質問コーナーのやりとりへのコメント・論争
質問コーナーでのやりとりに対して頂いたコメントです。こういった形でどんどん盛り上がると嬉しいです。何かコメントがあればお気軽にmonitor@omnh.jpまでおよせください。
●青虫の色について
●カマドウマの発音について
●ヒロバネカンタンの分布について
●大阪のクマゼミだけが午後にもよく鳴くか論争
●甲虫は矮小化しているか?
甲虫は矮小化しているか?
最新のコメントは1998/11/16
これまでの経過
大和郡山市の池田昌義さんからmonitorへこんな質問(1998/11/4)が来ました。
「最近気になることとして、かぶと虫の大きさが矮小化しているような気がいたします。最初はコカブト虫かと思ったのですが、かぶと虫のようですし、他にクワガタ、カナブン、ハナムグリなども矮小化しているのでは、という気がします。まず、このような情報や研究が行われていらっしゃるかについて、そして行われているのでしたら、どのような報告がなされているのか、お訪ねいたしたく存じます。もし、特に統計だてた研究がないようでしたら、貴博物館が採取保管されていらっしゃるカブト虫、カナブンの年代別のスケールを教えていただけたらと存じます。突然の質問で恐縮ですが、よろしくお願いいたします。」
この質問に対して昆虫研究室の初宿学芸員は冷たくこう答えました(1998/11/11)。
「カブトムシやクワガタなどは他の甲虫の種類に比べても、大きな個体と小さな個体が差がはっきりわかりやすいのですが、近年になって矮小化しているという話は私自身はこれまで聞いたことはありませんし、研究がされていることも耳にしたことがありません。
標本室の標本をざっとみたところでは、特に近年のものが小さいように思いませんでしたが、サンプリングが偏りなく行われているかどうかわかりませんので(つまり大きいものだけを選んで標本にしている可能性があるということ)、標本室の標本を計測して時代ごとに並べても、矮小化しているか否かをつきとめるのは難しいように思います。
見かけたカブトムシをすべて捕まえて標本にして計測する、というのを何年かごとにくり返して行うと、矮小化を証明する結果が出るかもしれませんね。」
まあ要するに知らんと答えたわけです。そこで意見と情報を募集します。最近、カブトムシやクワガタムシのような甲虫が矮小化していると思う方、あるいはしていないと思う方、メールをmonitor@omnh.jpまでおよせください(断片的でも情報があればとてもグーですが、印象でも構いません。)。また甲虫の矮小化についての研究をされている方、情報を持っている方、あるいは研究している人を知っているという方も情報をお寄せ下さい。
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大阪のクマゼミの鳴く時間論争
最新のコメントは2000/7/26
これまでの経過
大阪市の市川さんからmonitorへこんな質問(1998/7/23)が来ました。
「今うるさく鳴いているクマゼミですが、なぜ大阪や豊中のクマゼミは午後にも鳴くのでしょう? 田舎(郊外)のクマゼミはひるから後は滅多に鳴きません。他の蝉がいないのではなく、ニイニイゼミやアブラゼミがいるところでもたくさん午後に(夕方にも)鳴いています。」
この質問に対する前館長の宮武さんの答え(1998/7/23)がこうでした。
「クマゼミは普通の天気であれば、早朝から鳴いて、昼前に鳴きやんでしまいます。ところが朝方雨が降ったり、午前中に天気が悪くて十分活動出来なかった時は、午後も鳴きます。また、午前中に鳴いても、午後天気が悪くなり、午後そこそこに天気が好転すると、鳴き出すときがあります。また、個体数が極端に多い時季は、時間に余り関係なくどれかの個体が鳴き出すと、多の個体もつられて鳴き出し、時ならぬ大合唱が続きます。午後や夕方だけでなく、気温が高ければ夜にも起きます。ということで、お天気と個体数との関係で、時間外にも結構鳴くときがあることを承知して下さい。田舎でも、温暖化で個体数がやたら増えていると、大阪市内と同じように状況が変わっている可能性があります。またセミの鳴くのは、お天気や明るさや、それらとの相互関係で微妙に変わってくることも納得して下さい。しかし、基本的なパターンはやはりあるところがおもしろいところです。」
