皮むき日記

2004年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月、12月


(注)ここで行っている皮剥きなどの標本作成は、調査研究目的(及び普及教育目的)で、大阪市立自然史博物館の業務の一環として行っています。またその対象は、この目的で殺したものではなく、事故などで死んだものを用いています。動物虐待ではないかとの指摘があったので、念のため。

和田の鳥小屋のTOPに戻る


2004年12月23日  ゴマフアザラシ
 なにわホネホネ団の活動。マイルカの骨を掘り出して洗う班と、ゴマフアザラシの皮むき班に分かれました。

・ゴマフアザラシ(OMNH M■:1987年5月、北海道釧路市産)
 でっかいです。重いです。そして脂の層が死ぬほど厚い! あと、鰭を剥くのが大変。一日かかって剥いたら脂ギトギトになりました。
 穴だけの耳、短い尾、いろいろと目新しい動物です。

2004年12月13日  タヌキ
 タヌキとテンの皮の処理の続き。洗剤から出して、洗って、なめし液へ。

・テン(OMNH M836:2004年4月、大阪府箕面市産)
・テン(OMNH M837:2004年5月、奈良県五條市産)
・タヌキ(OMNH M838:2004年11月、大阪府泉佐野市産)
・タヌキ(OMNH M839:続き)
 タヌキはともかく、テンはどちらも腐っていたので、皮も傷んでいます。この段階でけっこう毛が抜けていく…。でも、なんとか黄色い部分は残りそう。

2004年12月11日  シロハラ、タヌキ
 なにわホネホネ団の活動。シロハラ2羽、タヌキ2匹、テン2匹の皮むき。シロハラは初めての団員に教えながら剥いて、自分で剥いてもらいました。初めての鳥の皮むきとは思えないくらい上手でびっくり。鳥の持ち方が初心者とは思えない。タヌキの片方も、初心者二人組に剥いてもらう予定が、メスを持たしたら死ぬほど下手。怪我したら困るので、まずは他の人の作業をよーく見てもらったら、少しはましになったけど…。
 タヌキとテンは、皮を剥いて、皮の脂肪除去をして、洗剤に浸けました。

・シロハラ(OMNH M2822:2001年4月、大阪市天王寺区産)
 初心者に見せるお手本なので、ずーっと見られてて失敗できないので、ちょっとプレッシャー。手際よく綺麗に剥いて威張ろうと思ったけど、脂肪蓄積がものすごく多くて、予定よりも時間がかかってしまいました。

・タヌキ(OMNH M839:2004年12月、大阪府枚方市産)
 もう一人と一緒に剥きました。っていうか、後ろ足の片一方と尻尾を剥くとこだけ押しつけられた感じ。胴体から頭という楽しいところを持って行かれた…。とても新鮮なタヌキでした。きれいな皮にできそうです。

 ちなみにここに登場したホネホネ団員は4人とも小学生。皮むきの上手下手に年齢は関係ないようです。

2004年11月27日  イノシシ
 イノシシの皮の処理の続き。

・イノシシ(OMNH M829-M834:続き)
 25日にようやくなめし液から出して、広げる。すーっかり忘れていました。そろそろ皮を引っ張ってみようかと思ったけど、まだあんまり乾いていないので、まだ明日にでも。

2004年11月7日  ノゴマ
 大人のホネホネ団の活動で、鳥の皮むき。他にスズメとシロハラを剥きました。

・ノゴマ(OMNH A2820:2004年11月、兵庫県神戸市産)
 綺麗な雄です。喉の赤が鮮やか。渡りの途中で脂肪をパンパンに蓄積しています。腰にキズがあって、何かに襲われて死んだ感じです。

2004年11月5日  イノシシ
 イノシシの皮の処理の続き。

・イノシシ(OMNH M829-M834:2004年10月、兵庫県豊岡市産)
 洗剤液に浸けてあったのを取り出して、4枚の脂取りの仕上げと、2枚の脂取り。脂がたくさん付いているのはゴシゴシとけっこううまく脂が取れます。が、脂の層が薄いとけっこうやりにくい。脂取りの難易度は、タヌキよりは面倒で、アナグマくらいのイメージか。ウリ坊を少し大きくしたくらいのイノシシでこれなので、大人イノシシは無理かも。注意点としては、あんまり強くしつこくゴシゴシすると、皮の裏から次々と毛が抜けるので、力を加減すること。
 ぜんぜん関係ないけど、それぞれの皮につけてた標本番号を書いてたラベルの字が、薄くなってほとんど読めなくなっててあせったー。鉛筆書きはアカン! 幸いかろうじて読めた文字と、剥き方の特徴で、どれがどれかわかりましたが…(一枚一枚足先の剥き方が個性的〜)。

2004年11月3日  タヌキ
 なにわホネホネ団の活動。マカジキの頭を煮て骨格標本にするのがメインやったけど、あっちでイノシシの皮をゴシゴシしたり、こっちでアカネズミやウシガエルの骨格標本を作ったり。で、私はタヌキの骨取り。煮たまま放ってあった皮なしタヌキを取り出してきて、処理。

・タヌキ(OMNH M799:2004年10月、大阪府柏原市産)
 とりあえず肉を除去して、もう一度煮て、さらに肉をとる。煮すぎるとバラバラになるので、加減して煮るを繰り返してる感じ。まだ肉は残ってるけど、まあいいかー。ってことでやめ。
 交通事故死したタヌキらしく、骨はバラバラ。肋骨もバラバラ。と思ってたら、よーく見ると折れてない骨にも変な形のがあちこちに。どうやら以前にも骨が折れて、それが変な形にひっついているようです。隣同士の肋骨が癒合している箇所まである。かなりの骨に骨折跡があるので、今までも何度も交通事故にあってるか、かつて死にかけるくらいの大事故にあって回復したらしい。

2004年10月30日  イノシシ
 なにわホネホネ団の活動で皮むき。剥いたのは、イノシシ6匹。意外と手間取って、皮を剥いて、骨から肉をできるだけ除去して、皮の脂取り…の途中で時間切れ。とりあえず、全部冷凍して終わりました。
 あと、先日剥いたタヌキの中身を煮ました。こちらも煮ただけで洗うのはまた今度。

・イノシシ(OMNH M834:2004年10月、兵庫県豊岡市産)
 タヌキよりちょっと大きい程度の子どものイノシシ。すぐに剥けると思いきや、足先で手間取りました。シカと違って指が4本しっかりあるし。なんか食肉類と勝手が違って剥きにくい…。おかげで、イノシシの足先をじっくりながめることができました。今度から、野外で足跡を見るときにも役立つかも。

