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本の紹介「微生物vs.人類」
「微生物vs.人類 感染症とどう戦うか」加藤延夫著、講談社現代新書、2005年1月、ISBN4-06-149771-5、740円+税
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【村山涼二 20060418】
●「微生物vs.人類」加藤延夫著、講談社現代新書
微生物は何か、に始まり、細菌、ウイルス、発症、防御、ワクチン、血清、免疫についてやさしく述べている。医療・医学の進歩による化学薬剤、抗生物質の発見に対し、微生物はすぐに薬剤耐性菌、多剤耐性菌と変化し対抗する。日頃おとなしくしている病原菌も人間の免疫力が低下するとすぐにつけこむ日和見感染症もある.。9.11事件と炭疽菌、鳥インフルエンザ、SARS(新型肺炎)など感染症の危険が続発している。発生時の敏速な、適切な(隔離など)、グローバルな対応の必要性が良く解る。微生物・感染症に対する正しい知識を持ち、如何につき合うかが大切です。人物列伝として、レイウェンフック(顕微鏡)、パスツール、コッホなど歴史と人間の働きの紹介が理解を助ける。最後に食品、医療(抗生物質など)、環境浄化などへの利用による微生物の恩恵と期待についても述べている。
お薦め度:★★★ 対象:市民として健康を大切に考える全ての人に
【和田岳 20060420】
●「微生物vs.人類」加藤延夫著、講談社現代新書
ウイルスや細菌など人の病気を引き起こす微生物を解説するとともに、その感染症の現状と対策を紹介している。合間には、感染症対策の歴史の中で活躍した研究者・医師が人物列伝というコラムで挿入される。教科書的に微生物、感染、免疫、治療法などが説明された後、鳥インフルエンザ、SARS、炭疸菌、BSE、ポリオ、マラリア、ペスト、コレラ、インフルエンザ、O-157と、順に感染症が紹介される。全体的に、ダラダラと羅列されている感が強い。
副題にもある、肝心の“感染症とどう闘うか”を整理して、わかりやすく説明してくれたらよかったのだが…。
お薦め度:★★ 対象:いくつかの感染症の発生の歴史や経過を知りたい人
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