宮武さんの答えは、クマゼミの一般的なパターンの説明でしかなく、質問の答えになっていないな、っと思ってたら、案の定、市川さんから反論が来ました。どうやら二人は、「大阪(都市部)のクマゼミは午後にもよく鳴くけど、郊外のクマゼミは午後にはめったに鳴かない」という点を認めるかどうかで、そもそも食い違っているようです。さああなたもこの論争に参加しましょう。なんか無理に盛り上げてるけど・・・。
●大阪市の市川さんからのコメント(1998/8/3)。
市川です。私が言いたかったのは、大阪のクマゼミがおかしいのではないかということです。宮武さんの回答には満足していません。私が感じているのは、大阪のクマゼミは他の地方のクマゼミと違って集団でも単独でも午後に鳴くことが多く、他の地方(例えば高知)のクマゼミは、私が子供の頃から聞いた限り滅多に午後に鳴かないということです。
●宮武さんからのコメント(1998/8/4)。
市川さんの納得のいかないところは、分かりました。市川さんが子どもの頃聞いた高知でのクマゼミですが、高知では最近はどうでしょうか?個体数は、やはり以前より増えているのでしょうか?また、午後にも鳴くのはいないのでしょうか?最近の高知(または他の地も含めて)の様子も探ってみて下さい。現在の大阪の個体群と、昔の高知の個体群を比べるのは、ちょっと無理があるようにも思います。それから、大阪で午後鳴くのが多いのはやはり顕著で、お天気とも直接関係無い場合もあるかも知れませんし、個体数が増えただけで説明ができるのかどうかも問題があるかもしれません。かといって、大阪(多分大阪だけではないと思いますが)のクマゼミの鳴き方のパターンがくずれてきたと、簡単に言い切ってしまうわけにはまだいかないと思います。この問題の解決法に,何か名案がないでしょうか?
●大阪市の市川さんからのコメント(1998/8/6)。
高知のクマゼミなら、昨年の7月20日頃に聞きました。特に増えているようでも減っているようでもありません。しかも、やはり午後に鳴く個体は非常に稀です。今年は7月の11日頃に和歌山県の古座川町でもクマゼミを聞きましたが、やっぱり午後には滅多に鳴きませんでした(2日ほど滞在しております)。
高知ではクマゼミやアブラゼミの他に、ニイニイゼミもまだ多く、少し山に入ればミンミンゼミやヒグラシ、ツクツクボウシが出てきます。つまり蝉の種類が多いのです。大阪のクマゼミがおかしいのは種類が少ないのと関係があるような気がします。
以上、大阪のクマゼミがおかしいと言い張る市川でした。
●大阪市の市川さんからのコメント(1998/8/10)。
豊中のクマゼミは8月5日頃から急に減ってきて、今(10日)はアブラゼミの方がたくさん鳴いています。大阪市内ではまだクマゼミが多いのになぜでしょうか。今年はクマゼミの当たり年ではなかったようです。これに調子を合わせたのか、豊中のクマゼミは午後にあまり鳴かなくなりました。
●大阪市の市川さんからのコメント(1999/7/26)。
季節が一回りしてまた夏になりました。セミも出ました。そのセミですが、今年気付いたことを書きます。
1)ニイニイゼミが多い。
今年は例年(ここ5年)に比べてニイニイゼミが多いようです。
2)クマゼミはやはり午後も鳴く。
7月22日の午後5時過ぎに豊中市中桜塚で一頭鳴いていました。晴天で、雲は多くないし、他に鳴いているセミはいませんでした。
7月26日の午後12時半に今度は二頭、かなり離れて鳴いていました。雲は多いもののまずまずの好天でした。
以上のことより大阪のクマゼミは午後も鳴くことを主張します。
●大阪市の市川さんからのコメント(1999/7/28)。
