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本の紹介「地図の博物図鑑」
「地図の博物図鑑」ペッツイ・メイソン&グレッグ・ミラー著、日経ナショナルジオグラフィック社、2020年8月、ISBN978-4-86313-464-5、3600円+税
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【中条武司 20201217】【公開用】
●「地図の博物図鑑」ペッツイ・メイソン&グレッグ・ミラー著、日経ナショナルジオグラフィック社
地図は見ているだけで楽しい。著者に言わすと「地図は私たちを魅了してやまない」ものらしいので、私の楽しいという感情はそんなに変なものではないと思う。「地図好きが地図好きのために書いた本」である本書は、地図の定義はだいぶ広くして、新旧含めての私たちが普通に考える地図から、いわゆる地図統計のようなもの、スキー場のマップから星の地図やデススター、はては脳の中の地図まで様々な地図を見せてくれる。もうなんというか、地図好きはわくわくしながら読むしかない。たった8日間の調査で描いたという細密を極めた九龍城砦の地図、今でも買えるみたい!でも買ってどうする!?
お薦め度:★★★★ 対象:地図好きの人
【ケンタロウ 20210223】
●「地図の博物図鑑」ペッツイ・メイソン&グレッグ・ミラー著、日経ナショナルジオグラフィック社
この本は、川の地図や都市の地図、戦争に関する地図、どうくつの地図、海底の地図、脳の地図、昔の人が考えた地図など本当にあった物や、ある物を地図にしたものや空想や芸術的に書かれた地図など様々な地図がのっています。一つ一つの地図に説明が書かれているので、読むとその地図についてよくわかります。子どもには難しいけれど、ページのほとんどが地図で見やすいので、見ているだけでもおもしろいです。興味のあるかたは、ぜひ読んでみてください。
お薦め度:★★★★ 対象:地図や芸術に興味がある人
【犬伏エルリッヒ麻美子 20210226】
●「地図の博物図鑑」ペッツイ・メイソン&グレッグ・ミラー著、日経ナショナルジオグラフィック社
この図鑑に収集された地図を読めば、地図は道しるべの用途だけでなく、15世紀から現代にいたるまでの世界の様々な人が様々な形で地図を作り上げたものだということがわかります。アート、科学、脳の中身の解剖図、政治・軍事戦略といった多様な要素をもつこともわかります。地図の定義からはみだしだ地図で、300余点の図版を見ているだけでおもしろいです。地図の博物館みたいです。時間のあるときに、じっくり読んでみてください。
お薦め度:★★★ 対象:世界中の地図マニアの人たちへ
【西本由佳 20210222】
●「地図の博物図鑑」ペッツイ・メイソン&グレッグ・ミラー著、日経ナショナルジオグラフィック社
地図は主観的なものだ。3次元の空間を2次元に収めるためには、たくさんの省略や工夫が必要になる。何を選ぶかに作成者の主観が入り込む。また、何を選ぶか、という主題が決まったら、収めるための情報の収集や描画の技術も必要になってくる。この本はいろんな人々がそれぞれの目標とするものを表すために歩きまわったり資料にあたったり空想したりして、1枚の地図に描き出している。描く人によってこれだけいろいろな世界が見えてくるのが地図の魅力なんだなと実感した。
お薦め度:★★★ 対象:ふだん見ているのと違った世界を見たくなったら
【萩野哲 20201212】
●「地図の博物図鑑」ペッツイ・メイソン&グレッグ・ミラー著、日経ナショナルジオグラフィック社
地図は単に地形を縮尺したものではなく、視覚的な生き物である人間がものごとを理解するため、それを表現・伝達するための最高の手段であると、紹介されている。だから、機器設備の設計図や生物の解剖図も地図の一種なのだ。見た目の美しさや面白さから芸術的な地図もあるが、逆に考えると、芸術の一部は地図なのかもしれない。英国の海賊がスペインのガレオン船を襲った理由は積荷の金はもちろん、海図も目当てだったとのことから、当時の地図の価値がうかがえる。目的に応じた見易さへの工夫は驚嘆させられるものが多い。私のお薦めは、P.66-69の九龍城砦だ。
お薦め度:★★★★ 対象:視覚的な生き物である人間として、楽しむ時間がほしい人
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