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本の紹介「ぼくは猟師になった」
「ぼくは猟師になった」千松信也著、リトルモア、2008年9月、ISBN978-4-89815-244-7、1600円+税
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【高田みちよ 20090127】【公開用】
●「ぼくは猟師になった」千松信也著、リトルモア
現在37歳の男性がククリワナ猟師になったいきさつを書いた一冊。第1部が自分の生い立ちと、どうして猟師になろうと思ったか。1970年代に伊丹市という都会で育っていながら、薪で風呂をたいていたというから、かなり珍しい生い立ちである。
第2部以降が獲物の捕り方、料理の仕方など、現在の猟生活。猟師というと一世代前のおじいちゃんの鉄砲打ちなイメージが普通だと思うが、若くてしかもククリワナでイノシシを狙ったり、網でスズメを捕る猟師というのは珍しい。ビール片手にスズメが来るのをじっと待ち、紐を引っ張ってパタンと網を閉じると一網打尽、というのはなんとも楽しげな猟である。ホネホネ団もびっくりな皮剥ぎ技術をもっているらしく、10分でシカの皮が剥けるそうだ。
京都府内の山際に住み、裏山でイノシシを狩り、しかも普段は運送業者。ぜひお近づきになりたい。
お薦め度:★★★★ 対象:パックに並んだ以外のお肉に興味のある方
【加納康嗣 20081028】
●「ぼくは猟師になった」千松信也著、リトルモア
罠猟専門の猟師になった京大生。自分の奪った命への礼儀として、無駄なく食べることを心情に、イノシシやシカとの知恵比べを繰り広げる。野生動物を食卓に運ぶ流通ルートがない日本のシカ行政、イノシシ行政の欠陥などが浮き彫りになる。シカやイノシシの裁き方、うまい食べ方などケモノや骨に関心のある人には参考になるだろう。
お薦め度:★★★ 対象:ケモノや骨に関心のある方
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