クマゼミは7月28日には大阪市中いっぱいになりました。去年より多いかも知れません。私の家の近くでも2,3頭が一緒に鳴いていました。こんな事は初めてです。緑の少ない大正区では珍しいことです。なお豊中にもいっぱいいます。
●大阪府の杉本久雄さんからのコメント(2000/1/27)。
大阪のクマゼミだけが午後にもよく鳴くかについてですが、その答えとしてクマゼミと共存しているクマゼミ以外の種の割合や、生息域(木)の密集度等が関係すると思われます。又、セミの多くは、つれ鳴きをしますので合唱も考えられます。
まず、都会や住宅密集地で、尚且つ近所に木が沢山ある場所が無い場合、公園や学校の少ない本数の木に多数のクマゼミが集まります。その結果アブラゼミやミンミンゼミがその木に飛来して来たらクマゼミのオスは、メスが近くに飛来して来たものと考えて、急に鳴き出したりしますし、実際にオスだった場合は、喧嘩をして鳴いたりし、アリやコガネムシといった他の昆虫(セミも含む)に触れられても鳴いたりします。 一方、四国では、クマゼミがとても多く生息しており、別種のセミが少なく、クマゼミの邪魔をしません。クマゼミは午前中活発に行動し、午後からは、食事等をしてあまり活動しないので、クマゼミだけが多い所では、午後から鳴きません。又、自然が多くクマゼミが一本の木に集中する事が少ないことも関係します。
もう一つ書き加えるとしたらクマゼミの殆どは、平地かそれに近い地域にしか多く生息せず、関西以西のミンミンゼミやアブラゼミ、ニイニイゼミの様に山にはあまり生息しませんので、高知の様に山が近い所では、クマゼミ以外のセミは、木を求めて山に行ってしまうのではないでしょうか。
実際に私が1999年の夏に家でクマゼミを飼育していましたが、昼から鳴いたのは、喧嘩かメスが近くに来た時だけでした。
●大阪市の市川さんからのコメント(2000/2/1)。
高知にクマゼミ以外のセミが少ないのではありません。種類数、個体数とも大阪の近郊に負けません。それでも高知のクマゼミは午後には滅多に鳴きません。
高知に自然が多いというのは誤解ではないでしょうか。私の郷里は野市町という高知平野のはずれですが、自然度は大阪近郊より低いほどです。何しろ植林地と二次林ばかりですから。もちろんそこのクマゼミも午後には滅多に鳴きません。
大阪のクマゼミが午後にも鳴くのは、高知と比較しただけではなく、和歌山や奈良など大阪近郊の都市とも比べています。それでも午後に鳴くクマゼミは大阪や豊中など大阪近郊に限定しているように思われます。これは最近セミの生態が変化している一例と考えられ、似た例として暗くなってからでも鳴くアブラゼミがあげられます。
●大阪府の杉本久雄さんからのコメント(2000/2/2)。
高知を自然が多いというのは、誤解なのかどうかは分かりませんが、昨年四国を訪れた時、とても自然が多いと感じましたので その様に記しました。
実は、今年8月から三ヶ月間、高松で週四日生活していました。高松市役所の向側に公園が有り、ここのクマゼミは二度程、昼過ぎでも鳴いていました。あまりこの公園に行かなかったので何時も鳴いているとは限りませんが...。前回に四国では昼に鳴かないとは書いたのですが、大阪(池田市)に比べると殆ど無に等しいと思い、その様な文章に致しました。
その他では、大阪近郊以外で昼から鳴いている場所を紹介しますと(殆ど公園)、福岡県博多区のJR博多駅筑紫口側の駅前公園、博多駅南三丁目公園や早良区の神社や、城南区の住宅街の中の公園等、博多でも結構 昼から鳴いています。九州では他に長崎で幾度となく耳にしました。特に原爆資料館?の前の公園又、今年ではありませんが、大阪の近郊で、兵庫県芦屋市宮塚町周辺や小槌幼稚園の近辺、明石市大久保周辺、高槻市芝生町、津之江町です。上記の場所は、私自身が住んでいた場所や旅行先です。午後から鳴くクマゼミは、大阪市、豊中市に限定されない様に思います。
一つ気になる事が書かれていたのですが、暗くなってからでも鳴くアブラゼミとは?
