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本の紹介「地球温暖化論への挑戦」
「地球温暖化論への挑戦」薬師院仁志著、八千代出版、2002年2月、ISBN978-4-8429-1228-8、2000円+税
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【中条武司 20080108】
●「地球温暖化論への挑戦」薬師院仁志著、八千代出版
何か行動をする時のパワーの源泉にはいくつもあるが、大きなものとして怒り がある。しかし、怒りは一歩間違えれば相手を傷つけたり、不愉快にさせるものだ。
ということで本書である。本書は世間をにぎわせる地球温暖化論を、それはお かしいのではないかと指摘している本である。IPCCを含む政府・研究機関や研究
者が述べる温暖化論の不備や問題点を挙げ、盲目的に従う人々を糾弾する。著者 を突き動かしているのは、温暖化問題という旗の元にすすむ社会に対する怒りで
あろう。
確かに著者の糾弾する温暖化論の問題点は正しいのかもしれない。しかし、時 には「私は素人だから」と逃げを打つ。海外に行けとまでは言わないが、国内の
関係者にインタビューをした様子もない。意図的なのかどうかはしらないが、温 暖化論議(世界の風潮)の一番の問題点である社会的な部分(経済、地域間格
差、二酸化炭素取引、一般報道の在り方など)については全くといって触れてい ない。著者の専門のはずなのに。そして何より本文を通して、この本を読んでい
る私たちを「温暖化なんて信じているお前らアホだ」と罵っているのが透けて見 える。つまり著者は、温暖化論を糾弾するふうを装いつつ、一般読者を馬鹿に
し、自分がいかに賢いかを見せびらかしているのだ。
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