景をはじめに説明してもらわないとね。


2002年2月20日  毎日新聞阪神支局

アクセス:突然電話がかかってくる。追ってメールでも問い合わせ。
取材:武庫川で黄89のリングを付けたユリカモメが読者に撮影されたそうです。この個体は今まで(及びこの冬)見つかった中で、一番古くに付けられたものかといった質問。
放送or記事:2002年3月1日の毎日新聞の阪神地域面に掲載されました。和田学芸員のコメント付きで載るとのことでしたが、記事が短くなったために、名前は載らず。
コメント
<取材>
黄89は1982年度に標識された個体。同じ年度に標識されたユリカモメが他に2羽確認されている。年齢にすると20歳以上。昨冬には1979年度に標識された個体が確認されているのが、一番古い記録。ヨーロッパでは、32年1ヶ月の記録があるとか(Cramp & Simmonds 1983)。
 すでにユリカモメの専門家への問い合わせをしていましたし。メールで記事の書き方の問い合わせがあり、記事に名前を付けていいか確認してくれました。丁寧な取材と言っていいでしょう。
<記事>名前は載らなかったことについて、記者の方からはお詫びの手紙が来ました。こちらとしては載らない方が嬉しいのですが‥。内容は、まあ特に問題なしってとこでしょうか。


2002年2月7日  NHK

アクセス:突然電話がかかってくる。
取材:武庫川でユリカモメを撮影したんだそうです。ユリカモメはいつまで近畿に滞在して、どこに帰っていくのかについて質問。
放送or記事:いつかは知らないけど、近畿地方のニュースで軽くふれるとか。
コメント
<取材>
ユリカモメが、近畿にいるのはおおむね4月の終わり頃まで(もっと早く動き始めるけど、また大阪湾では越夏個体もいるけど)。カムチャツカ半島との間で行き来があることが知られています。きっと、これを単純化してコメントするんでしょう。
<放送>放送したのかな?もし聞いた人がいたらどんなんやったか教えてください。


2002年1月20日  毎日小学生新聞

アクセス:テーマ別自然観察会「湖北の冬鳥」に普通に申込み。当選のはがきを送ってから、取材も兼ねたいとの連絡がある。1月24日に電話で追加取材を受ける。
取材:普通に観察会に参加。取り立てて取材っぽい質問もなく、言われてなければ取材を兼ねているとはわからなかったと思う。
放送or記事:2002年1月31日の毎日小学生新聞の1面をすべて占領していました。わざわざ2部送っていただきました。
コメント
<取材>
普通に観察会に申し込んできて、普通に参加するという取材は初めてでした。とりたててマスコミを意識することもなく、取材を受けた気もしない。もし抽選にもれて、観察会に参加できませんとの連絡をしてたらどうなってたんでしょう?
<記事>カイツブリがそんなにたくさんいたかな?とか、あんまりカモ類は印象に残らんかったんやねとか、思いましたが、とくに鳥に関しての記述で間違いは見あたらず。好意的にきれいにまとめて頂いた感じです。それにしてもいつの間にか子ども達に取材していたようです。そういえば唯一気付いた間違いは、みさとさんの参加は初めてやないってことです。観察会前半で主役だったオオワシがまったく出てきませんが、これは別の記事になる予定だそうで。期待しましょう。
 その後、オオワシも別の記事になったそうで、新聞が送られてきました。今度は毎日中学生新聞の2002年2月20日号。これは観察会とは関係なく、とくにコメントもありません。


2002年1月12日  大阪ケーブルテレビ「OSAKAほっとタイム」

アクセス:年末の仕事納めの二日前に突然、1月12日の行事「植物園案内・動物編」に取材が来ることになったとの連絡が、はるか上の方からくる。で、取材の時の台本を作るから、行事と見られそうな鳥の解説の原稿をよこせと言われる。台本を作ってもアドリブで話すだけなので、無駄と思いつつ適当に書いて渡す。年が明けて台本を見せられる。なんと台詞は3パートに分かれていて、正味で合計800字ほどもある。こっちは役者やないから、こんな長い台詞がおぼえられるかー!と思って、本番ではアドリブで質問に答えると宣言。
取材:行事開始30分前に取材陣が到着。すぐにインタビュー部分を収録。来たのは、インタビュアーの女性と、ディレクターとカメラマンの男二人の合計三人。4分ほどのインタビューなので、一度リハーサルをして時間を計ってから本番。テイク2でOKがでました(ちなみにテイク1でとちったのはインタビュアーさんの方でした)。その後は、観察会についてきて行事風景や鳥を一緒に観察・撮影していました。
 2月6日、ビデオが送られてきて、撮影した鳥の種名を返事した。カワセミはきれいに撮れていた。
放送or記事:2月の初めに放映されるとか。
コメント
<取材>
取材前のやりとりから、どんな面倒な取材なのかと思ったら、いたって感じのいい取材でした。時間の無駄でしかない台本作りにこだわっていたのは、間に入ってた誰かなんでしょう。これなら電話での短い打ち合わせだけで充分。
<放送>ビデオは見たけど、放送は見ていません。見た人曰く「テレビ映りが悪いな」だとか。


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