●大阪市の市川さんからのコメント(2000/2/7)。
たくさんの情報をいただきありがとうございます。クマゼミが昼も鳴くのは大阪や豊中だけではないと思いますので、重要な情報です。
アブラゼミについては昨年二度か三度、日が暮れてから鳴いているのを聞きました。一カ所は奈良県の大宇陀のスーパーでした。外灯がついていました。これについては宮武さんも言っていました。最近になってからの変化のようです。杉本さんや皆様もクマゼミだけでなくアブラゼミにも注意してくださいと、言っておきます。
【monitorのコメント】
杉本さんの参入で、市川さんと論争が盛り上がるかと思いきや、すぐに収束して少し残念です。昼に鳴くクマゼミだけでなく、今度は夜に鳴くアブラゼミにも注意しなくてはならなくなりました。そういえば、夜に鳴くアブラゼミは耳にしたことがあるような…。
●東京都世田谷区の細田正実さんからのコメント(2000/7/18)。
また、蝉の鳴く季節がやってきました。
東京のサンプルが有れば、大阪と同じ都会でのものということで意味が有るでしょうが、現在私の住んでいる世田谷はクマゼミに関しては限界生息地に近く、ここ五年で3度ほどしか鳴き声を聞いていませんし、個体を目で確認したわけでもありません。
私の出身地静岡県清水市では、やはり日が昇るとともに鳴き始め、午後にはほとんど鳴かなかったという記憶があります。
もう絶版となっているかもしれませんが、1972年学習研究社刊「クマゼミの島」という本があります。中学生の自由研究を中心にまとめられたものですが、かなり詳細な生態が調べられていて興味深いものです。その巻末に専門家の解説が付いていて、セミの鳴き方の類型として、
1.体温の上がるときに鳴き、一定以上になると鳴き止む
2.体温の下がるときに鳴く
3.一定の体温になると照度の影響を受けて鳴く
が、考えられる。(1.クマゼミ、2.ヒグラシ、3.ツクツクホウシ)とありました。
この仮説をもとに大阪の事例を考えると、いかがなことになるのでしょうか。
ちなみに、アブラゼミは東京でも夜になっても鳴き止まないようです。
追伸:7/18-19と浜松に行っておりましたが、浜松でもクマゼミは午前中にしか鳴かないようです。
●大阪市の市川さんからのコメント(2000/7/26)。
しばらく台湾へ行ってきたので返事が遅れました。頂いたご意見は大変参考になります。実は台北でもクマゼミが多く、朝に鳴いていました。台北のクマゼミは、
1)朝に鳴く。これは大阪のクマゼミと同様です。
2)午後に鳴く。これも良く似ています。但し午後に鳴くクマゼミは少数です。
3)夜に鳴く。これは大阪のクマゼミには見られない特徴ではないでしょうか。夜店が出る道筋の街灯近くで鳴いていました。時々台北の他の場所でも夜に鳴いていました。時刻はかなり遅い(11時過ぎ)こともあります。
アブラゼミについては奈良県の大宇陀かその近所でやはり暗くなってから鳴くのを去年聞いています。大阪のクマゼミについては今年はまだ多くは聞いていません。
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ヒロバネカンタンの分布について
最新のコメントは2000/1/23
●大阪市のノセヒシバッタさんからのコメント(1998/5/6)。
東京都の 匿名希望さんのクビキリギスについての質問(1998/1/26)に対して
中国にもいる筈です。日本では北海道から沖縄まで広く分布しており、普通種です。こういう分布の昆虫は大概中国にいます。
千葉県の福田文彦さんのヒロバネカンタンについての質問(1998/3/3)に対して
ヒロバネカンタンは平地のオナモミなどにいて、千葉県なら間違いないでしょう。鳴き声が明らかにカンタンと違います。
●茨城県の井上
尚武さんからのコメント(1998/5/10)。
ヒロバネカンタンですが、本種は関東地方では海岸部のみで見つかっており、内陸部での記録は知りません。茨城県でも海岸付近のみで、ひたちなか市、東海村、高萩市で発見されていますが、いずれも海岸付近です。北限は福島県浜通りと言われていますが、私はまだその場所を見つけていません。こちらではそれくらい珍しい種類です。ちなみに日本海側の北限は、秋田県です。
