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本の紹介「ダムと日本」

「ダムと日本」天野礼子著、岩波新書、2001年2月、ISBN4-00-430716-3、740円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
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【魚住敏治 20060621】
●「ダムと日本」天野礼子著、岩波新書

 最初の十数ページの話を読むだけで、いかに使命感にもえて活動しているのかか伝わってきます。それだけに、はじめにダム反対ありきで、ダム行政の生々しい話もすこしさっぴいて読んだほうがいいのかなといった気持ちになってしまいます。
 山の環境も含めて、川を昔の状態にして、うまくつきあっていけば、という事なのでしょうが本当にそれがベストなのでしょうか。今あるダムの後始末をどのようにつけるのでしょうか。などなど、とにかくダムを考えるスタートにはなると思います。

 お薦め度:★★  対象:大学生、社会人のかた

【六車恭子 20060622】
●「ダムと日本」天野礼子著、岩波新書

 19才の頃から竿を片手に日本の世界の川を旅して歩いた著者が遂にかつての建設省、現国土交通省を相手に「川を甦らせる」闘いの履歴を披露したのが本著だ。
 「治水によかれ」と導入された欧風の近代河川工法は流域の民の暮らしを変えてしまった。「治水」「利水」の名目で築かれた2700ものダム、そして河口堰、薪炭の需要で伐られた山は保水力を失い災害を招くだけだ。流域の人々の暮らしを守る闘いを結び、欧米の河川行政の今を視察し、世界の潮流を伝える元気なオルガナイザーだ。
 川の民日本が江戸時代まで使ってきた”自然に逆らわず洪水をやりすごす”方法が欧米で静かなブームをよんでいる。これからの河川行政のゆくえを知り、闘うノウハウ身のつける上でもひもとく価値はありそうです。

 お薦め度:★★  対象:世界をまたに活動したい人

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