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本の紹介「ふしぎないきもの ツノゼミ」
「ふしぎないきもの ツノゼミ」丸山宗利・小松貴・知久寿焼著、あかね書房、2019年7月、ISBN978-4-251-09927-3、1500円+税
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【犬伏エルリッヒ麻美子&けんたろう 20191023】【公開用】
●「ふしぎないきもの ツノゼミ」丸山宗利・小松貴・知久寿焼著、あかね書房
日本や世界の有名で代表的な種のツノゼミの写真が、たくさんのっていて、そのすがたかたちが多様でかわいらしいです。日本のものは、小さなセミに小さなツノを生やしたようなすがたでかわいいですが、南アメリカのものは、変わったすがたをしているものが多いです。
ツノゼミの多くの種がアリと一緒にくらしています。P41のツノゼミコラム「凶暴なツムギアリとくらすツノゼミ」にのっている、アリがチャイロコツノゼミにかぶさって守るすがたは、本当によく撮れています。観察がとても大変だったそうですが、この写真をみるとほんと心が温まります。ハタザオツノゼミの羽化の様子の写真もすてきで、どのようにツノがでてくるのかよくわかります。おもしろいですね。ツノゼミのふしぎなかたちと、なぞいっぱいの生態をわかりやすく写真で説明されているので、小さなお子さまでも見ているだけでもおもしろいと思います。生きている様子をとらえた写真ばかりなので、とても美しいです。私は、小学生の息子と何度も見て勉強させていただきました。早速、ツノゼミさがしに行くことになりました。
お薦め度:★★★★ 対象:小さい生き物を探すのが好きな人たちへ
【冨永則子 20191023】
●「ふしぎないきもの ツノゼミ」丸山宗利・小松貴・知久寿焼著、あかね書房
ツノゼミ…、「セミ」とつくがセミではない。セミと同じカメムシ目に含まれるがかなり遠い親戚になる。姿形がセミに似ていて角があるので「ツノゼミ」と呼ばれるが、体長はわずか2〜25ミリほどで、とっても小さい。非常に多くの種があり世界で3000種が知られている。ツノゼミの角は胸の背面を覆う構造(前胸背板)の一部が大きく発達したもので、そのデザインは多種多様。どんな形をしていても角の中身は空洞らしい。何かに擬態するための角と思われるものから、なんでそんな形?と思うものも。小さいのに存在感の大きなツノゼミの写真がいっぱい。本著では捕まえ方から標本の作り方まで教えてくれている。世界の珍しいツノゼミと比べると地味めだが日本にもいるというツノゼミを見つけてみたくなる。
お薦め度:★★★★ 対象:自分でツノゼミを見つけたいと思っている人に
【萩野哲 20190920】
●「ふしぎないきもの ツノゼミ」丸山宗利・小松貴・知久寿焼著、あかね書房
「ありえない虫」が「ふしぎないきもの」に進化し、今度はほぼ生態写真でまとめられた。10〜11 ページにハタザオツノゼミの羽化のスゴい連続写真が掲載されているが、幼虫と成虫のギャップが大きいので、あの奇妙な前胸背板が羽化後どのように形成されるのかを更にすごみのあるものとしている。ページをくるたびに、防御したり、化けたり、子供を守ったり、アリと暮らしたりしているツノゼミたちのミクロの世界にさ迷い込んだような気がしてくる。一押しは 41 ページのツムギアリがツノゼミにおおいかぶさる写真で、この凶暴で有名なアリの意外な一面をとらえており、心温まる。全体を通して本当に楽しい。そして何よりも、ツノゼミにはまだまだ謎が多いことが発信されている。
お薦め度:★★★ 対象:
【和田岳 20191008】
●「ふしぎないきもの ツノゼミ」丸山宗利・小松貴・知久寿焼著、あかね書房
世界のツノゼミの生態写真図鑑。と銘打たれているだけあって、日本にとどまらず、中南米、アジア、アフリカと世界のツノゼミが、とにかくたくさん載っている。不思議な突起物のついたのも多いけど、ただずんぐりコロンとしてるだけのもいるし、小さな角が付いてるのもいるし、テントウムシやセミのような色・模様のもいる。子どもを育てたり、アリと暮らしたり、幼虫の姿、とツノゼミの暮らしぶりも紹介されつつ。でもやっぱりできるだけたくさんの種類を載せたかったのだろう、未記載の種まで、和名を付けて掲載している。"学名"付きで紹介されてる種類をざっと数えただけでも、150種以上に及ぶ。ツノゼミの多様性を一望するのにオススメ。
お薦め度:★★★ 対象:とにかく色んなツノゼミを眺めたい人
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