2004年10月27日  コマドリ、センダイムシクイ
 鳥の皮むき。

・コマドリ(OMNH A2817:2002年11月、兵庫県神戸市灘区産)
 雄の幼鳥ですが、とっても綺麗です。中身は、脂肪でパンパン。指がベタベタになって剥きにくい。

・センダイムシクイ(OMNH A2818:2002年8月、大阪市東住吉区産)
 コマドリと比べると、とても小さい鳥です。長さはコマドリの2/3位ですが、重さは1/4ほど。小さいから、細かいところは少し剥きにくいけど、早く剥けます。

2004年10月25日  ウグイス、イワツバメ
 鳥の皮むき。

・ウグイス(OMNH A2815:2004年5月、和歌山市産)
 なぜかエゾムシクイとして受入がされていて、大きなエゾムシクイが出てきてびっくりしました。受け取った時、寝ぼけてたに違いない‥。

・イワツバメ(OMNH A2816:2002年6月、大阪府高槻市産)
 大阪府では数少ないコロニーで拾われた個体です。足の指先まで白い毛が生えていて、かわいいです。

2004年10月24日  ヒレンジャク、キンバト
 鳥の皮むき。

・ヒレンジャク(OMNH A2813:2003年2月、大阪市東成区産)
 脳内出血があったのでおそらく窓ガラスか何かへの衝突死でしょう。そのうにはトウネズミモチの果実が6つ。

・キンバト(OMNH A2814:2003年6月、沖縄県西表島産)
 あちこちの皮が破れてるし、胴体の骨もグチャグチャ。下嘴がこわれている様子などからすると、とりあえず衝突して、それから車かなにかに踏まれたらしい。そのうには大きな種子が3つと、小さな種子が3つ。さすがに西表島の果実の種子はさっぱりわからないけど、大きな種子はユズリハの種子みたいなの。

2004年10月20日  ヒヨドリ、ハシブトガラス
 鳥の皮むき。

・ヒヨドリ(OMNH A2810:2004年8月、茨城県石岡市産)
 精巣の大きな立派な雄です。なんか喉の下まで、赤い部分があるのは、大阪のヒヨドリと違う気がする。

・ハシブトガラス(OMNH A2811:2004年10月、奈良県室尾村産)
 どうやら車にでも轢かれたらしく、胸と腹にキズがあるほか、頭骨バラバラで、内蔵もバラバラ。生殖巣がどれかわからんし、頭の皮が剥きにくい。それでも皮は比較的きれいな状態で、仮剥製になってみるときちんとしてる。

2004年10月13日  スローロリス、ニホンザル
 干してあった皮を引っ張る。いずれも、まだ手足の先しか乾いていない。

・スローロリス(OMNH M767:続き)
 小さいくせに、意外と皮が厚い感じ。やわらかくなるかな〜。

・ニホンザル(OMNH M769:続き)
 この個体は、小さい仔なので、皮が薄い。パリパリになりそう。

・ニホンザル(OMNH M770:続き)
 成体の立派な雄。皮の感じはタヌキに近い。同じような皮にできそうな予感。

2004年10月11日  タヌキ
 なにわホネホネ団の活動で皮むき。剥いたのは、タヌキ4匹。皮の脂取りをして、洗剤液に浸けるところまで。内、1頭は胃内容を見てみました。カキの皮と種子が出てきたほか、セミやムカデなどいろいろ出てくる。驚いたことにヒミズらしき皮まで出てきた。ただし、骨は見あたらなかった。皮だけくったのか?
 あと、先日剥いた後、なめし液に浸けてあったサルたちを新聞紙に広げる。

・タヌキ(OMNH M797:2004年1月、京都府井手町産)
 久々のタヌキ。久々だからか、指先の処理に手間取る…。皮むきに2時間近くかかってしまった。まあ、頭がぐしゃぐしゃだったってのもあるけど。

2004年10月1日  スローロリス、ニホンザル
 洗剤液に浸けてあった皮を取り出し、脂除去をしてから、なめし液へ。

・スローロリス(OMNH M767:続き)
・ニホンザル(OMNH M769:某動物園より)
・ニホンザル(OMNH M770:某動物病院より)
 いずれも、タヌキと同じようにゴシゴシして脂がとれるので割と楽。ニホンザルの皮も毛も丈夫で、力をこめて処理しても、とくに抜けることはなさそう。スローロリスはちょっと微妙な感じやけど、まあ大丈夫。

2004年9月30日  スローロリス
 なにわホネホネ団の活動で皮むき。サル特集で、剥いたのはスローロリス、ブタオザル、ニホンザル。

・スローロリス(OMNH M767:某動物園より)
 原猿類だけあって、サルのようでサルでない、おもしろい特徴がいっぱいです。まず爪は平爪なんやけど、後ろ足の人差し指だけカギ爪。その上、サルのくせに陰茎骨がある! あとは、前足の指では人差し指が一番短いとか、外からは膨らみ程度しかないけど尾椎がちゃんとあるとか、発見がいっぱいで楽しい。そして、なにより発見は、普通の哺乳類は皮を剥かれた頭は恐いのだけど、スローロリスは皮付きよりもむしろかわいい。

2004年9月29日  ヒガラ、シジュウカラ
 鳥の皮むき。

・ヒガラ(OMNH M2800:2002年11月、兵庫県神戸市産)
・シジュウカラ(OMNH M2801:2001年6月、大阪府堺市産)
 並べてみると、大きさの違いが歴然とあります。が、ヒガラは短いだけで、胴体の太さはあまり変わらない気がする。どちらも口があまり開かなくて、口の中の色が見にくい…。

2004年9月28日  オオルリ
 鳥の皮むき。

・オオルリ(OMNH M2798:2003年5月、北海道美唄市産)
・オオルリ(OMNH M2799:2003年5月、北海道美唄市産)
 M2798が雄で、M2799が雌。一緒に拾われたらしいのですが、つがいかどうかは不明。マイブームの口の中を見てみると、どっちも黒っぽい。どちらも季節柄、成鳥なんでしょうが、幼鳥の口の中の色はどうだったっけ?

