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本の紹介「大規模言語モデルは新たな知能か」

「大規模言語モデルは新たな知能か ChatGPTが変えた世界」岡野原大輔著、岩波科学ライブラリー、2023年6月、ISBN978-4-00-029719-6、1400円+税


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【森住奈穂 20240301】【公開用】
●「大規模言語モデルは新たな知能か」岡野原大輔著、岩波科学ライブラリー

 本書では、大規模言語モデルの基礎から、実際にできること、課題、今後の可能性などについて、幅広く解説されています。基礎的な部分では、大規模言語モデルの技術的な仕組みや、訓練データの重要性などがわかりやすく説明されています。また、具体的な応用例として、翻訳、要約、創作、検索、教育、カウンセリングなどが挙げられており、大規模言語モデルが私たちの生活にどのように変化をもたらすのか、イメージしやすいように書かれている。課題については、偏りや差別的な表現を生み出す可能性があること、誤った情報を拡散する可能性があることなどが指摘されている。また、大規模言語モデルが人間の仕事を奪う可能性があることも、懸念として挙げられている。今後の可能性については、言語の理解や創造だけでなく、創造性や問題解決能力など、人間の知能に近い能力を獲得する可能性があることが期待されている。個人的な感想として、「べき乗則」には驚愕した。これはいわば教えれば教えるほど賢くなる、ことを意味するようだ。まるで人間の子供のようである。

 お薦め度:★★★  対象:大規模言語モデルがもたらす影響が気になるひと
【里井敬 20240425】
●「大規模言語モデルは新たな知能か」岡野原大輔著、岩波科学ライブラリー

 言語モデルによって次の言葉を予測して文章を作ることができる。大規模言語モデルによって、ChatGPTや新しい検索サービスが登場している。これらは様々な可能性があるが、リスクもある。幻覚というありもしない回答が出てきたり、大切な情報がもれることもある。また偏見が含まれることもある。人を人たらしめているのは言語であり、私たちはいつの間にか獲得している。計算機には言語の獲得は難しかったが、モデルを大規模化し未知のデータでもうまく予測できるようになった。大規模言語モデルは間違いもするし完璧ではない。ちょっと変わった人として付き合う、人間が活用する道具としてとらえることが大切だ。
 耳慣れない言葉が沢山でてきたのでChatGPTで聞いて読むと少し理解できた。会話するように質問できるのは良い。

 お薦め度:★★★  対象:ChatGPTの仕組みやリスク、メリットを知ってから使ってみたい人
【萩野哲 20240623】
●「大規模言語モデルは新たな知能か」岡野原大輔著、岩波科学ライブラリー

 高い対話能力と汎用的問題解決能力をもつ人工知能。これを実現する技術が大規模言語モデルと呼ばれる。そのような技術として、2022年11月にChatGPT が登場した。質問または指示(プロンプト)すると、これに基づき膨大な情報からその後に続く単語を予測し、更にそれに続く単語を予測し、延々これを繰り返すことによって回答を出す。具体的には、文書の校正・要約・翻訳に始まり、高度な専門性が必要な仕事のサポートまで行うことができるが、今後どこまで応用範囲が広まるか、現時点では想像が難しいほどだそうだ。もちろん、解決すべき課題やリスクもあるが、中でも「幻覚」は不気味であり、情報の信憑性に影を落としている。これを今後どれだけ利用できるかが個人的課題。

 お薦め度:★★★  対象:まずChatGPTとは何なのかを知りたい人
【松岡信吾 20240226】
●「大規模言語モデルは新たな知能か」岡野原大輔著、岩波科学ライブラリー

 本書では、大規模言語モデルの基礎から、実際にできること、課題、今後の可能性などについて、幅広く解説されています。基礎的な部分では、大規模言語モデルの技術的な仕組みや、訓練データの重要性などがわかりやすく説明されています。また、具体的な応用例として、翻訳、要約、創作、検索、教育、カウンセリングなどが挙げられており、大規模言語モデルが私たちの生活にどのように変化をもたらすのか、イメージしやすいように書かれている。課題については、偏りや差別的な表現を生み出す可能性があること、誤った情報を拡散する可能性があることなどが指摘されている。また、大規模言語モデルが人間の仕事を奪う可能性があることも、懸念として挙げられている。今後の可能性については、言語の理解や創造だけでなく、創造性や問題解決能力など、人間の知能に近い能力を獲得する可能性があることが期待されている。個人的な感想として、「べき乗則」には驚愕した。これはいわば教えれば教えるほど賢くなる、ことを意味するようだ。まるで人間の子供のようである。

 お薦め度:★★★  対象:大規模言語モデルに関心のある方、これからの社会にどのような変化をもたらすのかを知りたい方には、ぜひおすすめ
【和田岳 20240227】
●「大規模言語モデルは新たな知能か」岡野原大輔著、岩波科学ライブラリー

 ChatGPTをはじめとする大規模言語モデルについての解説本。
 ChatGPTで、社会がどうかわるかという話だけでなく、大規模言語モデルが、どのように生まれたのか、そしてどんなリスクを抱えているのかを紹介してくれる。とくに、存在しない情報を創り出してしまう「幻覚」という現象、新しいことを覚えると以前覚えたことを忘れたり壊してしまう「破滅的忘却」という現象が、現時点ではあるってことは、肝に銘じておいた方がいいだろう。さらに、プライベートな情報が間接的に公開されたり、変な価値観や偏見にまみれた意見を採用してしまったり、本人証明が難しくなったり、課題も多い。
そもそも、いまだに機械学習で、言語学習のプロセスが明らかになっていないというのは不思議な気がする。
 難しい内容を、やさしく説明しようとしてくれてる。全部理解できた訳ではないけど、なにかしらChatGPTがどういうものかは判ってくる。

 お薦め度:★★★  対象:ChatGPTって便利なん?と思ってる人
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