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本の紹介「ブナの森は宝の山」
「ブナの森は宝の山」平野伸明文・野沢耕治写真、福音館書店、2006年4月、ISBN4-8340-2184-X、2400円+税
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【西村寿夫 20070424】
●「ブナの森は宝の山」平野伸明文・野沢耕治写真、福音館書店
秋田・森吉のブナ林に数年通い続けて撮りためた写真集である。
ページは冬から始まる。雪に覆われたブナの林は、湿潤な気候を生み出す元となる。凜と静まりかえった白銀の世界が続く。一見、静まりかえった森の中でも動物たちは活発に動いている。幹にいくつもの穴を開けるクマゲラ、ヤマドリを襲ったというテン、ゆっくりと反芻しているカモシカ等々、動物たちは寒さ知らず。やがて、陽差しが暖かくなる頃、エダシャク、カワゲラ、クモたちが動き始める。もうすぐ春だ。青空をバックにした芽吹きはまた格別美しい
こんな調子で、ブナの森1年の四季折々の生き物の姿がが紹介されていく。ブナの森はまさに命を育む故郷である。「森は新しい命をはぐくみながら、原始の森のかわらぬ姿を保ち続けてゆく」と綴られている。すばらしい地球の姿を堪能させてくれる一冊である。
お薦め度:★★★ 対象:高校生以上向き
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