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本の紹介「フタバスズキリュウ もうひとつの物語」
「フタバスズキリュウ もうひとつの物語」佐藤たまき著、ブックマン社、2018年8月、ISBN978-4-89308-906-9、1700円+税
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【冨永則子 20190423】【公開用】
●「フタバスズキリュウ もうひとつの物語」佐藤たまき著、ブックマン社
本著は、1968年にフタバスズキリュウの化石が発見されてから50年になる記念にと執筆、出版された。フタバスズキリュウの新種記載が学術論文にいたるまでの古生物学の研究現場や古脊椎動物学者のキャリアの例として自身の経験が語られている。新種記載するまでの研究中は“私のフタバスズキリュウ”だったが、記載論文の出版後は自分の手元から巣立っていったという感覚は研究者ならではなのか、にわかには理解できなかった。
著者の佐藤たまきさんは1991年に東大に入学し、2008年に東京学芸大学の准教授になっている。四年制大学を卒業後、10年以上も定職に就かず(就けず?)、国内外を問わず様々なキャリアで研究を続けている。というか、研究のために転々としている。そういった経験や人との出会いによって研究が深められるのかもしれないが、一般の家庭では、なかなか理解されるものではないだろう。ご家族が学者や研究者であったから見守ってこられたのかもしれない(親心としては、さぞやご心労もあったと思うが…)。
昨今、大学院に進んでも将来を悲観して自らの命を絶つという痛ましい事件が続いている。能力のある人がその才能を活かせる世の中であってほしい。
お薦め度:★★★ 対象:科学研究を目指す中高生
【西村寿雄 20190422】
●「フタバスズキリュウ もうひとつの物語」佐藤たまき著、ブックマン社
フタバスズキリュウと言えば、今から50年も昔いわき市の双葉層で発掘された首長竜の化石の名前だった。しかし、首長竜の化石発掘は新種としての論文発表はされずにずっと続いていた。そのスズキフタバリュウ化石を論文作成に取り組んだ若い女性古生物学者の物語である。大学に入って首長竜の研究に取り組み、首長竜の新種としてスズキフタバリュウ論文が認められるまでの経緯を書き綴っている。さまざまな苦労を乗り越えて研究を続けてきた著者自身の研究歴でもある。
お薦め度:★★★ 対象:科学研究を目指す中高生
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