2004年9月27日  コゲラ、ヤブサメ、ハクセキレイ
 鳥の皮むき。

・コゲラ(OMNH M2795:2003年6月、京都府加茂町産)
 雄で、頭骨の気室化の程度からして幼鳥らしい。頭に数枚だけ赤い羽があります。

・ヤブサメ(OMNH A2796:2003年10月、大阪府箕面市産)
 死体の時はわからなかったけど、頭を踏まれるか何かしたらしく、左頭部にキズがあって、頭骨はペロペロに割れていました。おかげで、あまり可愛くない顔になってしまった…。

・ハクセキレイ(OMNH A2797:2003年6月、大阪府富田林市産)
 皮を剥く前から臭っていて、腐ってるけど皮は剥けるかな? と思っていました。予想通り、肉が腐っていて、皮を剥いているととても臭い。でも、なんとか皮は剥ける。と思ったけど、腰から後ろは皮まで腐ってて、でもどうにかごまかして…。というわけで、大変でした。それでも、乾いてしまえば、ちょっと臭うだけで、とくに違和感はないんだろうな〜。
 ところで、このハクセキレイの口の中は、真っ黒でした。内蔵が腐っていて生殖巣は確認できませんでしたが、羽衣からするとおそらく雄。ハクセキレイの雄の口の中はセッカ同様黒いのか、それともハクセキレイはカラス同様成鳥になると口の中が黒いのか。あと数個体ハクセキレイの死体があるので、剥いていけばわかるでしょう。

2004年9月26日  キジバト、シメ、エゾムシクイ
 鳥の皮むき。

・キジバト(OMNH M2792:2004年2月、大阪市東住吉区産)
 そのうに食べた物がいっぱい入っていました。圧倒的にクスノキ種子が多くて、あとはアキニレ種子やトウネズミモチ種子など。

・シメ(OMNH A2793:2004年3月、大阪市東住吉区産)
 夏羽になりかけの雄です。くちばしはピンクの部分と青みがかった部分のまだら。頭骨の目の後ろには縦にしっかりした筋肉がついています。太い嘴を動かすのに使うんでしょう。嘴の長い鳥も頭骨に筋肉がついていますが、それはもっと後頭部と、ついている部位が違っています。

・エゾムシクイ(OMNH A2794:2004年9月、大阪市天王寺区産)
 寄贈を受けたときには種名に自信がなかったのですが、皮を剥くにあたってよーく調べて、エゾムシクイに決定。細めですがはっきりと翼帯が2本出ています。

2004年9月25日  ズグロミゾゴイ、リュウキュウコノハズク
 鳥の皮むき。

・ズグロミゾゴイ(OMNH M2790:2004年7月、沖縄県西表島産)
 初めてゆっくりとながめることができました。からだの各部分に色々な模様があって、地味に綺麗。脚の特に裏側が、妙な黄緑色なのが印象的。やはりサギ類らしく、胸には紛綿羽があります。皮を剥くと、肉がとても水っぽくてやりにくい鳥でした。シラミバエを2匹GET!

・リュウキュウコノハズク(OMNH A2791:2004年8月、沖縄県石垣島産)
 車に衝突して死んだ個体だそうで、左目が破裂して、周辺が血ですっかり汚れています。でも、その他はきれい。小さくてフワフワでかわいい鳥です。

2004年9月23日  ジャワマングース、シママングース、イタチ、オオシロハラミズナギドリ
 なにわホネホネ団の活動で皮むき。剥いたのはジャワマングース、シママングース、マレージャコウネコ、イタチ。その他、ジャガーの骨を洗って、カラカルも煮て骨洗い。途中で到着したオオシロハラミズナギドリも処理。

・ジャワマングース(OMNH M763:2003年、鹿児島県奄美大島産)
 ホルマリン浸けの状態で寄贈してもらって、1週間ほど水洗していました。が、皮を剥いてみると中はまだまだホルマリンくさい。目が痛い…。その上、肉が堅くなっていて、姿勢が変わらないので剥きにくい。ただ、皮も固くなっているので、すでになめし液に浸けたみたい。イタチ科とはけっこう形態が違うなーとは思うけど、ジャコウネコ科とどう違うかはよくわからない。ハクビシンもこんな感じやったけどなー。

・シママングース(OMNH M765:某動物園より)
 足先と尻尾の皮むきを手伝いました。ジャワマングースもそうやったけど、指先に肉球というものがないらしい。皮膚が裸出して堅くなってるけど、ほとんどふくらまず、中にも脂肪が入っていません。おかげで指先が剥きにくい。ジャワマングースでもそんな傾向があるけど、こっちの方がはるかに、尻尾の根元がとても太くて、全体に扁平。先まで太めなので尻尾はわりと剥きやすい。
 剥いた後、煮込んで骨に。煮込み時間は、剥いたままの状態で約2時間。肉がとれて、骨がばらけないちょうど頃合いでした。

・イタチ(OMNH M766:某動物園より)
 これは煮あげて骨洗いしただけ。煮込み時間は、剥いたままの状態で約1時間半。これでは少し肉が取りきれないので、ある程度肉を取ってから10分ほど煮足しました。シママングースと頭骨を比べると、イタチの方が歯が少なく、頭蓋は扁平で、特殊化が進んでいる感じ。これなら道に頭骨が落ちていても、イタチかマングースかはすぐにわかりそう。

・オオシロハラミズナギドリ(OMNH A2789:2004年9月、大阪府河内長野市産)
 某新聞にも掲載された大阪府初記録の個体。皮を剥いてみたいと言ったら、皮むきの途中で止めて持ってきてくださいました。嬉しいなー。ハジラミが多数、長いのと丸いのの少なくとも2種。あと、ミズナギドリ類というか海鳥特有の匂いが漂いました。頭骨の気骨化は完成していないようで、左右に楕円のウインドウが残っています(SOランクはCといったところ)が、長い時間をかけて成熟する海鳥では、何歳と判断するのかよくわからなかった…。

2004年9月4日  カラカル
 皮をひっぱる。続き。

・カラカル(OMNH M747:続き)
 やっぱり皮の感じはタヌキなみ。乾き具合も頃合いで、気持ちよく白い皮になっていきます。

2004年9月3日  カラカル
 一昨日、なめし液から出して、新聞紙の上に広げておいた皮をひっぱってみる。

・カラカル(OMNH M747:続き)
 足や周辺部は引っ張るのにちょうどいいくらいの乾き具合。皮の感じはタヌキ並の厚さで、引っ張って白くなるし、扱いやすい。頭と背中の真ん中はまだ乾きが足りないので、続きはまた明日。

