フィールドノート1
ウンヌケとウンヌケモドキ
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2013年11月某日、ウンヌケEulalia speciosa とウンヌケモドキEulalia quadrinervis を観察する機会がありました。どちらもイネ科の植物ですが、分布域が限られており、野外ではじめて観察することができました。識別ポイントを抑えれば割と簡単に見分けられることがわかりました。
- 長田(1989)日本イネ科植物図譜.平凡社.
- 野嵜玲児・小林禧樹・藤本義昭(1998a)兵庫県新産のウンヌケ(イネ科)の分布とその生育環境.植物地理・分類 48(2):197-204(論文へのリンク).
- 野嵜玲児・守屋惠美・佐野夏江(1998b)東播磨南部におけるススキーウンヌケ型二次草原の植物社会学的研究.植生学会誌 15(2):79-93(論文へのリンク).
花序と小穂の写真。左側の花序がウンヌケ、右側の花序がウンヌケモドキ。
ウンヌケの方が全体的に毛が多いです。ウンヌケの第一包穎には全体に毛があるのに対して、ウンヌケモドキの第一包穎には、上部の周辺部を除いて毛がありません。
葉の基部の写真。
ウンヌケの葉身の基部には長い毛がありますが、ウンヌケモドキにはありません。図鑑の記述としては、「ウンヌケは葉身基部の長毛以外は無毛、 ウンヌケモドキは葉身全体に短毛がある」となっていますが、観察した時期は葉がすでに枯れ始めており、葉身全体の毛の違いははっきりわかりませんでした。
標本の稈の基部の写真。
ウンヌケの稈の基部はふくらみ、黄褐色のりん片状の毛で覆われます。 ウンヌケモドキの稈の基部はほとんどふくらまず、黄褐色のりん片状の毛はありません。
ウンヌケとウンヌケモドキの識別のコツは長田(1989)の日本イネ科植物図譜がわかりやすいです。 ウンヌケやウンヌケモドキが生える植生については野嵜ほか(1998ab)で詳しく論じられています。
【参考文献】
2013年11月30日 横川昌史
Last update was 30. November. 2013
Copyright(c)2012 Masashi Yokogawa All Rights Reserved.
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