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本の紹介「ぼくらの昆虫記」
「ぼくらの昆虫記」盛口満著、講談社現代新書、1998年6月、ISBN4-06-149405-8、660円+税
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【六車恭子 20030817】
●「ぼくらの昆虫記」盛口満著、講談社現代新書
学校は当然知識を学ぶだけの所ではない。知識の由って来る道筋を訪ねる所でもあ る。けして虫好きではない生徒たちのことばにヒントを得て、ゲッチョ先生の探索が
始る。身近なゴキブリのはなしもあれば未知の遠い国のはなしもある。
台湾で出会ったセミ玉は死者の舌の上にのせたもの、遠く古代エジプトではミイラ の心臓の上にスカラベが添えられていた。日本でもスズメガの蛹を「ニシドッチ」と
呼ぶ地方がある。何故東や南でなく、西なのか?ゲッチョの推理が展開する。西は太 陽の沈む方、彼岸なのだ、という発見。人々は死と再生のドラマを虫へのまなざしに
込めていたのだ。伝承のしっぽに連なる時間がここにはある。
これは先生と生徒との交歓から生まれた実感実録昆虫記。
お薦め度:★★★★ 対象:自然と遊ぶ方法を知りたい人に
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