2004年8月28日  ヤマシギ
 大阪鳥類研究グループの行事で、模範演技としてヤマシギの皮むき。

・ヤマシギ(OMNH M2775:2004年3月、沖縄県西表島産)
 採集場所が採集場所なだけに、じっくり見てみたけど、アマミヤマシギではないらしい。ちょっと残念。ものすごく脂肪をたくさん蓄積していて、皮むきしにくい個体でした。
 時間も人手もあったので、胃内容物を見てみました。ゴキブリの幼虫が何匹かと、クモ、甲虫(ゴミムシダマシ?)の幼虫、ミミズがでてきました。長い嘴で土の中の生き物を食べているかと思いきや、落ち葉をかき分けた辺りにいる虫をよく食べているようです。

2004年8月26日  カラカル
 カラカルの処理の続き。剥いて洗剤液に浸けてあった皮を取り出し、洗って、さらに脂と肉の除去をしてから、なめし液へ。

・カラカル(OMNH M747:某動物園より)
 昨日は、カラカルにさわれなかったので、じっくり見るのはこれが初めて。耳の毛が長い〜。あと、体毛は意外と濃くって、腹には斑点があります。大きめのアビシニアンと思ってたけど、少し違うらしい。

2004年8月25日  ヒョウ、ジャガー
 なにわホネホネ団の活動で、やっぱり朝から12時間ほど、処理はカラカルの皮むきと、ヒョウとジャガーの皮の処理。ジャガーの骨も煮てみました。

・ヒョウ(OMNH M741:続き)
・ジャガー(OMNH M743:続き)
 いい頃合いに乾いてきたので、脂と肉を除去しつつ、ゴシゴシして折り曲げて柔らかくする作業(皮が厚くて、タヌキのようには引っ張れない)。ヒョウとジャガーは、大きさが少し違うだけだが、この違いが皮の処理では大きく違ってくるのを発見。ヒョウは乾きが早いし、皮が薄めでなめし作業がしやすく、なにより脂も除去しやすい。それに引き替え、ジャガーは、乾きは悪いは、折り曲げるのは大変だわ、それに脂がしつこい! 尻尾をはじめ、脂がしつこく付いている部位は、ノミでこすって取るしかない感じ。
 それでもジャガーの皮は大きくて綺麗。おおむね脂がとれて、皮が柔らかくなったので、かぶってみました。ヒョウは子どもしかかぶれませんが、ジャガーは大人にピッタリ! 下顎の皮を顎にひっかけて、頭を入れると、目から外が見えます。もう気分はタイガーマスク。
 ところで、ジャガーの肉付きの骨を煮ると、とてもおいしそうな臭いがしました。経験からすると、このような臭いの肉は食べられます。残念ながら味見はしませんでしたが。

2004年8月21日  ヒョウ、ジャガー
 なめし液から出して、新聞紙に広げる。

・ヒョウ(OMNH M741:続き)
・ジャガー(OMNH M743:続き)
 広げて並べると、きれいで豪華な気分。もようの違いもよくわかる。ジャガーの斑点は、○の中に点が入ってることになってるけど、このジャガーの斑点でそうなってるのは、2つくらい。

2004年8月16日  ヒョウ
 処理の続き。今度は骨。

・ヒョウ(OMNH M741:続き)
 煮たあと水に浸けてあったのを、洗う。バラバラになると、どれがどこの骨かわからなくなるので、というかバラバラにして各部位がわかるように保存するのは面倒なので、バラバラにならないように、煮て腐らす。その加減が難しく、どうしても煮たりないから肉を取りにくい。ちょっと肉も残り気味やけど、バラバラになるよりいいか…。

2004年8月15日  タヌキ、ハクビシン、アライグマ
 処理の続き。皮をひっぱる。

・ハクビシン(OMNH M739:続き)
・タヌキ(OMNH M738:続き)
・アライグマ(OMNH M740:続き)
 タヌキの皮の処理は慣れたもの。ハクビシンはタヌキと似た感じでやりやすい。でも、アライグマはちょっと大きいだけなのに、皮が厚くて硬い。ただ皮剥いてる時にはあんなに臭かったのに、なめし液から出して、乾いてきたらあまり臭くなくなってきた。毛は顔の辺りがはげてるけど、あとは問題なく、模様のわかる皮になりそう。

2004年8月14日  タヌキ、ハクビシン、アライグマ、カリフォルニアアシカ
 処理の続き。とにかく骨洗い。

・ハクビシン(OMNH M739:続き)
 指の間が、タヌキやアライグマより広がっている。これだけで見分けられそう。

・タヌキ(OMNH M738:続き)
・アライグマ(OMNH M740:続き)
 この2種は歯式が同じで、頭骨で見分ける自信がなかったけど、並べてみると全然違う。アライグマの頭骨は、大きいし、なんか丸い。それに変にえらがはってる。乾いたら、もう一度並べて確認してみよっと。

2004年8月13日  タヌキ、ハクビシン、アライグマ、ヒョウ、カリフォルニアアシカ、イノシシ
 処理の続き。
 タヌキ、ハクビシン、アライグマの皮は、足が乾いてきたので、少し引っ張る。アシカ、タヌキ、ハクビシンの骨を洗う。
 イノシシの皮をなめし液から出して、新聞紙の上に広げる。

・カリフォルニアアシカ(OMNH M742:続き)
 3時間煮たら、ちょっと煮すぎで、骨がバラバラになりそう。頭の骨の形が、他の食肉類とかなり違う。変なところに穴があいてるし。それに歯がみんな犬歯みたいになってて、臼歯みたいなのがない…。へんなの。

・タヌキ(OMNH M738:続き)
 2時間煮たら、ちょうど頃合い。

・ハクビシン(OMNH M739:続き)
 2時間煮たけど、まだ少し煮たらない。

 火力や鍋にもよるし、煮る前の肉の除去の程度にもよる。そんなわけで、煮る時間は奥が深い。煮たらない部分は、水に付けて少し腐らせます。

2004年8月13日  オオヒキガエル、ウシガエル
 ジュニア自然史クラブの行事で、カエルの皮を剥いて、骨格標本を作ってみました。■
2004年8月12日  タヌキ、ハクビシン、アライグマ、ヒョウ、カリフォルニアアシカ、ジャガー
 処理の続き。
 タヌキ、ハクビシン、アライグマは、なめし液から出して、新聞紙の上に広げる。
 ヒョウ、アシカ、ジャガーは、洗剤液に浸けてあった皮を取り出し、水洗いして、脂取り。イエネコの皮をごしごしして、毛が抜けまくった経験があるので、ごしごしせずに手作業。かなり大変。その後、なめし液へつける。
 タヌキ、ハクビシン、アライグマ、カリフォルニアアシカの中身を煮る。