従いまして常陸太田市という内陸部(私の卒業した高校のある町で、生物クラブに所属して、周辺を歩きました)での採集記録は、生息地とは考えられず、普通のカンタンの可能性が大きいと思います。
この2種類の見分け方は、金沢さんのお答えで十分かと思いますが、さらに大きな特徴は鳴き声で、ヒロバネカンタンはツヅレサセコオロギのように、「ルー・ルー・ルー」と切って鳴き、生息地ではしばしば多数が一度に鳴くので合唱になる場合が多いのです。カンタンの方はよく知られているように、ルルルルルルルと長く連続した幻想的な鳴き声です。
千葉県の福田さんの採集したヒロバネカンタンは、採集地は茨城県常陸太田市です。標本を見ていませんが、ヒロバネカンタンの可能性はきわめて薄いと思います。
【昆虫研究室の金沢学芸員の感想】
関東地方における分布状況の詳しい解説をありがとうございました.さすがに土地感があるとするどい指摘ができますね。
【monitorのお願い】
千葉県の福田さん、茨城県で採集したのは結局ヒロバネカンタンでしたか? よかったら同定結果をお知らせください。
●大阪市のノセヒシバッタさんからのコメント(1998/6/17)。
採集地をよく見なかったので勘違いしてしまいました。井上さんのおっしゃるとおり、茨城県の内陸部なら難しいでしょう。千葉県の平野部ならいると思います。
追記。ヒロバネカンタンの学名の候補がいくらかあります。只今検討中です。
●千葉県の福田文彦さんからのコメント(1998/7/3)。
関東地方では海岸部のみで見つかっているとのことですが、大竹海岸でたくさん鳴いているやつは、ヒロバネですかね?
実を言いますと採集者は、私ではありません。しかも標本すら見たことがありません。同定に関わった人の話を載せたので、詳しいことは分かりませんが、形態上はヒロバネのものに近かったようです。
●茨城県の井上
尚武さんからのコメント(1998/8/9)。
福田文彦 様
コメントありがとうございます。しばらく大阪自然史博物館のHPを見ていなかったので、コメントに気づかず遅くなってしまいました。
文中、大竹海岸というのは、茨城県鹿島郡鉾田町の大竹海岸(海水浴場がある)かと思います。私も海水浴に行ったり、夜間の調査にも行ったことのある所なのですが、残念ながらヒロバネカンタンは確認できませんでした。鹿島郡の海岸は何度か調査したのですが、まだヒロバネは見つかっていません。ただし十分調べた訳ではありません。
もしヒロバネカンタンだとすれば、大変貴重な発見です。もっと北に位置する茨城県高萩市や東海村にも生息するのですから、いても決して不思議ではありません。しかし普通のカンタンもクロマツ林の縁のチガヤの草地に生息しており、生息場所が重なることがあるので、標本を見ないことには何とも言えません。いずれにしてもヒロバネは関東地方では珍しい種類なので確認が必要です。
ヒロバネの鳴き声は「ルー・ルー・ルー」と切って鳴くので、一度でも両者を聴いたことがあれば、まず間違うことはありません。
今年中に私ももう一度調査したいと思います。
なお千葉県のヒロバネカンタンの記録は松浦一郎さんの論文にある「房総半島」という記録しか知らなかったのですが、最近(8月2日)、半島突端の館山市の海岸で1頭鳴き声を確認しました。
●大阪市のノセヒシバッタさんからの新情報(1998/8/27)。
青森県黒石市の方から標本が送られてきました。なんと青森産のヒロバネカンタンでした。
●茨城県の井上
尚武さんからのコメント(2000/1/23)。
ヒロバネカンタン論争(?)のその後
以前本種が、関東地方(関西以外)では内陸に生息しないと書きましたが、最近ど
うもそうでもないような発見があいついでいます。千葉県市川市北部では本種が生息しているらしく、このホームページに、その写真と鳴き声が載っています。
また埼玉県の内田正吉氏が、昨秋松戸市で発見し、千葉虫の会会誌「房総の昆虫」の最近号に報告しました。どうやら以前から関西でおきていた市街地に生息するという、現象が関東でも見られるようになりそうです。どちらにも共通するのは、内陸といっても大都市周辺ということです。今後の動向が注目されます。
