【犬伏エルリッヒ麻美子 20180629】【公開用】
●「学校のプールのヤゴのなぞ」星輝行著、少年写真新聞社
自然の少ない町中にある小学校は、水泳授業の前にプールに産みつけられたトンボの卵や幼虫を救うため、ヤゴの救出作戦から始まります。ヤゴは、池や川などのほか、学校のプールにもすんでいます。水をぬいてそうじすると、ヤゴは下水に流されてしまいます。そんなヤゴたちを助けるためです。
町中に生きるトンボの生活を通して、身近な自然に触れるおもしろさと大切さが写真の子どもたちの表情から伝わってきます。
この小学校のプールでは、夏は子どもたちのためのプールですが、秋から翌年の初夏にかけてはヤゴたちや多くの水生生物が生きていくための大切な場所となっています。
そんな学校のプールを、子どもたちが身近な生きものに触れる環境学習の場として活用されていることは、すごくいい考えだと思いました。
お薦め度:★★★ 対象:小学校の先生方や学校に携わる方々におすすめ
【冨永則子 20180627】
●「学校のプールのヤゴのなぞ」星輝行著、少年写真新聞社
町中で見かけるたくさんのトンボ。いったい、どこから来たのかな? 池や川などの水辺の他に、学校のプールやビオトープでも、たくさんのトンボのヤゴが見つかることを知った著者がプールのヤゴの一年を観察する。学校のプールと言っても、周辺の環境によって、そこに生きるヤゴの種類が違い、種類ごとに卵の生み方、越冬の状態も違う。様々な種類のトンボが生きていくためには豊かな自然環境が必要で、それを守ることがとても大切になることが分かる。なかなか難しいことだが、学校のプールにもたくさんの生き物たちが関わり合う環境がある。身近な場所を観察することから生き物の暮らしを知り、環境保全を考えよう。
お薦め度:★★★ 対象:街の中を飛ぶトンボはどこから来たのかな?って思った人に
【和田岳 20180628】
●「学校のプールのヤゴのなぞ」星輝行著、少年写真新聞社
6月、東京都杉並区という大都会の小学校で行われたプールのヤゴ救出作戦。コノシメトンボを筆頭に、シオカラトンボやイトトンボ類など800匹を超えるヤゴが救出された。これを皮切りに、同じ小学校のビオトープのヤゴを見て、近所の公園の池のヤゴを見て、東京都西多摩郡の郊外の小学校のプールの生き物も見て、きれいな河川のヤゴも見る。そして、10月、12月、4月、5月とプールのヤゴの様子を追跡観察してみる。
情報が多くて整理されておらず、プールのヤゴの一年の様子が掴みづらいのが残念。でも、秋から春のプールでヤゴをはじめたくさんの生き物が暮らしているというメッセージはとても重要。
お薦め度:★★★ 対象:秋から春のプールがたくさんの生き物の大切な暮らしの場所になっていることを知らない人、学校関係者