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本の紹介「ダニが刺したら穴2つは本当か?」
「ダニが刺したら穴2つは本当か?」島野智之著、風濤社、2021年6月、ISBN978-4-89219-459-7、1800円+税
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【冨永則子 20211123】【公開用】
●「ダニが刺したら穴2つは本当か?」島野智之著、風濤社
ダニに刺されると、とっても痒くて、時には死ぬことまである。それは事実だが、人間の血を吸うダニは世界中にいるダニのたった1〜2%にすぎない。多くのダニは人間には被害を与えず、人間とは関係ない自然の中で生きている。私の側にもダニがいる。世界はまさにダニだらけ、その99〜98%のダニは無害と分かっても、でも、やっぱり気持ちは良くないかな? 走査型電子顕微鏡の画像がたくさん掲載されている。好きな人には、たまらないのだろうが、なんだかますます不気味さを増す。本書のタイトルはテレビに出て、菅田将暉と喋ったことをサラッと自慢するため?
お薦め度:★★ 対象:目に見えないぐらいの小さいモノ好きに
【萩野哲 20211030】
●「ダニが刺したら穴2つは本当か?」島野智之著、風濤社
島野先生のダニ本は何冊目になるのだろうか?そんなに本にする話題があるのだろうか?という第三者の心配は…少しは当たっていた。でもこの先生の本は面白いよ。今回は春夏秋冬のダニ話として進められるが、単なるダニの消長が話題ではない。ダニ学者になった自分を振り返っての話;子供の名前の候補にあげた「あかり」に生物学と縁もゆかりもない家族全員が反対した、ダニの語源の話;ボルテール作『ミクロメガス』の話;ツツガムシをやっつけた佐々学先生の話;ご存知ダニチーズの話;鳥と相利共生関係のウモウダニの話;*twitter*なんて種小名のダニの話;などなど、ダニにまつわる話が興味深い。今回は走査電子顕微鏡写真が多用されていて、acari な構造の美しさがよくわかる。どうです。まだ読んでいない人、読みたくなりました?気になったのは、メキシコのスズメとフィンチでは巣材としてタバコの吸い殻(ポイ捨てが多いみたい)を多用するほど寄生ダニの数が少ないことが確認された話。もちろん鳥たちはその効果を知ってやっているのだろうが、マイナス面もあることは知っているのだろうか?
お薦め度:★★★ 対象:ダニなんて>^< と思っている人
【和田岳 20211217】
●「ダニが刺したら穴2つは本当か?」島野智之著、風濤社
人間の血を吸うダニは、ダニ全体の中の1-2%にすぎない。大部分は、人間になんの害もなく生きている。ダニのことを、せめて生き物好きには知って欲しいと(たぶん)、ダニ学者が書いた一冊。
春〜初夏のダニ、夏のダニ、秋〜冬のダニに分けて、人間の身近に生きるが、とくに害もないダニたちを中心に紹介される。春を告げるカベアナタカラダニにはじまり、土壌で暮らすササラダニ類、ハチドリなど鳥に運ばれるダニ(なんと北極圏にまで到達!)、チーズダニ、絶滅したトキウモウダニ。次々と比較的メジャーな、面白げなダニが紹介されていく。
お薦め度:★★★ 対象:ダニのことをあまり知らない人
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