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本の紹介「僕らが死体を拾うわけ」
「僕らが死体を拾うわけ 僕と僕らの博物誌」盛口満著、どうぶつ社、1997年6月、4-88622-103-3、1500円+税
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【田中久美子 20031026】【公開用】
●「僕らが死体を拾うわけ」盛口満著、どうぶつ社
自然誌の最初のアプローチは、身近な自然をどれだけ自分の中へ取りこめるか。タンポポから始まって、動物の死体拾いに至るまで。手さぐりで授業作りをやってる様が、ライブ感覚で伝わってくる。
最初、ゲッチョが喜ぶからと死体を拾っていた生徒達が、自分で解剖をし、標本を作り、胃の中身の物を調べて考察し、死因を考える。そうやって一つずつ死体が語る物語りを聞く。死体が「よき先生」となる。
虫、鳥、植物を題材に、ゲッチョさんと生徒達がいっしょになって作る授業は、本当にうらやましいくらい素敵。下半分がイラストというゲッチョスタイルが又、いい。
お薦め度:★★★★ 対象:中高生から一般まで、自然大好きな人に特におすすめ
【瀧端真理子 20020718】
●「僕らが死体を拾うわけ」盛口満著、どうぶつ社
学生時代の屋久島でのアルバイト調査に端を発して、動物の死体拾いを楽しむようになった盛口満さんの本。各ページの下半分には著者自らが描いたイラストと楽しい解説が満載。著者だけでなく、教え子たちまでが死体拾いや解剖を楽しんでしまっています。ナナフシモドキやオバケタンポポの話など、もっと詳しく知りたい、と思っているうちに次の話題に移ってしまい、少し物足りなさが残ります。
一番興味を引かれたのは、著者の勤める自由の森学園って、いったいどんな学校なんだろう、という点でした。
お薦め度:★★★ 対象:初心者向け
【田中久美子 20031024】
●「僕らが死体を拾うわけ」盛口満著、どうぶつ社
これがゲッチョさんの本の中で初めて読んだ本なので、私にとってもゲッチョさんの原点といえる本です。
自然誌の最初のアプローチは、身近な自然をどれだけ自分の中へ取りこめるか…。タンポポから始まって、動物の死体拾いに至るまで…。手さぐりで授業作りをやってる様が、ライブ感覚で伝わってくる。
最初、ゲッチョが喜ぶからと死体を拾っていた生徒達が、自分で解剖をし、標本を作り、胃の中身の物を調べて考察し…、死因を考える…。そうやって一つずつ死体が語る物語りを聞く。死体が「よき先生」となる。
虫、鳥、植物を題材に、ゲッチョさんと生徒達がいっしょになって作る授業は、本当にうらやましいくらい素敵。下半分がイラストというゲッチョスタイルが又、いい。
お薦め度:★★★★ 対象:中高生から一般まで、自然大好きな人に特におすすめ
【寺島久雄 20031018】
●「僕らが死体を拾うわけ」盛口満著、どうぶつ社
生徒が拾ってきたヒミズ、それを飼育する事でエサのミミズ取りが始まり、ヒミズとミミズの生態観察に入って行く授業の様子を読んでいると、自然の不思議さに驚き、其処に感動と喜びの授業が見えてくる。
拾ってきた死体が語る物語を聞き、観察して生物進化の歴史を掘り起こし、他の生物との比較検討、そして議論を進める。室内外での学習風景は、生徒達が楽しんで勉強している姿を感じる。
現在世間で言われている教育上の問題点の多くが、此の様な授業によって解決されるのではないかと思われる。
お薦め度:★★★★ 対象:自然を知りたい人、楽しく学びたい人に
【六車恭子 20030817】
●「僕らが死体を拾うわけ」盛口満著、どうぶつ社
「僕は生徒たちが僕のところに持ち込んでくるものは細大もらさず記録しよう。」 著者の覚悟が滲む一冊。日常の個人的な土台作りがあって、飛躍のためのキッカケは
突然やって来る。「屋久島で新種のツルリンドウ発見!」の記事の衝撃も遠い誘因だっ たろう。スケッチブックにそのリンドウは描きとめてある。当時はそのことを「見分
ける」能力がなかったのだ。
動物の死体は解剖を経て骨格作りへと進む「解剖団」まで結成された。骨にはその 進化の歴史がちゃんと残されている、とちっぽけな耳小骨は証言する。「僕にとって
それは推理小説を読むようなものなのだ。資料と資料の断片をつなぎあわせ、犯人を 突き止めていく。生物を見ることの面白さはそこのところにあると思う。」
タヌキからおばけタンポポまで盛り沢山だがゲッチョ本のルーツはこの本では?
お薦め度:★★★★ 対象:生き物と関わりたい人はだれでも
【和田岳 20031024】
●「僕らが死体を拾うわけ」盛口満著、どうぶつ社
授業などでの生徒とのやり取りを軸に、多くのイラストを交えて話が進められる。タイトルにもなっているパート2では、生徒たちが拾ってきた哺乳類の死体を、皮を剥き、内蔵を解剖し、胃内容を観察し、骨にする。博物館で哺乳類を担当してる学芸員ならともかく、一般的にはかなり珍しい光景。それも学校の授業やクラブ活動でするのだから。やった先生がすごければ、喜んでそれについていった(あるいは引っ張っていった?)生徒たちもすごい。またそんな事を好きにやらしてた学校も変わってる。この辺りの授業内容、及び先生と生徒の関係は、教育関係者は必読かも。
単に哺乳類の死体を標本にするだけでなく、死体からいろいろなテーマを見つけては、調べていく。まさに死体を拾うわけ。死体で色々と楽しく遊べる(=勉強できる)ことがよくわかる。
お薦め度:★★★ 対象:理科教育を考えたい人、あるいは死体を見つけた人
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