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本の紹介「キャベツにだって花が咲く」

「キャベツにだって花が咲く 知られざる野菜の不思議」稲垣栄洋著、光文社新書、2008年4月、ISBN978-4-334-03450-4、740円+税


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【村山涼二 20090225】【公開用】
●「キャベツにだって花が咲く」稲垣栄洋著、光文社新書

 野菜を、食べて、見て、よく知っているが、その花は?キャベツ、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、ジャガイモ、レンコン・・・・と。植物のどこを食べているの?サツマイモは根、ジャガイモは茎、タマネギは葉。野菜は未熟な間に食べられることが多く、実や種子が知られていないことが多い。野菜の原産地より日本への歴史の中の旅の物語。人類と野菜との切っても切れない宿命。最後に「ちゃんと野菜を食べなさい」と野菜の効用を説いている。付録に「野菜のことわざ」の解説がある。一富士、二鷹、三茄子の茄子は何故なのか?など。まさに、知られざる野菜の不思議がいっぱい。

 お薦め度:★★★  対象:野菜ぎらいの子を持つお母さん方

【加納康嗣 20081223】
●「キャベツにだって花が咲く」稲垣栄洋著、光文社新書

 野菜の科学を易しく語る普及書である。今までよく知っていることを復習するつもりで読んでいくと、いつの間にか新しい知識にふれ、そうだったのかと納得する。いつも食卓でお世話になっている野菜だから知識が面白いように吸収される感じだ。しかし、腑に落ちないことが2つほどある。栽培植物の起源地を、バビロフ説で紹介しているが、中尾佐助のアフリカ・ニジェール地域はどうなのか。2つ目は、ウメ・モモ・サクランボを偽果としているが正しいだろうか、疑問のあるところである。

 お薦め度:★★★  対象:植物学の勉強をしたい人

【和田岳 20090226】
●「キャベツにだって花が咲く」稲垣栄洋著、光文社新書

 日頃花を見かけることが少ない野菜たちがどんな花をつけるか。ダイコン、カブ、ジャガイモ、サツマイモなどさまざまな野菜のどこを私たちは食べているのか。野菜のふるさとはどこ? などなど野菜についての豆知識が満載。
 入り日が薄れる菜の花畑は、野沢菜の畑で、野沢菜ってカブと同じ種だとは知らなかった。ダイコンって根っこだけを食べているわけではなくって、カブとはそこが違うのか〜。といった調子で、いろいろと勉強にはなる。でもまあ、次々と蘊蓄を披露されている感が強い。最後の章では、どうして野菜ジュースやサプリメントを飲むだけではなく、野菜を食べる必要があるかが説明される。これはそれなりに納得かも。

 お薦め度:★★  対象:野菜蘊蓄を身に付けて、居酒屋で披露したい人

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