・ヒョウ(OMNH M741:続き)
・カリフォルニアアシカ(OMNH M742:続き)
・ジャガー(OMNH M743:続き)
 アシカはともかく、ヒョウとジャガーは、さほど脂は多くなくて、処理はさほど大変ではなかった。

2004年8月11日  ヒョウ、カリフォルニアアシカ、ジャガー
 なにわホネホネ団の活動で、またもや朝から12時間、手分けして色々なほ乳類の皮むきをしました。
 皮むきした後、皮は洗剤液へ。中身はできるだけ肉をとって、とりあえず冷蔵室へ。ヒョウだけは煮てみました。

・ヒョウ(OMNH M741:某動物園より)
 細身で、尾が長く、ちょうどイエネコを大きくした感じ。不思議なことに尾の先は、肉はあるのに、骨は先まで入っていませんでした。

・カリフォルニアアシカ(OMNH M742:某動物園より)
 すでに解剖され、バラバラ死体。頭と手足の皮しか残っていません。頭は、とにかく耳が小さい! 前肢は鰭ですが、中にはしっかり5本指が入っていて、けっこう剥くのは難しい。後肢も同じく鰭で5本指。中の3本だけに爪がついていて、鰭の途中に爪がでています。不思議なことに爪より先にまだ軟骨が付いていて、鰭をささえる構造になっていました。と、形は見て楽しいのですが、とにかく魚臭い。

・ジャガー(OMNH M743:某動物園より)
 ヒョウに比べると、体は太めで、手足も太い、尻尾も太短め。と、プロポーションはかなり違う。指を筒剥きにしたら、ちょうど人間の手の大きさぐらいで、手袋みたいに手をいれられます。斑点と肉球のついた毛皮の手袋のできあがり。こんなん欲しいなー。

2004年8月6日  タヌキ、ハクビシン、アライグマ、イノシシ
 昨日の処理の続き。洗剤に浸けてあった皮を取り出して、水洗い、そして脂取りして、なめし液へ。

・イノシシ(OMNH M736:■)
・イノシシ(OMNH M737:■)
・タヌキ(OMNH M738:■)
・ハクビシン(OMNH M739:■)
・アライグマ(OMNH M740:続き)
 アライグマはかなり臭くて、毛が抜けまくるかとおもいきや、顔の部分以外は大丈夫そう。

2004年8月5日  アライグマ
 なにわホネホネ団の活動で、朝から12時間、手分けして色々なほ乳類の皮むきをしました。処理したのは、タヌキ、ハクビシン、アライグマ、イノシシ2体(ただし頭だけ)。

・アライグマ(OMNH M740:2004年7月、大阪府阪南市産)
 かなり臭い。でも、幸い骨はぜんぜん折れてないし、かろうじて皮も使えそう。とにかくびっくりしたのは、長い陰茎骨。軽くS字になっていて、15cm近くある! タヌキの粗末な陰茎骨とえらい違いです。タヌキと違うといえば、皮下脂肪がしっかりついているのか、ゴシゴシこすってもなかなかとれない。ちょっとアナグマに似た感じ。

2004年7月25日  ハジロカイツブリ、オオコノハズク
 今日も鳥の皮むき

・ハジロカイツブリ(OMNH M2770:2004年1月、滋賀県新旭町産)
 尾羽はないし、足もあまり動かないし、変な鳥です。足で自由に動くのは、足首から先だけらしい。陸上が苦手なのも無理もない感じ。

・オオコノハズク(OMNH M2771:2004年6月、岐阜県藤橋村産)
 はっきりした抱卵斑がありました。卵巣も立派。抱卵斑は、仮剥製になったらわからなそう…。

2004年7月24日  ツツドリ、カワセミ
 久しぶりに皮むき

・ツツドリ(OMNH M2766:2004年7月、大阪市東住吉区産)
 博物館に衝突して死んだ雄の幼鳥。この時期に幼鳥が死んでるのは珍しくないけど、大阪市内でツツドリが死んでるのは珍しい。残年ながら、すでに額の羽がずるむけだけど。
 足をよく見ると、対趾足(っていうのか?)。指の配置が前が2本で後ろが2本。第4指が後ろ向いてる。トケン類もそんな足とは知りませんでした。あと気づいたのは、その臭い。少し痛んでるせいかもしれんけど、生臭い臭いがする。魚食性の鳥のような臭い。毛虫食べるはずなのにへんなの。

・カワセミ(OMNH M2768:2004年7月、大阪市天王寺区産)
 ツツドリに続いてこちらも対趾足の鳥。頭をひかれたのか、頭蓋骨が割れていたけど、まあおおむねそれらしい仮剥製に。

2004年6月11日  キョン
 なめし液から出して、乾かしていた皮を引っ張る。

・キョン(OMNH M■:続き)
 手頃に乾いていたので、わりと綺麗に、柔らかくなった気がする。ちなみにキョンは妊娠中のメスで、中から出てきた胎児の皮も綺麗にできあがり。皮質はシカと同じですが、小さいせいで柔らかめ。引っ張ったりするのは、ニホンジカよりはるかに楽。
 シマウマでもそうやったけど、キョンも後肢の付け根の背中の部分に皮のたるみがあります。何の筋肉が発達してるんでしょう?

2004年6月8日  オランウータン
 皮を洗剤から取り出して、処理。なめし液に浸ける

・オランウータン(OMNH M■:続き)
 まとまった脂や肉は取れたので、残る脂をゴシゴシとこそげとる。ってゆうか、ゴシゴシすると、粒になっていた脂が液状になってきます。色あいは、ちょうどバターのよう。皮の上を大量のバターが泳いでいる感じ。でも臭いが…。バターが嫌いになりそうな感じ。

2004年6月7日  オランウータン
 皮を洗剤から取り出して、処理。

・オランウータン(OMNH M■:続き)
 とにかく指先、口の周り、お尻の周辺の油取りに時間がかかる。また終わらないので、また洗剤に浸けておく。時間がかかっているので、ちょっと皮が傷んできた気がする…。

2004年6月6日  オランウータン
 冷凍してた皮を取り出して、処理。

・オランウータン(OMNH M■:続き)
 出だしに最大の失敗。ペニスの先を切ってしまった。小さい上に、皮膚の中に引っ込んでるから…。とにかく、でっかい図体のくせにペニスは小さい。太さも長さも小指くらいしかない。形は人間にけっこう似てる。切ってしまった先っぽは、液浸標本に。見るだけで痛そうやけど、保存の方法としては、乾燥させるよりよかったかも?
 皮の内側に脂が大量に…。薄皮の下にある脂は、直径5mm位の粒々。人間もあんなのやったら、脂肪吸引ができるのがわかる気がする。とにかく、肉と脂の除去除去除去。終わらないので、洗剤に浸けて帰る。