以上、ご報告まで。
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カマドウマの発音について
最新のコメントは1999/4/7
●市川顕彦さんからの追加情報(1999/4/7)。
佐賀大学の角修太郎さんのカマドウマについての質問(1999/3/4)に関連して、カマドウマの発音について追加情報です。
クチキウマ類という現在日本特産のカマドウマ類のグループで、発音行動が観察されています。私自身も経験しましたが、後肢を物にぶつけて、タタタタタ...と音を出します。私が聞いたのは♀ですが、♂や幼虫までするそうです。この類は樹上性ですので、葉っぱや枝などで音を出しているのでしょう。
いわゆるカマドウマ(マダラカマドウマも)が音を出すかどうかは知りません。外国のCave
Cricketというのは洞窟性などのカマドウマなど(コオロギのこともあり)で、音を出すのはやはり森林性(樹上性)のグループではないでしょうか(北米などにいます)。洞窟では振動音が使えませんし、日本の洞窟性カマドウマは発音しないようです。
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青虫の色について
最新のコメントは1999/5/13
千葉県の小守美和さんの「青虫は紫キャベツを食べたら、紫色になるのか?」という質問(1999/3/13)に関連して、神奈川県の栗原 悟さんが、以前に実験した経験をお知らせ下さいました。
●神奈川県の栗原 悟さんからのコメント(1999/5/13)。
QandA のページの「青虫の色についての質問」に関して、紫キャベツで青虫を飼育する実験が提案されていましたが、まさにその実験を私の通っていた小学校で行っておりました。かすかな記憶を頼りに概要を報告しますと、
採集して来たモンシロチョウの幼虫を通常のキャベツで飼育するグループと紫キャベツで飼育するグループの2つに分けて飼育するといった物です。観察対象の幼虫は既に通常のキャベツである程度成長していたものを採集して来て使用しました。
結果ですが、紫キャベツで飼育したグループは飼育開始時には通常の緑色でしたが、飼育しているうちに暗い紫色のまだら状に体色が変化していったと記憶しています。
どのくらいの期間紫キャベツで飼育したかについては覚えていません。蛹化するまで紫キャベツのみで飼育しましたが、体色が変わり切るまでに蛹になってしまいました。蛹の色がどうだったかについても覚えていないのですが、成虫の色は通常のキャベツで飼育したものと変わりなかったと記憶しています。
なにせ20年位前のことで、記憶も少々あいまいなのですが、おおむね以上のようでした。
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タマムシの成虫のエサについて
最新のコメントは2000/8/24
岡山市の鑛山宗利さんの「タマムシの成虫の餌は何?」という質問(1998/8/20)に関連して、コメントをいただきました。
●愛知県のダクリゲさんからのコメント(2000/8/24)。
タマムシの成虫のエサに関して、成虫期に関する記述はあまり見られませんが、成虫ではあまりエサを採らないと考えられるので・・・ との答えをされてましたので、参考になるかと思いメールします。
この夏私は初めてタマムシを捕まえて観察していました。虫かごにフンがたまっていたので、少なくとも成虫は何か食べていたと思いました。幼虫は桜の枯れ木も食べるとのことなので、成虫も似たものではと思い、葉を入れてみました。すると人が見ていないうちに食べていたようで、かじった跡がありました。しかしちぎった葉のせいかあまり多くは食べず、10日くらいで死んでしまいました。
うまくすればもう少し生きたかもしれませんが、あるいは捕まえたのが8月半ばなので、寿命なのかもしれません。
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