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本の紹介「ドーキンスvs.グールド」
「ドーキンスvs.グールド」キム・ステルレルニー著、ちくま学芸文庫、2004年10月、ISBN4-480-08878-4、1000円+税
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【和田岳 20050222】【公開用】
●「ドーキンスvs.グールド」キム・ステルレルニー著、ちくま学芸文庫
進化に関わる本を何冊も出しているドーキンスとグールド。このとってもメジャーな二人の論争を整理して紹介してくれている本。二人の主張のどこが一致していて、どこが違うのか。科学論を専門とする著者は、両者にとって科学とは何かにまで踏み込んで、論争の本質を説明してくれる。200ページほどの薄い文庫本だが、中身は濃い。ただ、解説は蛇足。
ドーキンスとグールドって、とかく対立させられがちだが、その主張の多くは大部分一致しているし、一致していない部分も進化について説明したい側面が違うだけ。誤解に基づく不毛なやりとりを排除して、その紹介はとてもバランスがいい。進化についての手頃なガイドブックでもある。
お薦め度:★★★ 対象:進化に興味のある人。できればグールドやドーキンスの本を読んだことのある方が望ましい。
【六車恭子 20050223】●「ドーキンスvs.グールド」キム・ステルレルニー著、ちくま学芸文庫
片や適応は「利己的な遺伝子」の淘汰とするド−キンス、片や絶滅して消えた化石群から「断続平衡説」を導き出したグールド。二人の生物の進化をめぐる大論争の問題点を検証した本。
淘汰がどう働くか?が二人の論点の対立点のようだ。生命の歴史で偶然が大きな役割を果たし、大量絶滅が次の世紀への扉を開いたとするグールド。淘汰の単位は遺伝子のコピーの系統でなければならなく、その適応度すなわち「素晴らしいデザイン」を解明することこそ急務とするドーキンス。ダーウィンが19世紀に打ち立てた進化論が様々に深められる過程を覗かせてくれる本だ。
お薦め度:★★ 対象:進化をある程度理論的に学んだことのある人
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