2004年6月5日  キョン
 骨を煮て、洗う。

・キョン(OMNH M■:続き)
 骨を見ると、小さいけどシカだなー、という感じ。犬歯は骨にすると意外と長く、すぐ抜ける…。

2004年5月30日  オオリス、キョン
 どちらも皮むき。

・オオリス(OMNH M■:某動物園より)
 少し古いのか、足先が乾燥していて向きにくい。それでも久々の小物なので、らくちん〜。

・キョン(OMNH M■:2004年5月、千葉県産)
 房総半島では野生化していて駆除も行われています。その駆除された個体をもらいました。撃った後に引きずったのか背中の毛が抜けてるし、頭骨の後ろの方が割れているけど、キョンです。メスの妊娠個体で、中から出てきた胎児もついています。大人でタヌキより少し大きいくらいの大きさ、でも胎児はテンくらいはあって、意外と大きい。
 メスのキョンなので、立派な角や牙ないけれど、小さい犬歯は生えています。あと、目先の腺の穴が大きい。そして眉間には謎の八の字型の溝があります。この溝はなんだろう?

2004年5月19日  ホッキョクグマ
 ホッキョクグマの皮

・ホッキョクグマ(OMNH M■:某動物園より)
 皮をいい加減に乾かそうと、16日夜から外に干しておきました。17日は雨が降ったりやんだり、雨が降ったらシートをかけて、やんだらはずしての繰り返し。18日は晴れてきたのでけっこう乾きました。で、今日取り込みました。
 頭部や足先が乾いてきていてので、今日は少し皮を引っ張ったり、折り曲げたりしてみました。それなりに柔らかくできそう。ただ、皮に染み込んでいるらしい脂の処理が大変。

2004年5月16日  ホッキョクグマ
 ホッキョクグマの皮

・ホッキョクグマ(OMNH M■:某動物園より)
 ふと気が付くと、耳が乾かず、なぜか怪しい臭いがする…。あわててホルマリンを注射しました。でも少し皮がはげた。

2004年5月14日  ホッキョクグマ
 ホッキョクグマの皮

・ホッキョクグマ(OMNH M■:某動物園より)
 なめし液がいまひとつ浸透していない気がするので、皮の内側にミョウバンをいっぱい刷り込んでみました。ちょっと楽しい。

2004年5月10日  ホッキョクグマ、シマウマ
 ホッキョクグマとシマウマのなめし作業

・ホッキョクグマ(OMNH M■:某動物園より)
 なめし液に浸けてあった皮を出して広げました。とにかくでっかい。三畳くらいないと広がらない。なめし液に6日間浸けてあったし、毎日ひっくり返したりしてたけど、うまくなめし液が浸透したのかよくわからない。乾かしてもう少し脂取りをしてから、もう一度なめし液に浸けるか?

・シマウマ(OMNH M■:某動物園より)
 二日前になめし液から出して、広げてあったのですが、縁がけっこう乾いてきたので、ゴシゴシとしてみました。けっこう残っていた肉が取れて楽しいのだけれど、柔らかくなってるのかな…。

2004年5月4日  ホッキョクグマ
 ホッキョクグマの処理の続き

・ホッキョクグマ(OMNH M■:某動物園より)
 洗剤でいわば洗濯しつつ、脂取りの続き。もういい加減いやになったので、なめし液につける。なめし液は、50リットルも作りました。90リットルの入れ物が、皮となめし液でいっぱいになったので、皮は40リットルあるらしい。

2004年5月3日  ホッキョクグマ
 ホッキョクグマの処理の続き

・ホッキョクグマ(OMNH M■:某動物園より)
 バラした中身は骨にするべく、砂場へ設置。皮の方は、再びなにわホネホネ団の9人がかりで脂とり。一日経って、少し脂が臭うようになりました。タヌキの臭いに近いかも。肉球が大きいので中の脂がとりやすい。脂があまりに多いので、皮むきの4倍からの時間をかけても終わった気がしない。もっといい手はないものか? とりあえず洗剤液に浸けて帰る。

2004年5月2日  ホッキョクグマ、シマウマ
 ホッキョクグマの皮むき

・ホッキョクグマ(OMNH M■:某動物園より)
 なにわホネホネ団の11人がかりで皮むきしました。大きいので、屋外の解剖台の上にて。人数が多かったせいで、皮むき自体は1時間半で完了。とてもあっけない。その後、皮はとりあえず冷凍に、中身は四肢と頭を解体しました。
 とにかく大きい! で、脂だらけ。その割には、新鮮なせいもあるでしょうが、ほとんど無臭でした。あと、皮が厚くて、少々の事では皮を表まで切ることはない。大胆にメスを使えるので、皮むきも早かったのかな。
 計測値は、頭胴長2100mm、尾長60mm、後肢長221mm、耳長110mm。立てば、3m近くにはなりそうです。ちなみに腿回りは830mmほどありました。意外と小さいと思ったのは、手のひら。

・シマウマ(OMNH M■:某動物園より)
 皮の脂取りの作業をして、なめし液へ。なめし液は、30リットルも作りました。

2004年5月1日  ジョウビタキ、ヒバリ、アカショウビン
 鳥の皮むき

・ジョウビタキ(OMNH M2759:2004年4月、大阪市東住吉区産)
 フクロウ類ではないけれど、他の2羽に比べて、羽毛が柔らかい。さわり心地がいいなー。

・ヒバリ(OMNH M2760:2004年2月、和歌山県産)
 足の第1趾が長い! 長いのは知ってたけど、こんなに長いと改めて知りました。

・アカショウビン(OMNH M2761:2003年10月、箕面市産)
 きれいです。とくに腰の青い羽がピカピカしてきれい。青い羽は2枚程度しかないので、抜いてしまわないように気を使います。

2004年4月17日  イタチ、カケス、ヒレンジャク、シマウマ
 イタチの処理の続き、カケスとヒレンジャクの皮むき、シマウマの皮の処理

・イタチ(OMNH M693:続き)
 なめし液から出して生乾きになっていたのを、引っ張ってゴシゴシしました。脂取りが充分ではなかったらしく脂っぽい。薄い肉も残っているけど、引っ張るとそれなりにとれる。今回は大量のなめし液に浸けたし、何度もひっくり返したので浸かりムラはなさそう。

