友の会読書サークルBooks

本の紹介「動物のひみつ」

「動物のひみつ ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」」アシュリー・ウォード著、ダイヤモンド社、2024年3月、ISBN978-4-478-11628-9、2000円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
 もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@omnh.jp)までご連絡下さい。
[トップページ][本の紹介][会合の記録]

【萩野哲 20241004】
●「動物のひみつ」アシュリー・ウォード著、ダイヤモンド社

 動物には規模の大小こそあれ“社会”があり、生きていく基盤となっている。単独行動から集団を形成するほど個々の関係が複雑になり、種毎に一見不思議に思える様々な行動が生み出された。本書には甲殻類、昆虫、そして多様な脊椎動物の行動が列挙されており、更に、その行動が進化的にどうしてそうなったかも説明されている。ヒトも、もちろん社会的な存在で、言語、知性なども社会生活を営む必要性から進化したと考えられる。ヒトと地球環境を共有する動物たちの社会を比較することは、私たちの社会について深く理解することにつながる。ネズミの「行動シンク」は、明らかに増えすぎているヒトの社会で戦争や暴力がなくならない現状にヒントを与えるかも。本書は動物好きには大変興味深い内容なので、700ページを超える分量もさほど気にならない。

 お薦め度:★★★  対象:様々な動物の行動を知り、自分の生活のヒントを見つけたい人
[トップページ][本の紹介][会合の記録]