【ケンタロウ 20171221】【公開用】
●「チョウのすきな葉っぱの味」奥山多恵子著、福音館書店たくさんのふしぎ2017年3月号
チョウの成虫は、しゅるいやきせつによって食べものがさまざまです。チョウがたまごをうみつける葉っぱもそれぞれきまっていて、その植物は「食草」あるいは「食樹」とよばれています。
では、どのようにして、メスのチョウたちは、自分たちの食草をみつけるのでしょうか。多くのチョウは前足でかんじた味で食草をたしかめて、せいかくに自分の食草をみつけてたまごをうみます。
ぶじに成虫になれるチョウのたまごは、ごくわずかなので、メスのチョウたちは、何日もかけてせっせとたまごをうむのです。そして、たまごをうみおわったら一生をおえます。
なんともせつないです。
お薦め度:★★★★ 対象:チョウと食草のせかいをしりたい人に
【冨永則子 20171221】
●「チョウのすきな葉っぱの味」奥山多恵子著、福音館書店たくさんのふしぎ2017年3月号
植物は虫や動物に食べられないように独特の味や臭い、毒などで身を守っている。しかしチョウは、その臭いや味を足で感じて卵を産み付け、幼虫はその葉を食べて成虫になる。なんとも矛盾しているが、こうして植物とチョウは共生関係にある。チョウと食草・食樹、その卵、幼虫、蛹と一生がコンパクトにまとめられている。敵役で少しだけ出てくる鳥が可愛くないのが気になるが…。
お薦め度:★★★ 対象:チョウの一生と食草について知りたい人に
【西村寿雄 20171220】
●「チョウのすきな葉っぱの味」奥山多恵子著、福音館書店たくさんのふしぎ2017年3月号
小さな体のチョウがどのような能力を発揮して数ある植物から自分の食草を見つけるのか。またなんのためにわざわざ食草を限定するのか、食草を限定することにどういうメリットがあるのか、このようなチョウの不思議な問題にこの本はせまっている。アゲハの前足の先には味を感じる器官(感覚毛)がある。チョウの足先は味覚器官でもあるのがすごい。また、チョウが食草にしている植物には特有の匂いがするものもあり毒のある植物もある。チョウはこれらの匂いや毒を体内に取り入れて鳥からの攻撃をかわしているという。このようなチョウの生き残り戦略を淡い挿絵で紹介してくれている。
お薦め度:★★★★ 対象:チョウ好きの小学生から
【六車恭子 20171222】
●「チョウのすきな葉っぱの味」奥山多恵子著、福音館書店たくさんのふしぎ2017年3月号
近辺の公園や野山で出会えるチョウを網羅した一冊。チョウたちの食草探しをすれば、彼らに会える!その手引き書がまさに本書!
経年で目撃できるチョウから、年1回しか発生しないウスバシロチョウまで、美しいタッチで案内してくれる、この一冊であなたはチョウ博士、間違いなし!
少し、難点をつけるなら、一枚の絵に同所的に存在しえないチョウを描いてしまったこと。だからといってこの絵本の素晴らしさが軽減するものではありませんが……。
お薦め度:★★★★ 対象:目にするチョウの暮らしに興味がある方
【和田岳 20171219】
●「チョウのすきな葉っぱの味」奥山多恵子著、福音館書店たくさんのふしぎ2017年3月号
とにかくチョウがたくさん登場する。大阪でもちょっと山手に行けば出会えそうなチョウばかり。その中で、ナミアゲハ、キアゲハ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、アオスジアゲハ、ジャコウアゲハが次々と食草に産卵。8種の卵、幼虫、蛹が紹介されていく。チョウのお母さんは、前脚で味を確かめて、正しい食草に卵を産むという。あまり味のない食草だと困らないのかな?とちょっと思ったり。
お薦め度:★★★ 対象:チョウ好き