・カケス(OMNH M2754:2004年3月、三重県産)
 手にとって改めて見ると、とっても綺麗です。大きい鳥との印象がありますが、ヒヨドリを太らせた程度の大きさです。ハジラミ付き。雨覆の青と白のシマシマからすると成鳥のようです。

・ヒレンジャク(OMNH M2755:2004年3月、大阪市産)
 これまた綺麗な鳥です。食道から果実が二つ出てきました。大阪市内だというのに、なんの果実かわからない…。

・シマウマ(OMNH M■:某動物園より)
 大きくて実習室のシンクでうまくこすれない…。そんなわけで、3人がかりでメスでせっせと肉と脂取り。それでも完了せず冷凍室へ戻す。

2004年4月12日  タヌキ、イタチ
 タヌキとイタチの処理の続き

・タヌキ(OMNH M678:続き)
 皮の処理の最後、頭の部分をゴシゴシして柔らかくして出来上がり。

・イタチ(OMNH M693:続き)
 他の3体と一緒に皮の脂取りをして、なめし液へ。タヌキを浸けたなめし液を使い回しました。たぶん大丈夫だろう‥。

2004年4月11日  タヌキ、ウサギ
 タヌキとウサギの処理の続き

・タヌキ(OMNH M678:続き)
・ウサギ(OMNH M683:続き)
 皮の処理はだいたい終わったので、今度は中身の処理。すでに煮てあったので、あとは肉を除去して骨取り。どちらも頭骨はバラバラ、肋骨はボキボキ。破片を拾い集めてる感じ。

2004年4月10日  タヌキ
 タヌキの処理の続き

・タヌキ(OMNH M678:続き)
 皮を引っ張ったり、ゴシゴシしたり、おかげで白くて柔らかい皮になりました。頭の部分はもう少し乾いてから、続きをします。どうも引っ張るよりも、ゴシゴシする方が皮を柔らかくするには重要らしい。

2004年4月9日  タヌキ、ウサギ
 タヌキとウサギの処理の続き

・タヌキ(OMNH M678:続き)
・ウサギ(OMNH M683:続き)
 ウサギ皮は、引っ張って、ミンク油を塗って、薫蒸のため冷凍室へ。タヌキ皮は、足と鼻先だけ引っ張って、ミンク油を塗る。続きの引っ張りは明日。タヌキ皮は、一部になめし液に浸かってない部分があるらしい。なめし液にむらなく浸かるよう注意する必要がありそう。シカ皮のむらも、なめし液への浸かり方っぽい。なめし液へのつけ込みには、もう少し工夫が必要。

2004年4月6日  タヌキ、ウサギ、イタチ
 タヌキとウサギの処理の続き。イタチの皮むき

・タヌキ(OMNH M678:続き)
・ウサギ(OMNH M683:続き)
 一緒に処理しているタヌキ皮3枚、ウサギ皮1枚と一緒に、なめし液から出して、新聞紙の上に広げる。

・イタチ(OMNH M693:2003年2月、奈良県産)
 行事で皮むき。他に3名が各1体ずつ剥いていた。こちらは、足先も尻尾も全部剥いたけど、他のは足先と尻尾の骨は残したまま。また続きをしなくては…。

2004年4月3日  タヌキ、ウサギ、オランウータン
 タヌキとウサギの処理の続き、オランウータンの皮むき

・タヌキ(OMNH M678:続き)
・ウサギ(OMNH M683:2004年2月、奈良県産)
 皮は、ゴミ取りをしてから、なめし液へ浸ける。中身は、おおまかに肉を取り除いてから、鍋で煮る。タヌキ約3時間、ウサギ約1時間半。

・オランウータン(OMNH M■:某動物園より)
 5人がかりで皮むき。解剖学的観察をしたい方が来て丁寧にむいてたこともあるけど、結局ほぼ9時間かかった…。
 立派な雄で、両方のほっぺたにまるで耳のようなふくらみがあります。皮を剥くと、その中には堅い脂肪の固まりのようなものが入っています。後頭部にも脂肪の固まりが付いていて、頭は大きいけど頭骨はとても小さい。
 手のひらと足のひらはとても大きく、指紋や掌紋がついていて、人間に似ています。でも爪は巻き爪で、色は黒。あと、後ろ足の親指には爪がありません。
 という具合で、近くで見ると、あらためて色々な発見がありました。

2004年4月2日  シカ、タヌキ、ウサギ
 シカの皮はなめし作業の続き、タヌキの皮は肉と脂取り、ウサギは皮むき

・シカ(OMNH M■:2004年3月、淡路島産:続き)
 半乾きになった皮を引っ張る。大きいので4人がかりで引っ張ってみたり。乾きむらなのか、なめし液のむらなのか、とにかくむらがあって、うまく引っ張れない部分がある。あと同じ日に撃たれたシカを同じように処理してきたのに、1枚だけ引っ張ってると大量に毛が抜ける。これはなぜだ?

・タヌキ(OMNH M678:続き)
 すぐに処理ができなかったので、冷凍してあったのを解凍。ゴシゴシと肉と脂をとって、洗剤液に。

・ウサギ(OMNH M683:2004年2月、奈良県産)
 一見きれいな死体だったが、頭がグチャグチャにつぶれていた。あと、尻尾がとれそうになった。ウサギの尻尾をむくのは、けっこう難しい。そもそもウサギは皮が薄いので、すぐ破れるし…。

2004年3月31日  シカ
 シカの皮のなめし作業の続き

・シカ(OMNH M■:2004年3月、淡路島産:続き)
 なめし液から出して、新聞紙を敷いて、机の上に広げる。新聞のインクが付くのがちょっとイヤやけど、このサイズになると仕方ないか…。

2004年3月27日  シカ
 シカの皮のなめし作業

・シカ(OMNH M■:2004年3月、淡路島産:続き)
 実は4頭分もあったりする。昨日処理が終わらなかった残り1頭をゴシゴシして、4頭まとめてなめし液に浸ける。シカは面積が広いので結構大変。

2004年3月26日  タヌキ、シカ
 タヌキの皮むきと、シカの皮の肉取り作業

・タヌキ(OMNH M678:2004年1月、堺市産)
 頭骨がぐちゃぐちゃで、皮に骨がひっついてきて、剥きにくい…。

・シカ(OMNH M■:2004年3月、淡路島産)
 有害鳥獣駆除で、さらに他の博物館が頭骨と大腿骨を持ち去った残りの皮をもらってきた。頭や足先の皮はばっさりと切られてて無し。タヌキと違って皮が大きいので時間はかかるけど、ゴシゴシすると気持ちよく肉と脂がとれる。

2004年2月23日  タヌキ
 広げて、すでにいったん引っ張った皮を処理。

・タヌキ(OMNH M???:2003年?月、大阪府池田市産)
 いったん引っ張った皮をさらにビンの底でグリグリすると、皮がとても柔らかくなる! 足先も頭も柔らかい〜。

2004年2月3日  ハシボソガラス、アオサギ
 大阪自然史フェスティバルの展示用に撮影をしながら、皮むき。

・ハシボソガラス(OMNH A2752:2003年11月、堺市産)
 口の中が、舌先を除いて真っ赤な幼鳥。カラス類は頭でっかちなので頭の皮むきが大変。頭をなんとか裏返しにしたものの、元に戻らなくて泣きそうになりました。

・アオサギ(OMNH A2753:2000年2月、大阪市天王寺区産)
 綺麗な成鳥のよう。サギ類は首は長いけど頭は小さく、簡単に首から頭の皮が裏返ります。カラスの後にやると幸せ。

2004年1月20日  イタチ、テン、ムササビ、コウベモグラ
 新聞に広げていた皮から、さらに肉を除去しつつ、皮を引っ張る。

・イタチ(OMNH M575:続き)
 なかなか可愛くなってきた。皮はおおむね乾いて、ほぼ完成。

・テン(OMNH M573:続き)
 黄色い胸がきれい。皮はもう少しかわかないと。

・ムササビ(OMNH M574:1993年2月、高知県馬路村産)
 ちょっと古いせいか、毛が少し抜けた。皮が薄くて、引っ張るのも遠慮がち。ふわふわで毛足の長い毛は、なめし液につけたらもつれてるし…。

・コウベモグラ(OMNH M562:2001年5月、八尾市産)
 少し毛が抜けてて、後ろ脚がとれた…。皮を内側から見ると、耳の穴はあるけど、目がない。

2004年1月19日  イタチ、テン、タヌキ
 なめし液に浸けてたのを出して、新たにまた浸けて。また冷凍庫から処理途中の皮を引っ張り出して。いっぱい処理途中のがある…。

・イタチ(OMNH M565:続き)
 皮についている肉や脂を、ゴシゴシ落とす。それからなめし液へ浸ける。少し毛が抜けた…。

・イタチ(OMNH M575:続き)
 なめし液から皮を出して、新聞紙の上に広げて乾かす。煮て、足と尾の骨洗い。

・テン(OMNH M573:1998年10月、奈良県上北山村産)
 なめし液から皮を出して、新聞紙の上に広げて乾かす。

・タヌキ(OMNH M630or639:2000年10月、堺市産)
 皮にまだ付いていた足先と尻尾の骨を剥いて、皮の処理は挫折して、再び冷凍へ。なぜかどっちのタヌキのパーツかわからない。標本になっている部分を確認しなくては。

2004年1月17日  イタチ
 昨日のイタチと同様、2001年8月に皮を剥いたままになっていたイタチの処理の続き。皮に付いていた四肢の先と尾の骨を剥き、さらに皮の脂や肉取り。ほんでもって、中身は煮て、皮はなめし液につけました。

・イタチ(OMNH M575:2000年10月、河内長野市産)
 耳の根元の皮が切れまくり。誰が皮を剥いたんだか…。

2004年1月16日  イタチ
 昨日のイタチの骨洗いの続き。

・イタチ(OMNH M565:続き)
 えらい年寄りのイタチらしく、門歯も犬歯もあんまりない。これで生きてたとは、残飯でも漁ってたか?

2004年1月15日  イタチ
 2001年8月に皮を剥いたままになっていたイタチを出してきて、処理の続きをしました。皮にまだ付いていた足先と尻尾の骨を剥いて、皮の処理は時間がないので、再び冷凍へ。足先と尻尾の中身は、その他の中身と一緒に鍋で煮る。油断してたら、少し焦がしてしまいました…。4時間ほど煮た後、洗って骨取り。途中で挫折して、水に浸けて帰る。

・イタチ(OMNH M565:2001年4月、大阪市生野区産)
 少し焦げたけど、頭は割れてない。細長い頭骨の前の方にしか歯がないのが変。

2004年1月12日  ヤマシギ、ムクドリ、コミミズク、ユリカモメ
 今日も、小学生向けの行事のために、鳥4羽の皮むき。

・ヤマシギ(OMNH A2749:2001年11月、大阪市東住吉区産)
 雌。年齢はいつもながらよくわからない。約2年前の死体だが、問題なく皮むきできた。

・ムクドリ(OMNH A2748:2003年12月、富山県産)
 きれいな雄の成鳥。内蔵がけっこう出血している。車にでもひかれたか?

・コミミズク(OMNH A2750:2002年2月、奈良県香芝市産)
 雌。ほとんど脂肪がなく、皮むきはとっても楽。フクロウ類らしく、羽毛はとにかくフワフワ。一番外側の初列風切の外弁の櫛の歯状の部分は、一応あるにはあるけど、フクロウほど激しくない。そんなに消音機能はいらないってこと?

・ユリカモメ(OMNH A2751:2001年12月、八尾市産)
 雄の幼鳥。長く冷凍庫に入れておいたので、首から上が乾燥していまい、皮が剥けない。首か頭にキズがあったためか?

2004年1月11日  ハイタカ、マミジロ、オオタカ、トラツグミ
 今日は、小学生向けの行事のために、鳥4羽の皮むき。

・ハイタカ(OMNH A2744:2004年1月、尼崎市産)
 何かに喰われたらしく、胸にキズがあり、内臓は残っていない。キズの周囲がひからびていて、剥きにくい。生殖巣は残っていないけど、大きさから雄っぽい。

・マミジロ(OMNH A2745:2003年10月、大阪市東住吉区産)
 雄の幼鳥。内臓や肉が腐っているが、かろうじて生殖巣は確認できた。茶色い幼羽と黒い成羽が混じっていて、羽をよく見るとおもしろい。

・オオタカ(OMNH A2746:2003年12月、藤井寺市産)
 雌の幼鳥。窓ガラスに激突して死んだらしいが、なるほど脳内出血。

・トラツグミ(OMNH A2747:2003年3月、大阪市中央区産)
 雌。SOはEだが、3月なので年齢はなんとも…。背と両脇の羽がなく、キズもある。何かに襲われたか? 内蔵は腐ってて、臭い。

和田の鳥小屋のTOPに戻る